新規申請 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 自宅・賃貸・県外拠点を営業所として整理する方法
  • 住所、設備、使用関係、人員配置を一緒に点検する手順

登記住所より先に、見積り・契約を行う場所を決める

営業所を考えるときは、会社の登記事項証明書だけを見て住所を決めると、実際の仕事の場所と申請書が食い違うことがあります。建設業法上の営業所は、継続して工事の見積り、入札、請負契約の締結などを行う拠点です。他の拠点の契約業務を指導監督し、建設業の営業に実質的に関わる場所も対象になります。

最初の準備として、代表者が見積りを承認する場所、契約書を作成・保管する場所、取引先が来社したときに対応する場所を書き出してください。登記上の本店、実際の本店、支店、資材置場、現場事務所をそれぞれ分けると、申請対象の拠点が見えてきます。登記だけの本店や、一つの現場のために臨時に置く事務所を自動的に営業所に含める扱いではありません。

拠点の実態を調べるための整理例
拠点確認する仕事営業所の検討
登記上の本店登記だけで契約業務は行わない登記住所だけでは該当しない
実際の本店見積り承認・契約・支店の指導対象として整理
資材置場材料保管のみか、契約も行うか名称ではなく実体で判断
現場事務所一つの現場に臨時設置臨時の作業所等は対象外

確認元:国土交通省:建設業の許可とは

自宅兼事務所は、部屋の使い方を説明できるようにする

自宅だから不許可、立派なビルだから許可という判断にはなりません。埼玉県の手引きでは、契約業務を行う実体、電話・机・事務台帳、契約できるスペース、独立性、使用権原、外部から分かる表示、常勤の人員などを確認します。自宅利用では、生活の場との区分と事務所としての機能が具体的な確認点になります。

例えば、玄関から入れる一室を事務所にし、業務用の机、来客対応のスペース、契約書の保管場所を設ける場合、簡単な平面図に各場所を示すと状況を伝えやすくなります。これは整理のための例で、部屋数や家具の個数だけで要件が満たされるわけではありません。毎回家族の居室を片付けて打合せするだけの使い方なら、恒常的な事務所の実体や独立性を説明できるかを先に検討します。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

賃貸・転貸・共同利用では「誰が使える場所か」を確かめる

賃貸物件では、契約名義、用途、使用できる範囲、期間を確認します。住居用契約なのに無断で営業所として使用したり、貸主の許可なく転貸された区画を使用したりすると、場所の使用関係を説明できません。契約書の住所と実際の部屋番号が異なる場合も、その理由を整理してから所在地を記入します。

他社と同じフロアを使う場合は、入口が共通か、執務場所がどこか、来客対応と書類保管をどこで行うかを図に示してください。住所だけ借りるサービスと、契約業務を継続して行える事務所は分けて考えます。手引き上、使用権原資料を求められる場合があるため、写真を撮る前に賃貸借契約や使用承諾等の関係を確かめておくと、後の説明が整います。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

設備をそろえても、人の配置が決まらなければ申請は完成しない

各営業所で、営業する業種に対応する営業所技術者等を配置する必要があります。主たる営業所の経営管理体制と、従たる営業所で契約締結等の権限を与えられた使用人の配置も区別して確認します。書類に名前を載せるだけでなく、実際にその拠点で勤務し、必要な業務を行う体制があるかが問題になります。

例えば本店で一般の内装仕上工事業を営業し、県内支店でも同じ業種を営業したい場合、本店の人員をそのまま支店欄にも転記する前に、支店側の技術者配置を検討します。営業所技術者等と工事現場の技術者との兼務には法令上の特例がありますが、別の営業所の配置を自動的に兼ねられるという意味ではありません。二つの営業所へ同じ氏名を書くことを標準の準備方法にはできません。営業所ごとに「業種・契約権限を持つ人・技術者・常勤を確認する資料」を一行にした表を先に作ります。

確認元:埼玉県:許可の要件(令和8年4月)

写真と申請書は、同じ住所・同じ区画を説明する資料にする

営業所の写真を用意するときは、提出先が求める資料の範囲を確認したうえで、建物外観、入口と表示、執務スペースなどが同じ拠点を説明しているかを点検します。写真を撮ること自体より、場所の関係を読み取れることが大切です。以下の整理表は準備の例で、すべての申請に同じ写真枚数を義務付けるものではありません。

様式第1号の主たる営業所の住所、営業所一覧表、賃貸関係の資料で住所や部屋番号を照合してください。埼玉県の記載例では、登記上と事実上の本店所在地が異なる場合の記入方法も示されています。写真のファイル名は「本店・入口」などに統一し、撮影日を控えておくと移転前の写真との混在を避けられます。顧客の契約書や画面が写る場合は、保管物を片付けてから撮影します。

移転前後で住所が変わるときは、古い営業所資料と新しい営業所資料を別のフォルダにし、申請書へ転記する新住所を一つの確認メモへまとめます。入口の号室表示、賃貸契約の物件表示、郵便が届く表記が異なる場合は、その関係を確認してから記入してください。「建物の外観は新住所、室内は旧住所」という組合せを避けるため、撮影した拠点名と日付を担当者間で共有します。

写真・書類を合わせる実務メモ(提出義務の一覧ではありません)
項目照合すること
外観・入口建物名・所在地・入室する区画
室内執務・契約・書類保管の場所
使用関係賃貸名義・用途・使用できる区画
人員勤務する拠点と営業する業種

確認元:埼玉県:申請書等の作成・記載例(令和8年4月) 埼玉県:営業所一覧表・別紙2(1)の記載要領

県外拠点をつくるときは、営業開始前に許可区分を確認する

埼玉県内の営業所だけで営業する会社が、東京都に資材置場を借りる場合と、東京都で工事の見積り・契約を行う支店を設ける場合では、検討する手続きが違います。営業所が複数都道府県にまたがるなら国土交通大臣許可の区分になります。一方、工事現場が県外にあるだけで大臣許可に変える必要はありません。

予定表には、賃貸開始日、設備の設置日、人員の異動日、契約業務の開始予定日、許可関係の相談・申請時期を別々に記入します。先に県外で契約業務を始めてから届出を考える進め方は避けましょう。受付後に営業所の立入調査が行われることもあるため、提出した説明と現場の状況が一致する状態を保つことが必要です。

確認元:埼玉県:許可の種類・区分・営業所(令和8年4月)

確認するときの整理ポイント

  • 登記上の住所と実際の主たる営業所を区別したか
  • 賃貸用途・転貸・共用区画の使用関係を説明できるか
  • 営業所ごとの業種と常勤の人員を合わせたか
  • 県外拠点の契約開始前に、許可区分と申請時期を確認したか