許可区分・工事業種 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 県外で施工する場合と、県外に営業所を設ける場合の違い
  • 4つの拠点配置の例と許可換え新規の準備
  • 知事・大臣と一般・特定を分けて判断する方法

違いを決めるのは営業所の所在地で、現場の場所ではない

建設業許可の知事・大臣の区分は、建設業の営業所を一つの都道府県だけに置くか、複数の都道府県に置くかで決まります。埼玉県内の営業所だけで営業するなら埼玉県知事許可、埼玉県と東京都に建設業の営業所があるなら国土交通大臣許可の区分です。

「東京都の工事を受注したので東京都知事許可も取る」「全国で施工するので大臣許可が必要」という理解は、この区分の考え方とは異なります。埼玉県内の許可を受けた営業所で契約する工事は、県外でも施工できます。各現場の所在地と、契約などの営業活動を行う拠点の所在地を別々に管理してください。大臣許可が知事許可の上位資格で、会社の信用や技術力だけで選ぶものという扱いでもありません。

確認元:国土交通省:建設業の許可とは

県外の資材置場と営業所を同じものとして数えない

営業所には、常時工事の見積り、入札、請負契約の締結などを行う事務所が該当します。建設業の契約業務を指導監督する拠点も実態を確認します。一方、建設業とは無関係な店舗、登記上だけの本店、臨時の現場事務所等は、自動的にこの営業所に当たるわけではありません。

例えば、群馬県に倉庫を借りて材料だけ保管し、見積りや契約を埼玉県の本店で行う場合と、群馬県の担当者が継続的に顧客対応や請負契約の業務を行う場合は分けて考えます。社内の名前が「倉庫」でも、実際に契約営業を行っていれば、名称だけで営業所から外せません。拠点ごとに、どの人が何を決め、どこで契約し、どこが指導監督するかを一行ずつ整理すると、行政庁へ説明する材料になります。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

4つのケースを、拠点の変化から判断する

次の表は、工事業種など他の条件を満たしていることを前提に、知事・大臣の区分だけを考える架空例です。埼玉県から東京の現場へ出向くケースは、営業所の配置が変わりません。埼玉県内にもう一つ支店を設けても、営業所が県内だけであれば知事許可の区分は変わりませんが、営業所追加の届出や技術者等の体制を確認します。

埼玉県の本店を残して東京の営業所を増やすケースでは、複数都道府県の配置になります。逆に、埼玉県の全営業所を閉じて東京都だけに移転するケースでは、二都道府県にまたがって営業することとは違い、東京都知事許可への許可換えを検討します。移転の途中で両方の拠点を営業所として稼働させるなら、その期間も含めて配置を確認し、予定表と実態を合わせる必要があります。

知事・大臣の区分を考える架空例
拠点や工事の予定区分の考え方別途確認する手続き
営業所は埼玉県のみ、現場は東京都埼玉県知事許可の区分現場ごとの技術者等
埼玉県内に支店を追加埼玉県知事許可の区分営業所・人員等の届出
埼玉県本店を残して東京営業所を新設国土交通大臣許可の区分許可換え新規
埼玉県の全営業所を閉じ東京だけに移転東京都知事許可の区分許可換え新規

確認元:国土交通省:建設業の許可とは 埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

許可行政庁を変える手続きは「許可換え新規」

現在の許可行政庁から別の許可行政庁へ申請するときは、単なる住所変更届だけで済むとは限りません。埼玉県の申請区分では、知事から大臣、大臣から知事、他県知事への移行などを「許可換え新規」としています。同一の建設業者が知事許可と大臣許可を両方持つ仕組みではない点にも注意します。

会社が初めて許可を取る新規申請と違い、許可換えでは現在の有効な許可、過去の変更届、決算に関する届出、営業所と人員の配置変更をつなげて整理する必要があります。前の許可番号を新しい申請書へ勝手に書き換えるのではなく、許可換えの項番と旧許可情報を現行の記載要領に従って作成します。まず新しい申請先を確定し、その行政庁の手引きと確認資料の扱いを読み直してください。

確認元:埼玉県:申請区分・手数料(令和8年4月) 埼玉県:様式第1号の記載要領

支店新設の準備は、契約開始日から逆算して行う

県外支店をつくるときは、物件契約と法人登記だけを先に終え、許可関係を後回しにすると予定がずれます。支店で営業する工事業種、契約権限を持つ人、営業所技術者等、常勤確認、事務所の実体と使用関係を並行して確認し、新しい拠点の契約業務を始める時期と許可手続きの順序を整理してください。

実務メモには、物件を使用できる日、従業員の異動日、設備を整える日、申請予定日、支店で契約を始めたい日を別々に書きます。審査や補正の期間があるので、申請日と許可日を同じものとして計画しないことが大切です。新設を担当する人、許可書類を作る人、営業部門で同じ予定を共有すると、「営業だけ先に始まった」という食い違いを防げます。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

一般・特定、業種、入札資格は別の確認を残す

知事許可か大臣許可かを決めても、工事を請け負うための他の確認が終わるわけではありません。例えば大臣許可になったことだけで、一般許可の業者が大きな下請総額の元請工事を施工できるようになったり、持っていない専門業種を単独で請け負えたりすることはありません。一般・特定と業種は、営業所の所在地による区分とは別に確認します。

公共工事を受注する場合の入札参加資格等も、建設業許可と分けて確認してください。県外工事については、施工する内容、現場の技術者配置、建設業以外の届出・登録など、その工事に必要な条件を点検します。営業所の許可換えのための一覧と、実際の受注案件の一覧を分けると、会社の体制変更と案件ごとの条件を混同せずに進められます。

確認元:国土交通省:建設業の許可とは

提出前は、拠点の一覧と現在の許可の控えを一緒に点検する

準備の最後に、「今の拠点配置」と「変更後の拠点配置」をそれぞれ一枚の表にして、営業所に当たる拠点の都道府県数を確認します。閉鎖する場所、継続する場所、新設する場所を色分けし、営業する業種と人員の移動も記入すると、主たる営業所だけを見て区分を判断するミスが見つかります。

現在の許可通知書、前回申請書、提出した変更届と決算関係の届出の控えをそろえ、新しい申請先へ示す情報と照合します。控えが見つからないものは「未提出」と決めつけず、提出の有無を確認する作業として残してください。所在地だけでなく、法人名、代表者、業種、一般・特定、有効期間までまとめて確認しておけば、別の手続きが必要な変更を同時に把握できます。

確認元:埼玉県:申請区分・手数料(令和8年4月)

確認するときの整理ポイント

  • 拠点の名前でなく、実際の契約営業から営業所を数えたか
  • 変更前後の営業所の都道府県数を確認したか
  • 許可換え新規と営業所変更届を取り違えていないか
  • 物件・人員・申請・営業開始の予定を分けたか
制度情報の確認元

情報確認日:2026-10-04。具体的な取扱いや必要書類は、申請先の案内をご確認ください。