新規申請 / 情報確認日 2026-10-04
- 第8号の新規・変更・交代・異動を区別する記入準備
- 名称変更、2026年の証明資料、現場兼務の特例の注意点
「専任技術者」の古い資料を、現在の名称と区分へ読み替える
営業所技術者等は、建設業を営む営業所に置く技術者に関する現在の呼称です。2024年12月13日の改正により、一般建設業では営業所技術者、特定建設業では特定営業所技術者という名称が使われ、両者をまとめて営業所技術者等と呼びます。過去の許可控えに「専任技術者」と書かれていても、最新の申請で古い様式をそのまま使わないようにします。
確認の単位は、人だけでなく「営業所・一般か特定か・業種・資格または経験」の組合せです。本人の資格証があるだけで、どの営業所のどの業種にも配置できるとは限りません。まず現在の配置一覧を作り、申請する業種や人員変更でどの組合せが変わるかを可視化します。
確認元:国土交通省:監理技術者制度運用マニュアル・令和6年12月13日改正新旧表 国土交通省:営業所技術者等の職務の特例(令和6年12月13日施行) 埼玉県:申請書等の作成(令和8年4月手引き・63~141頁)
資格証は略称でなく、等級・種目まで資料に照合する
資格による確認では、正式な資格名、等級、種目、取得年月、資格を証明する書類を一覧にします。「施工管理の資格がある」というメモだけでは、申請業種との対応を判断できません。資格によって対象業種や条件が異なるため、現行の資格一覧へ照合してください。資格コードも、似た名称のものを感覚で選ばないことが大切です。
営業所一覧表の業種、営業所技術者等一覧表、様式第8号の担当する工事と有資格区分が整合するようにします。複数資格を持つ場合は、資格ごとの対応業種を別の行で整理します。新規申請と業種追加では「以前認められた資格だから新しい業種も同じ」とせず、追加業種をその資格で証明できるかを個別に確認してください。
確認元:埼玉県:許可の要件(令和8年4月手引き・14~33頁)
様式第8号の「区分」は新規・交代・異動で異なる
様式第8号は、氏名だけを置き換えて使う証明書ではありません。初めての申請、担当業種や有資格区分の変更、新たな人の追加・交代、旧技術者の削除、所属営業所だけの変更で区分が分かれています。「変更」という一言でまとめず、今回何が変わるかを書き出してから現行の記載要領へ照合します。
「今後担当する建設工事の種類」「現在担当している建設工事の種類」「有資格区分」「変更・追加・削除の年月日」「営業所の名称(旧所属・新所属)」を、変更前後の配置表と照合してください。退職者と後任が同時に替わる場合には、新しい人だけの資料では旧配置の処理が抜けることがあります。要件欠如や営業所廃止に伴う削除は別の届出書が関係するため、下表だけで手続きを決めないでください。
| 今回の内容 | 区分 | 先に整理すること |
|---|---|---|
| 新規申請等 | 1 | 今後の営業所・担当業種・確認経路 |
| 担当業種・有資格区分の変更 | 2 | 現在と今後の業種・資格の差分 |
| 新たな人の追加・交代 | 3 | 新しい人の要件と勤務開始日 |
| 交代に伴う旧技術者の削除 | 4 | 後任との同時届出・削除日 |
| 所属営業所だけの変更 | 5 | 旧所属・新所属と異動日 |
実務経験は業種と期間、工事の中身をそろえる
国家資格だけが確認経路ではありません。一般建設業では、指定学科の卒業と経験、一定期間の実務経験などの経路もあります。ただし「建設会社に10年在籍した」という事実だけでは、申請する業種の技術上の経験を説明できません。様式第9号を考える前に、勤務先、期間、対象工事、担当内容、証明者、裏付け資料を整理します。
