TAX & PAYMENT COMPLIANCE
永住申請の税金・
納税要件
永住申請では、住民税・国税に未納がないかだけでなく、納期限までに適正に納めてきたかを確認します。現在の在留資格、申請ルート、給与天引き・自分で納付した期間を分け、必要な証明書と支払記録を整理することが重要です。
OFFICIAL STANDARD
公的義務は、納期限までの履行が重視されます
出入国在留管理庁の現行ガイドラインは、永住が日本国の利益に合すると認められるための事情として、納税、公的年金・公的医療保険の保険料納付、入管法上の届出などの公的義務を適正に履行していることを挙げています。
適正な時期に行う
申請時点で完納していても、期限後納付は別に確認されます
現行ガイドラインでは、申請時点で納税済みでも、当初の納付期間内に履行していない場合は原則として消極的に評価されると明記されています。
ただし、期限後納付が一度でもあれば必ず不許可になる、一律に何年待てばよい、という公表基準ではありません。税目、時期、回数、理由、現在までの履行状況、申請ルートなどを資料に基づいて検討します。
国税の納税証明書(その3)は証明日現在の未納がないことを示します。一方、住民税を自分で納めた期間は、通帳や領収証書等で実際の納付時期も確認します。
TWO TAX RECORDS
住民税と国税を分けて準備します
永住許可申請の提出資料では、地方税である住民税と、税務署が扱う国税について異なる証明書を用います。課税額・所得額を示す資料と、納付状況を示す資料を混同しないことが大切です。
住民税
市区町村が発行する課税(または非課税)証明書と納税証明書で、各年の所得・課税・納税状況を確認します。
- 必要年数は申請ルートによって異なる
- 普通徴収の期間は通帳・領収証書等も準備
- 転居がある場合は以前の市区町村分も確認
- 非課税の年も非課税証明書等で状況を示す
国税
住所地を管轄する税務署の納税証明書(その3)で、証明日現在に対象税目の未納がないことを確認します。対象期間の指定は不要と案内されています。
- 源泉所得税及び復興特別所得税
- 申告所得税及び復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 相続税
- 贈与税
1年間の総所得や課税状況を確認し、年収・独立生計要件の資料にもなります。
税金を納めたか、普通徴収の期間は納期限どおりだったかを確認するために使います。
EVIDENCE PERIOD
住民税資料の対象年数は申請ルートで異なります
次は、出入国在留管理庁の現行提出資料案内を整理した目安です。実際には現在の在留資格だけでなく、どの特例を使って申請するかによって区分が変わります。申請時は必ず自分の区分の最新一覧を確認してください。
| 主な申請ルート | 住民税の課税・納税資料 | 期限内納付を示す資料 |
|---|---|---|
| 就労資格などからの原則ルート | 直近5年分 | 直近5年間(普通徴収の期間) |
| 定住者からの申請 | 直近5年分 | 直近5年間(普通徴収の期間) |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 直近3年分 | 直近3年間(普通徴収の期間) |
| 日本人・永住者・特別永住者の実子等 | 直近1年分 | 直近1年間(普通徴収の期間) |
| 高度人材80点以上の1年ルート | 直近1年分 | 直近1年間(普通徴収の期間) |
| 高度人材70点以上の3年ルート | 直近3年分 | 直近3年間(普通徴収の期間) |
配偶者ルートでも納税資料は必要です。日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子には、法律上、素行善良要件と独立生計要件の特例がありますが、日本国の利益に合することの要件や提出資料の確認がなくなるわけではありません。
証明書が入国時期や転居等により発行されない場合は、自己判断で省略せず、管轄の地方出入国在留管理官署へ確認します。
PAYMENT RECORD
納付方法ごとに、残すべき記録が変わります
特に転職・退職・独立の前後は、給与天引きから自分で納める方式へ切り替わっていることがあります。対象期間を月ごとに見直し、納付方法と支払日をつなげます。

全期間が特別徴収
対象期間のすべてで住民税が給与天引きされている場合、入管庁の案内では追加の通帳・領収証書等は不要とされています。課税・納税証明書は提出します。
普通徴収の期間がある
自分で納付した期間は、通帳の取引履歴、領収証書等で期限内納付を示します。Web通帳は加工できない状態で印刷されたものを用意します。
転居・転職をしている
以前の市区町村が発行する証明書や、給与天引きが止まった後の納付書を確認します。空白に見える期間を作らないよう時系列に整理します。
CASE BY CASE
税金に気になる点がある場合の確認ポイント
問題の有無を「未納がある・ない」だけで決めず、税目、納期限、実際の納付日、原因、繰り返しの有無、申請ルートを整理します。理由書を付ければ必ず補えるというものでもありません。

