新規申請 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 資格・経営経験・技術経験・在職を別の資料で確認する方法
  • 工事内容と入金をつなぎ、証明期間の空白を見つける方法
  • 退職先の証明や古い資料がない場合に、県の条件を確認する順序

最初に「どの要件を何で証明するか」を決める

資料を探す前に、申請したい業種と、経営体制・営業所技術者等のどの要件を使うかを決めます。一般建設業の技術者要件には、対象となる資格、指定学科と卒業後の実務経験、10年以上の実務経験などの経路があります。資格名が同じように見えても、対象業種、等級、実務経験の追加要件は異なります。特定建設業は別の要件です。

資格証だけで足りる経路なら、不要な10年分の工事資料を先に集める必要はありません。逆に、資格に経験が必要な経路で資格証だけを用意しても不足します。経営経験と施工の実務経験は別の確認です。現場で長く働いていた年数を、そのまま役員や個人事業主としての経営経験に置き換えないよう、確認表を二つに分けます。

一般建設業の申請準備で分ける確認の目的
確認したいこと資料の例混同しやすい点
資格・学歴による技術者要件対象資格の証明、指定学科・卒業の資料、必要な経験資格によって対象業種・追加経験が違う
施工の実務経験様式第9号、業種と期間を示す工事・在職資料在職年数だけで希望業種の経験にはならない
経営経験様式第7号等、役員・事業主の立場と建設業実績現場従事と経営の立場を分ける
現在の常勤性申請時の保険・特別徴収等の確認資料過去の経験資料だけでは確認できない

確認元:埼玉県:許可の要件・営業所技術者等の資格要件(令和8年4月)

月別年表を作り、会社・役職・業種の区切りを書く

横に年月、縦に勤務先、立場、工事業種、証明に使う資料を書く年表を作ります。入社・退職、役員就任・退任、個人事業の開始、会社の許可取得、業種追加を月単位で区切りましょう。例えば「2016年から2025年まで建設会社に勤務」だけでは、その全期間に希望業種の経験があるのか、当時の役員期間はいつかを判断できません。

決算書は事業年度、個人の所得税申告は暦年で整理されるため、月別年表とは区切りが違う場合があります。3月決算の法人なら、2024年4月から2025年3月の決算資料と、2025年1月の工事資料を同じ期間へつなぎます。年表に「2025年度」とだけ書かず、開始日と終了日も表示すると取り違えを防げます。期間の空白は、完成した証明書を作る前に見つける方が修正しやすくなります。

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

一件の工事を、注文から入金まで結び付ける

工事ごとに番号を付け、契約書または注文書・請書、工事内容が分かる内訳、請求書、入金を確認できる通帳の写しを対応させます。埼玉県の確認資料では、未許可業者等の工事実績を示すとき、一式工事は請負契約書と対応する入金記録、専門工事は内容を明記した契約書・請求書・注文書等と対応する入金記録が基本です。

架空の例では、内装工事の請求額33万円に対し、同じ顧客からの入金が55万円なら、別工事22万円との合算を説明する一覧を添えます。差額を都合よく無視せず、請求番号、税の扱い、分割入金、相殺等を整理してください。表は整理方法の例で、表だけを提出すれば確認資料になるという意味ではありません。通帳の該当行だけでなく名義や対象口座が確認できる部分を用意し、契約した相手と入金名義が違う場合は理由も確認します。

架空の資料管理例:表の整理番号と元資料を対応させる
整理番号・工事内容受注・請求資料対応する入金と照合
2021-01 店舗の内装施工注文・請書、施工内訳、請求330,000円(税込)同顧客入金550,000円のうち330,000円を対応
2021-02 別店舗の内装施工工事別内訳、請求220,000円(税込)上記合算入金の残り220,000円を対応
照合合計330,000円+220,000円=550,000円請求番号・相手・日付で合算理由を確認

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

「改修一式」では、証明したい業種が見えない

県の手引きでは、現場名しか記載されていないなど、工事内容が明記されていない資料は認められないとしています。請求書に「A店舗改修工事」とだけある場合、内装の施工か、電気・給排水・塗装など別の工事か分かりません。当時の見積内訳、図面、注文内容を探し、何をどこまで請け負っていたかを整理します。

一式工事は、複数の専門工事があるだけで当然に該当するものではなく、総合的な企画・指導・調整を要する工事かという確認があります。希望する業種名に合わせて古い資料の表題を書き換えることは避けましょう。また、県は労務の提供だけを目的とする契約を経営業務の管理責任者の経験として認めないと説明しています。「人工」という請求単位だけを見て、技術者の実務経験まで一律に否定するのではなく、証明する要件と実際の契約内容を分けて確認します。

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

資料は「毎年一件」ではなく、期間の始めと終わりをつなぐ

証明期間を丸ごと示せるか、月別年表で確認します。県手引きの認定例では、ある年の1・4・7・10・12月の工事資料を示す形で、1月から12月までを確認しています。一方、1・5・9・12月の資料では、その年の全12か月にはならず、認定例の期間は6か月です。件数が多いだけでは、途中の空白は埋まりません。