架空の例で、請求書に「店舗改修工事」としか書かれていない場合、内装、防水、電気等のどの部分の経験なのか判断しにくくなります。工事明細や契約の範囲を確認し、自分が従事した内容を説明できる資料を探します。同じ期間を複数業種へそのまま重ねたり、事務作業を技術上の経験へ含めたりする前に、認められる経験と算定方法を確認してください。
確認元:埼玉県:許可の要件(令和8年4月手引き・14~33頁) 埼玉県:申請書類・確認資料(令和8年4月手引き・37~62頁)
2026年4月の写しの取扱いと、資格一覧の更新を確認する
埼玉県の2026年4月施行の手引きでは、資格証、卒業証書及び通帳の原本提示を廃止し、写しによる取扱いへ変更しています。資格証のコピーには、資格名・氏名・証明情報が読み取れるか、卒業証書なら学科等の確認に必要な情報があるかを点検します。写しでよいことと、資格や学歴の内容を確認しなくてよいことは別です。
同じ改訂では、国土交通大臣が認める登録基幹技能者講習の種目の追加も反映されています。登録道路等法面保護、登録斜面防災、登録石材施工の各種目を持つ方は、現行一覧で対象業種と条件を確認してください。講習修了証の名称だけで、すべての業種の技術者になれるとは判断しません。古い一覧を会社の固定資料にせず、申請時の版を保存する運用が役立ちます。
現場との兼務は、改正後も条件確認が必要
2024年12月13日施行の制度では、営業所技術者等が一定の条件で専任を要する工事現場の技術者を兼ねる特例が設けられました。これを「現場にも自由に出られるようになった」と一律に理解しないでください。工事の金額や現場数、営業所と現場の関係、業務の連絡・確認体制等を、現行の法令と監理技術者制度運用マニュアルで照合する必要があります。
社内では営業所の業務、現場の予定、移動、連絡体制、人員配置の計画を並べて検討します。兼務に関する書類を用意する場合も、実際の体制に基づいて作成します。現場の技術者として名前を登録してから営業所側の勤務状況を考えると、両方の役割に矛盾が出ることがあります。許可申請の資格確認と、現場への配置条件は別々に管理してください。
確認元:国土交通省:営業所技術者等の職務の特例(令和6年12月13日施行)
退職・異動・業種追加の前に配置表を更新する
配置表には、営業所ごとの業種、担当者、確認した資格・経験、勤務の状況、現場兼務の有無を記録します。担当者の退職、資格取得、営業所異動、業種追加が決まったら、提出書類だけでなく許可要件を継続できるかを先に点検します。後任の名前が決まっても、その人の要件や常勤性の資料が未確認なら、準備が済んだとはいえません。
提出前は、営業所の名称が書類間で一致し、業種が漏れていないかを確認します。第8号の区分と年月日、資格コード、旧所属・新所属、実務経験資料の期間を横並びにします。資格証の更新や氏名変更がある場合も、旧控えと現在の証明資料を照合して、同じ人の資料であることを確認してください。
確認元:埼玉県:様式第8号・営業所技術者等証明書の記載要領 埼玉県:申請書類・確認資料(令和8年4月手引き・37~62頁)
第8号の三つの数字を、実務経験の架空例で区別する
第8号には、手続きの「区分」(項番61)、担当業種の欄へ入れる要件の数字(項番64)、資格・経験を示す「有資格区分」(項番65)があります。この三つは別の情報です。架空例として、初めて一般の大工工事業を申請し、本社のBさんを大工工事の10年以上の実務経験で証明する場合を考えます。経験と裏付け資料が確認できているという前提なら、区分は新規の「1」、今後担当する工事の「大」の欄は「4」、有資格区分は「02」という組合せを現行手引きの表9と照合します。
「経験で申請するから、すべての欄へ4を入れる」といった転記はできません。また、指定学科と卒業後の経験による一般建設業の経路では、表9上の組合せが異なります。下表は代表的な区別の入口です。資格を使うときは、その資格のコードを県の表4で探し、業種ごとの印と追加経験の条件まで読みます。国交省の資格一覧にある枠内の数字も、取得後に必要な当該業種の経験年数を示しているので、数字がある欄を「資格証だけでよい」と読み替えないでください。