現在も未納がある
まず税務署・市区町村等で正確な未納額と手続を確認します。申請前に納めても、期限後納付という履歴の評価は別に残るため、直ちに申請するかは個別に検討します。
相談を申し込む →期限後に納付したことがある
納付書、領収証書、通帳等で納期限と納付日を特定します。公表された一律の待機期間はないため、「何年待てば必ず大丈夫」とは断定できません。
期限後納付の詳細 →転職時に普通徴収へ変わった
退職後に届いた納付書を見落としやすい時期です。前職の給与明細、新しい勤務先の給与明細、通帳、住民税の証明書を時系列で確認します。
転職直後の注意点 →必要年分の証明書が取得できない
転居、入国時期、市区町村の保存期間等により発行されないことがあります。発行可能な最長期間分を準備し、代替資料の要否を入管へ確認します。
証明書が足りない場合 →非課税の年がある
税額がないことと、生活の安定性は別の確認です。非課税証明書、収入が下がった理由、扶養者の所得、今後の収入見込みを整理します。
年収・生計の要件 →自営業・会社経営・副業がある
確定申告の要否、所得区分、消費税、源泉所得税、事業側の公的義務を確認します。個人の納税証明だけで判断せず、事業の継続性と整合させます。
経営者の税・社会保険 →PREPARATION
申請前に行う4つの整理
証明書を集めるだけでなく、対象期間内の申告・納付を時系列で確認します。気になる点がある場合は、資料を先にそろえると申請時期を判断しやすくなります。
就労、配偶者、定住者、高度人材など、どの区分で申請するかを確認します。
市区町村の課税・非課税証明書、納税証明書と、税務署の納税証明書をそろえます。
特別徴収・普通徴収の期間を分け、通帳や領収証書で納付日を確認します。
未納、遅れ、転居、転職、非課税、修正申告等があれば、資料と申請時期を検討します。
税務判断は税務署・市区町村・税理士へ確認します。行政書士は永住許可申請の資料整理と申請上の説明を支援しますが、税額計算、申告内容の修正、個別の税務相談が必要な場合は、所管官庁または税理士への確認をご案内します。
NEXT STEP
税金を確認した後のページ
税金だけを確認しても永住申請の判断は完了しません。年金・健康保険、収入・扶養、在留資格別の必要書類へ進み、全体をつなげて確認してください。
FAQ
永住申請の税金についてよくある質問
税金をすべて払えば、すぐに永住申請できますか?
現在未納がないことは重要ですが、期限後納付は原則として消極的に評価されます。公表された一律の待機期間はないため、納期限、納付日、回数、理由、申請ルートを確認して申請時期を検討します。
会社員で給与から住民税が引かれていれば、通帳の写しは不要ですか?
入管庁の案内では、必要な対象期間のすべてで住民税が特別徴収されている場合、期限内納付を示す通帳・領収証書等は不要です。ただし、課税・納税証明書は必要です。転職等で普通徴収の期間がないか確認してください。
国税の納税証明書(その3)は何年分ですか?
納税証明書(その3)は、指定した税目について証明日現在に未納がないことを示すため、入管庁は対象期間の指定は不要と案内しています。永住許可申請で指定される5税目を確認して請求します。
非課税だった年があると不許可になりますか?
非課税だけで結論は出せません。非課税証明書を提出し、収入が低かった理由、扶養者の収入、現在と将来の生活基盤を独立生計要件として確認します。
引っ越し前の市区町村の証明書も必要ですか?
対象年の1月1日に住民登録していた市区町村が発行窓口となることがあるため、転居歴と必要年度を照合します。発行されない年度がある場合は、発行可能な資料と代替資料の要否を入管へ確認します。
配偶者ビザからの永住なら税金の確認はありませんか?
いいえ。配偶者等には一部の法律上の特例がありますが、納税等の公的義務の履行と提出資料の確認がなくなるわけではありません。申請人または申請人を扶養する方の所得・納税資料を準備します。
税金の説明書・理由書を書けば期限後納付を補えますか?
説明書は事実関係を伝える資料であり、期限後納付をなかったことにするものではありません。客観資料と一致する正確な経緯を示し、申請する時期を含めて検討します。
本ページの主な確認資料
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請1(日本人・永住者等の配偶者・子)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請2(定住者)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請3(就労関係の在留資格・家族滞在)」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請4(高度人材外国人)」
- 国税庁「No.9208 納税証明書の請求」
最終確認日:2026年8月30日。制度、提出資料、証明期間、運用は変更されることがあります。申請時は必ず最新の公的情報と個別事情をご確認ください。