複数月の工期が分かる契約なら、工期の月数で確認する扱いもあります。資料の日付、実際の工期、証明したい最初と最後の月を重ねて点検します。最初の数か月だけ資料がないのに、年数を切り上げて記入しないことが大切です。表紙の年度順のファイルだけでなく、必要な証明期間を含む工事と入金を一覧にすると、不足する月の資料を元請先や社内へ具体的に照会できます。

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

許可を持つ会社での経験にも、在職と業種の確認がある

証明者が対象業種の許可を持っていた場合、許可通知書等で証明期間を確認できれば、工事実績資料の提示を省略できる扱いがあります。しかし、会社が現在その業種の許可を持つだけで、過去の全期間を確認できるわけではありません。途中の許可取得や追加がある場合、どの年月から対象業種が許可されていたかを確認します。決算変更届で実績を確認できない場合等には、別の工事資料を求められることもあります。

過去にその会社で働いていたことは別に示します。役員なら登記の期間、従業員なら厚生年金の被保険者記録照会回答票や、雇用保険の資格取得をハローワークが証明する書類などを照合します。当時未加入であった場合の源泉徴収票、給与明細と給与入金記録という取扱いも県に示されています。勤務先の許可通知書だけで、本人の勤務期間まで証明できるとは考えないでください。

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

退職先の証明が取れないときは、理由と確認資料を先に整理する

退職した会社が存続しているなら、まず証明者となる使用者へ確認します。法人が解散し使用者がいない場合、県は在職当時の元代表取締役・元役員による証明を示しています。営業所技術者等の実務経験では、本人の在職確認資料と、その証明者が当時役員であったことを示す登記資料が必要です。証明書の理由欄も記入します。

使用者や元役員から証明が得られない場合には、県手引きに自己証明の扱いもあります。ただし「退職したので自分で書けばよい」という無条件の代替ではありません。本人の在職を確認する資料を添え、得られない理由を記載します。経営経験の様式第7号と実務経験の様式第9号では確認の組合せも異なります。連絡先、会社の存続状況、手元にある登記・年金・工事資料を整理してから、該当する経路を確認しましょう。

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

古い書類がない場合は、県が示す代替と不足を区別する

役員期間が現在の登記証明で追えない場合には、閉鎖事項全部証明書や閉鎖登記簿謄本を追加する扱いがあります。個人事業主としての経営経験では、証明期間中の所得税確定申告書控の写しまたは所得証明書という確認方法が示されています。これを、従業員の在職や個人事業主の補佐者の立場へ一律に使い回してはいけません。

電子申告の資料は、申告書本体だけでなく送信・受付を確認できる資料も探します。古い工事資料は、元請の保管分、メール添付、会計担当者の記録を調べ、当時の内容と入金を結べるかを確認してください。銀行発行の取引明細や見積書だけが、どの案件でも県の指定資料の代わりになるとは断定できません。足りない資料、確認したい年月・業種、代替候補の実物を示して相談することで、必要な追加資料を絞り込みます。

不足がある場合に確認する県の資料経路と条件
不足している確認県が示す資料・対応例条件・注意
古い法人役員の期間閉鎖事項全部証明書・閉鎖登記簿謄本必要な証明期間を追えるもの
個人事業主として営業した期間全期間の所得税申告控または所得証明書建設業の工事実績は別に確認
従業員の過去の在職年金記録・ハローワークの証明等当時未加入の場合の給与資料は県の条件で確認
解散会社の実務経験の証明者当時の元代表・元役員、得られない場合は自己証明の経路理由記載と在職資料。元役員の場合は当時の登記も確認

確認元:埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

2026年の簡素化を使い、今後の証明に備えて保存する

埼玉県では2026年4月から資格証、卒業証書、通帳の原本提示を廃止し、写しの提出・提示でよいと案内しています。原本を持参しなくてよいことと、内容を確認できる資料が不要になることは別です。資格証は氏名・資格名・番号、通帳は必要な名義と入金が読み取れる写しを用意します。7月31日以降の法人番号提供書による登記添付省略も、古い役員期間の確認まで不要にするとは扱わず、経験資料を別に点検します。

今後は工事番号ごとに受注資料、内訳、請求・入金をまとめ、年度別の一覧から探せるようにします。退職時や会社の整理前には、必要な在職・許可期間資料を正当な手順で確保しましょう。税務の保存期間を終えたからといって、将来の経験証明に使う資料まで機械的に処分しない工夫も役立ちます。古い経験を証明する作業と、申請時の現在の常勤性を示す作業は、最後まで別のチェック欄で管理します。

確認元:埼玉県:建設業許可申請の手引き・様式集と2026年の変更案内 埼玉県:申請書類・経験と在職の確認資料(令和8年4月)

確認するときの整理ポイント

  • 対象業種・資格要件・必要期間と、月別年表が一致するか
  • 工事内容、契約相手、工期、請求と入金が一件ずつつながるか
  • 在職・役員期間・証明者・許可期間と不足資料を確認したか