新規申請 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 第7号と略歴書を、経験年表から作成する方法
  • 過去の経験と現在の常勤性を分けて確認する理由

現場の経験年数と、経営業務の管理経験を分ける

経営業務を管理する体制の確認では、建設業で何年働いたかだけでなく、どの立場で経営に関わったかを調べます。代表的な確認経路は、常勤役員等に建設業の経営業務を管理した5年以上の経験があることです。役員に準ずる地位や補佐者を置く体制など他の経路もありますが、役職名だけで該当するとは限らず、実態と資料の確認が必要です。

「20年現場監督をしたので、経営経験も20年」と数え始める前に、取締役への就任、個人事業の開始、対外的な責任を担う立場の変化を年表にします。工事を施工・管理した技術上の経験と、契約・資金・人員等を総合的に管理した経験は別の確認項目です。申請要件に合わせて職歴を強く言い換えるのではなく、実際の役割を具体的に説明することが重要です。

確認元:国土交通省:許可の要件

経験年表には期間・立場・工事・根拠の四つを置く

作成用年表には、勤務先または個人事業、開始と終了の年月、当時の役職、建設業の内容、裏付け資料を記載します。複数の会社や個人事業で経験した場合は、同じ期間を二重に数えたり、休業期間を自動的に含めたりしないでください。会社の登記上の就任期間と、建設業を営んでいた期間も別に確認します。

下表は架空例です。年表が完成しても、それだけで必要年数が認められるわけではありません。取締役として在籍した記録があっても、その会社が対象期間に建設業を営んだ根拠を確認します。「資料が足りない」「就任日を確認中」といった部分を空白のまま明示しておくと、何を取り寄せるべきかがはっきりします。

経営経験の整理年表(すべて架空。認定例ではありません)
期間立場探す資料確認する点
2019年~2021年建設会社の現場担当在籍・工事担当の記録現場経験と経営管理経験を区別
2021年~2024年同社の取締役就任期間の登記・建設業の記録役職と建設業を営んだ期間
2024年~現在個人事業主申告・契約・入金の記録開始年月と証明できる期間

確認元:埼玉県:許可の要件(令和8年4月手引き・14~33頁)

様式第7号の証明者と被証明者を取り違えない

様式第7号では、経験を有する本人と、その経験を証明する者を区別します。埼玉県の作成例では、在職していた法人の現在の代表者や個人事業主が証明者となる考え方が示されています。本人が過去の勤務先の経験を自分の記憶だけで証明するという作業にしないでください。元勤務先が解散しているなど通常の証明が難しい場合は、用紙を自己流で作る前に確認します。

証明する期間、当時の役職名、経験年数、証明者との関係を、年表と資料へ一つずつ照合します。現在の役職を過去の経験欄へそのまま書かないことも大切です。新規、変更、更新等の区分と許可番号等の記入要否は記載要領で確認します。他社の記載例を使う場合も、他社のコードや日付を消したかという確認だけでは足りません。

確認元:埼玉県:申請書等の作成(令和8年4月手引き・63~141頁)

略歴書は「建設業に従事」だけで終わらせない

常勤役員等の略歴書では、職歴の期間と従事した職務内容がつながるように記入します。架空の書き分け例として、「○○建設に勤務」よりも「取締役として工事の受注、下請契約、資金繰り及び人員配置を管理」と具体化すると、どの職務を説明しているか伝わります。ただし、実際に担っていない権限や職務を付け足してはいけません。

入社、役員就任、独立、法人設立などの転換点を分け、経営管理の経験として扱う期間と、それ以前の現場経験を区別します。略歴書の期間が第7号の証明期間と合わないときは、転記ミスなのか、証明に含めていない期間があるのかを確認してください。住所や現在の職名、賞罰の欄も、古い略歴書のまま放置しないようにします。

確認元:埼玉県:申請書等の作成(令和8年4月手引き・63~141頁)

工事の記録は内容と入金を対応させる

証明経路に応じて、建設業を営んだ事実を確認する資料をそろえます。契約書、注文書、請求書等の工事内容と、対応する入金記録を案件単位でまとめると、資料を読む人が時期と事業内容を追いやすくなります。単に大量の通帳を綴じるより、案件番号、資料のページ、契約額、入金日を索引にした方が不足を見つけやすくなります。

たとえば請求書が「A現場工事」だけなら、実際に何を施工したか分かる明細を探します。入金が複数回に分かれた場合や、複数工事の入金がまとめて行われた場合は、その対応をメモにします。労務提供のみの記録と建設工事の請負実績も区別します。必要な資料・件数は証明経路で異なるため、「毎年一枚あれば必ずよい」という一律の扱いをしないでください。

確認元:埼玉県:申請書類・確認資料(令和8年4月手引き・37~62頁)

2026年の写しの取扱いと、現在の常勤性を確認する

埼玉県の2026年4月改訂では、通帳等の原本提示を廃止し、写しの提出・提示による取扱いへ変更しています。だからといって、工事との対応や対象期間の確認が不要になったわけではありません。ページの切れ、名義や取引日が読めないコピー、別案件の入金の取り違えがないかを点検します。

過去の経験資料と、現在その会社で常勤している資料も別の確認です。現在の社会保険加入や住民税の特別徴収等を確認する資料などを、県の常勤確認表へ照合します。過去の役員登記があるから現在の勤務実態も確認済みとはなりません。複数の会社で役職を担う場合や勤務先が遠い場合などは、申請書に名前を載せる前に実態と資料を確認してください。

確認元:埼玉県:令和8年4月手引きの新旧対照表 埼玉県:申請書類・確認資料(令和8年4月手引き・37~62頁)

足りない期間を見つけたら、経験を書き換えず確認経路を見直す

資料を集めた結果、5年に届かない、証明者へ依頼できない、役職の権限が不明という問題が見つかることがあります。そのときは事実を広げて書くのではなく、他の経験期間や適用する確認経路を整理します。補佐者を置く体制を検討する場合も、単に従業員を一人追加すればよい制度ではなく、各人の経験と直接の補佐関係を確認する必要があります。

提出前は、第7号、略歴書、登記や申告資料、工事資料の期間と立場を横並びにします。証明対象期間の始点・終点、重複、未確認部分、現在の常勤役員等としての役職をチェックします。疑問のある点と資料の所在を一覧にして事前確認へ進むことで、書類を一式作成した後に根本から書き直す負担を減らせます。

確認元:国土交通省:許可の要件

確認するときの整理ポイント

  • 経験期間・当時の立場・建設業の実態を三つの資料で照合する
  • 証明者、略歴書、工事と入金資料の期間に食い違いがないか確認する
  • 資料不足、経験の通算、補佐者の体制は、事実を整理して事前確認する