| 証明経路 | 区分61 | 担当業種欄64 | 有資格区分65 |
|---|---|---|---|
| 対象業種で10年以上の実務経験 | 1(新規) | 4 | 02 |
| 指定学科の高校・大学等と所要の卒業後経験 | 1(新規) | 1 | 01 |
| 国家資格等の経路 | 1(新規) | 7 | 資格ごとに県の表4で照合 |
| 専門学校の学歴+経験、実務経験の振替等 | 1(新規) | 7 | 99の適用条件を表9等で照合 |
交代日から逆算し、資格証と常勤資料を別に準備する
次は、2026年10月1日付で本社の営業所技術者等をAさんからBさんへ交代する架空例です。9月中にBさんの資格・経験と常勤の確認資料を集め、担当する全業種を確認してから交代を行う想定です。Bさんが9月15日に入社したとしても、技術者への追加日が10月1日なら、入社日をそのまま第8号の追加年月日へ写しません。反対に、交代後に書類を完成させた日を追加日とすることも避けます。
新しいBさんの区分3の届出だけで終えず、同時に交代するAさんの区分4の処理も照合します。両者の氏名、対象業種、所属営業所、追加・削除の日を、交代前後の一覧へ合わせます。区分4は後任を同時に届け出る場合の削除であり、後任不在や営業所廃止を同じ処理へ当てはめるものではありません。
資格のみの経路なら資格証明書等の写し、実務経験等の経路なら第9号と確認資料を準備します。資格証の写しが揃っても、常勤確認の準備は別に必要です。新入社員で通常の通知書がまだ発行されていない場合は、県の常勤確認表にある受付済みの届書等の条件へ照合します。交代予定日までに証明経路が確認できないときは、配置を済ませた扱いで先に届出書だけ作らないようにします。
| 時点 | 作業 | 書類上の照合 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 後任Bの全担当業種と資格・経験を確認 | 現行資格一覧・証明経路・資料の不足 |
| 9月15日 | Bが入社し常勤資料を準備 | 入社日と技術者への追加日を区別 |
| 交代前 | AからBへ替える配置表を確定 | 新任区分3と旧任区分4の対象業種 |
| 10月1日 | 予定した交代を実際に行う | 実際の追加・削除日と所属営業所 |
| 提出準備時 | 事実に沿って届出と一覧表を点検 | 作成日で追加・削除日を置き換えない |
複数業種は「人の資格一覧」から「業種ごとの照合表」へ
同一業者の同一営業所で必要な要件を備える人は、複数業種の営業所技術者等を兼ねることができます。作成時は資格名を縦に並べるだけでなく、申請する業種を一行ずつにして、一般・特定、証明経路、コードの根拠、添付資料を記録すると漏れを見つけやすくなります。架空例でBさんが内装仕上工事業を資格、塗装工事業を実務経験で担当するなら、それぞれの要件と資料を独立して照合するという使い方です。
一つの資格を他の業種にも使う場合は、正式名称が同じという理由ではなく、その業種の欄に対応する印や注記があることを確認します。一般の要件を満たすことと特定の要件を満たすことも区別します。異なる資格・経験経路を使う場合は、一つの有資格区分に全業種を押し込まず、第8号の作成単位と記載方法を確認してください。同じ会社でも別の営業所へ同じ人を重複配置する想定にはできないため、最後に全営業所の一覧表と照合します。
確認するときの整理ポイント
- 営業所・一般/特定・業種・技術者の組合せを一覧にする
- 資格の正式名称、等級、種目、実務経験の期間と資料を現行一覧へ照合する
- 第8号の区分・担当業種・旧所属/新所属・変更年月日を確認する