許可区分・工事業種 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 2025年改正後の5,000万円・8,000万円の対象
  • 税込金額、支給材料、追加工事の計算例
  • 特定許可と現場技術者の基準を混同しない確認方法

2025年2月1日からの基準を、古い許可資料と区別する

特定建設業許可が必要となる下請代金の基準は、令和7年2月1日から、建築工事業以外が4,500万円から5,000万円へ、建築工事業が7,000万円から8,000万円へ変更されています。2026年10月4日時点の国土交通省の案内と埼玉県の現行手引きでも、この基準が示されています。過去の申請資料や社内マニュアルに古い金額が残っていないか確認してください。

判断の対象は、発注者から直接請け負った一件の工事について、その元請業者が締結する下請契約の代金の合計です。一社との下請契約だけでも、元請が受け取る工事代金だけでもありません。基準の「以上」には同額を含むため、建築一式以外で下請総額がちょうど5,000万円なら、一般許可の範囲として扱えません。

特定許可を要する下請総額の基準(発注者から直接請け負う一件の工事)
工事の区分2025年1月31日まで2025年2月1日から
建築一式以外4,500万円以上5,000万円以上
建築一式7,000万円以上8,000万円以上

確認元:国土交通省:金額要件改正・令和7年2月1日施行

元請の受注額と下請の総額は、別の数字として管理する

一般建設業の許可だから、元請として受注できる金額が5,000万円までという上限があるわけではありません。発注者から直接請け負う額自体は、一般・特定の区分による制限はありません。自社施工の割合や下請の契約総額を確認して、特定許可が必要かを考えます。工事業種、技術者配置など他の条件は別に満たす必要があります。

以下は建築一式以外の工事で、金額がすべて税込、発注者から直接受注する元請業者についての架空例です。受注額が1億円でも下請総額4,800万円なら、この金額基準から直ちに特定許可が必要となるわけではありません。一方、受注額7,000万円で下請3社の契約額が2,200万円、1,800万円、1,000万円なら、合計5,000万円になるので特定許可を確認します。

架空例:建築一式以外・元請工事・全額税込(他の条件は別途確認)
元請受注額一次下請への契約総額特定許可の金額判定
1億円4,800万円基準未満
7,000万円2,200+1,800+1,000=5,000万円基準以上
8,000万円2,900+2,200=5,100万円基準以上

確認元:国土交通省:建設業の許可とは 国土交通省:建設業法のよくある質問(令和8年3月)

建築一式の8,000万円を、内装や屋根へ広げて使わない

8,000万円の基準は建築一式工事の場合です。建築物に関係する工事すべてに適用されるわけではありません。内装仕上、屋根、塗装、管工事などを単独で請け負う専門工事は、その内容に対応する業種を判断して基準を確認します。「建物の工事だから8,000万円」として下請契約を積み上げないでください。

例えば、内装仕上工事を直接受注する業者が、下請2社へ税込3,000万円と2,000万円を発注するなら、合計は5,000万円です。建築一式の許可も持っている会社であっても、その内装単独工事へ8,000万円の基準を適用する説明にはなりません。契約書の表題だけではなく、工事の内容と請け負う範囲を先に確定し、「業種」と「下請総額」の二つの欄を受注前の確認表に設けます。

確認元:国土交通省:建設業の許可とは

税込金額で合計し、支給材料の扱いを別の判定と混同しない

特定許可が必要かを判断する下請総額には、消費税を含めます。税抜4,600万円の下請代金に10%の消費税がかかる例なら、税込5,060万円となり、建築一式以外では5,000万円の基準に達します。税抜と税込の見積りが混在する一覧は、まず税込へそろえてから合計してください。

この判定では、元請業者が下請へ提供する材料等の価格は下請代金に含めません。例えば、税込の下請契約代金が合計4,800万円で、元請が支給する材料が税込700万円である例なら、特定許可の下請総額の判定は4,800万円を基に考えます。一方、下請業者自身に建設業許可が必要かを判断する軽微な工事の判定では、注文者の支給材料等を加える扱いがあります。目的の違う二つの計算を同じ欄で行わないことが重要です。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

追加工事で基準へ近づくときは、発注前に見直す

最初は下請総額4,700万円だった工事に、税込400万円の追加発注をする架空例では、合計が5,100万円になります。最初の契約時に一般許可で足りると判断した記録だけでは、変更後の総額を確認したことにはなりません。追加や変更を決める部門と、許可を管理する部門が同じ一覧を見られるようにしてください。

下請発注一覧には、一件の元請工事を特定する番号、各下請業者、当初契約額、増減額、変更後の税込金額、発注予定日を残します。工種ごとの担当者が別々に発注する場合も、その元請工事の一次下請への契約額を集計します。特定許可が必要な状況を見つけたら、契約を締結してから申請すればよいと進めず、予定している契約と現在の許可の関係を先に確認します。

確認元:国土交通省:建設業の許可とは

特定許可は数字だけ書き換える申請ではない

一般から特定への移行では、営業所の技術者要件と財産的基礎等を改めて確認します。埼玉県の手引きでは、特定許可の財産的基礎について、欠損、流動比率、資本金、自己資本に関する要件をすべて満たすことを示しています。一般許可の資金調達能力の資料を出した経験があることだけでは、特定の要件の確認を代えられません。

主な数値は、欠損が資本金の20%を超えないこと、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上です。設立後最初の決算期が未到来の場合の扱い等もあるので、単に現在の預金残高だけで可否を判断しないでください。土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の指定建設業では、特定の技術者要件にも注意します。申請に必要な資料の確認を、受注予定が具体化した時点で始めます。

確認元:埼玉県:許可の要件(令和8年4月)

許可の基準と、現場技術者の専任基準は別に確認する

同じ令和7年2月の改正で、主任技術者・監理技術者の専任に関する請負代金の基準も変更されていますが、特定許可の下請総額と同じ数字ではありません。専任の対象となる工事では4,500万円、建築一式では9,000万円という請負代金の基準を確認します。対象工事や兼任の特例など、技術者制度の条件も合わせて検討する必要があります。

「一般許可で足りるので現場技術者の確認は不要」「下請だから技術者は不要」という整理にはできません。受注前の点検は、工事業種、許可の有無、一般・特定、技術者配置、下請発注、契約条件を分けて行います。制度改正後の数字を更新するときは、一つのセルだけを書き換えず、その金額が受注額・下請総額・専任配置のどの判断に使われるかまで欄名へ明記しましょう。

確認元:国土交通省:金額要件改正・令和7年2月1日施行

確認するときの整理ポイント

  • 発注者から直接請け負う工事か、下請として請け負う工事かを分けたか
  • 建築一式と専門工事の基準を取り違えていないか
  • 一次下請への契約総額を税込で集計したか
  • 追加発注を含めて変更後の総額を確認したか
  • 特定許可の人・財務の要件と現場技術者を別々に確認したか