年収・税金・年金・社会保険|不足する年度の確認
住民税の課税・納税証明書を取得できない年度がある場合
必要な年数分の住民税証明がそろわなくても、直ちに永住申請ができないとは限りません。まず、どの年度の、誰の、どの証明書が発行されないのかを確認します。
転居、来日直後、未申告、自治体の発行期間など、理由によって対応が変わります。この記事では、取得先の確認から、入管へ提出する理由書や補足資料の整理までを解説します。非課税や税金の未納との違いも分けて考えましょう。
最終法令・公式情報確認日:2026年9月9日

01|まず必要な範囲を確定する
課税証明書・納税証明書は何年分必要か
住民税の資料は、申請ルートによって必要な期間が異なります。現在の在留資格だけで決めず、高度人材の特例等を利用するかも含め、入管庁の永住許可申請案内から該当する区分を確認します。次は主な区分の整理です。
| 申請区分 | 対象期間 |
|---|---|
| 就労資格・家族滞在(申請3) | 5年分 |
| 定住者(申請2) | 5年分 |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者(申請1) | 3年分 |
| 上記の実子等(申請1の注記) | 1年分 |
| 高度人材の70点ルート(申請4・区分別案内) | 3年分 |
| 高度人材の80点ルート(同上) | 1年分 |
各案内は、申請人と申請人を扶養する方の所得・納税資料を求めています。家族の申請では、必要な人の名義ごとに確認してください。上の年数は資料の対象期間であり、その年数だけ住めば永住の全要件を満たすという意味ではありません。
課税・非課税の証明と、納税の証明を区別する
課税(非課税)証明書
所得や住民税額等を確認する書類です。自治体によって「所得・課税(非課税)証明書」など名称や記載範囲が異なります。所得の記載が省略されたものでは、必要な事実を確認できない場合があります。
納税証明書
その年度に納める税額、納付済額、未納額等を確認する書類です。税額が決まったことと、実際に納付したことを分けます。税務署の国税の納税証明書とは別の書類です。
入管庁の案内では、1年間の総所得と納税状況の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でよいとされています。名称だけで1枚にまとめられると判断せず、実際の記載内容を確認します。書類全体は永住申請の必要書類をご覧ください。
02|前年の所得と、その年度の住所
「所得の年」「証明年度」「1月1日の住所」を対応させる
例えば2026年度(令和8年度)の課税証明書は、通常、2025年1月から12月までの所得を確認するものです。2026年中の給与を証明する書類ではありません。所沢市の公式案内も、証明年度と前年の所得、当該年度の1月1日の住所地との関係を説明しています。

所得の対象
2025年1月〜12月
この1年間の所得が、2026年度の課税証明に記載される所得の対象です。
取得先の確認
2026年1月1日
この時点の住所地の市区町村を確認します。現在の住所と同じとは限りません。
証明書の年度
2026年度
自治体が当該年度の交付を開始してから取得します。申請予定日に発行可能かも確認します。
国内で引っ越した場合
1月1日にA市で生活し、その後B市へ転居した場合、その年度の課税証明の取得先は原則としてA市です。B市で発行されないことだけで、その年度の証明が存在しないとは判断しません。過去の住所を年度ごとに並べ、納税証明書についても課税した自治体へ確認します。
来日直後や、1月1日に海外で生活していた場合
その年度の課税関係がなく、希望する証明が発行されない場合があります。初めての入国日、国内外の住所、転入・転出の経緯を整理して自治体へ確認します。1月1日に一時的に海外へ旅行していたことと、日本に住所がなかったことは同じではありません。
来日後の給与資料があるからといって、過去年分の住民税証明が作られるわけではありません。発行できない理由が分かったら、入管の区分別案内に沿って不足年度を説明します。長期出国そのものと在留歴の関係は長期出国や海外出張が在留継続性に与える影響で確認してください。
新しい年度は、1月になれば発行されるわけではない
さいたま市の2026年度の交付開始案内では、納付方法等によって5月15日又は6月10日、コンビニ交付は6月10日からとされています。開始日は自治体・年度・取得方法等で確認し、まだ発行されない新年度を不足として数えていないかも見直します。
03|証明書ごとに発行範囲が異なる
古い年度や、コンビニで取れない場合の確認
同じ自治体でも、課税証明書と納税証明書の発行可能な年度が異なることがあります。また、窓口・郵送で取得できても、コンビニ交付では選べない年度があります。「画面に表示されない」ことと「自治体で発行できない」ことを分けます。

自治体の発行期間を超えている
さいたま市の窓口交付案内では、所得・課税(非課税)証明書は最新年度と過去5年度、住民税の納税証明書は最新年度と過去3年度です。最新年度の納税証明が発行可能となる前は過去3年度のみという注記もあります。
これはさいたま市の案内です。他の自治体へ同じ年数を当てはめず、証明の種類ごとに確認します。
取得方法に制約がある
さいたま市の証明書申請ガイドでは、コンビニで取得する所得・課税(非課税)証明書は最新年度です。市外へ転出した方等は、電子申請・郵送・窓口など別の方法を確認します。
機械で取れなかった理由を確認し、発行可能な年度まで省略しないようにします。
発行可能分を提出するという公式案内を確認する
永住許可申請1・2・3や高度人材70点の案内には、必要な年数分を市区町村で発行できない場合、発行される最長期間分を提出する旨の記載があります。発行できる最長の範囲を自治体へ確認し、取得可能な資料をそろえます。
課税証明は5年分ある一方、納税証明は4年分しか発行されない場合も、両方を4年分に減らすと決めず、書類別に用意します。不足する年度・種類・発行理由を整理し、必要な補足説明は入管へ確認してください。
04|似ている言葉を分ける
非課税・未申告・未納は、それぞれ対応が違う
非課税
税額がかからない状態
収入がないことや所得・控除の関係で非課税でも、その事実を証明できる場合があります。無収入だから証明書を取る必要がない、と決めないようにします。
未申告・資料未反映
所得の情報が確認できない状態
自治体に所得情報がないため発行できない場合があります。申告が必要か、勤務先の給与支払報告書等が提出・反映されているかを確認します。
未納・滞納
税額と納付状況の問題
納税証明書に未納額が記載されることと、証明書が発行されないことは別です。納期限が未到来か、期限を過ぎたのか、納付が未反映かを確認します。
収入がない方も、証明のための申告が必要な場合がある
さいたま市の無収入の方に関するQ&Aでは、同居家族の税法上の扶養親族である場合や、収入がない旨を申告している場合などの取得方法を示しています。該当しなければ、申告後の取得を案内しています。
一方、さいたま市の申告案内には、所得税の確定申告をした方や、給与所得のみで勤務先から給与支払報告書が提出されている方等は、一定の場合に市民税・県民税の申告が不要とされています。証明が取れないからといって、全員に新たな申告が必要とは限りません。
窓口では、対象年度の収入・扶養・申告の状況を伝え、必要な対応を確認します。後から申告する場合は、実際の収入・控除に沿って手続きを進め、証明へ反映される時期も確認してください。
納付直後の未反映と、期限後納付を区別する
納めた直後は証明に反映されない場合があります。さいたま市の窓口交付案内は、早急に納付済みの証明が必要なとき、領収証書を持参して窓口で請求する方法を示しています。支払日・納期限・証明の発行日を照合し、単に未納額の表示だけで判断しないようにします。
証明がそろったことと、公的義務を適正に履行したことは別
現行の永住ガイドラインでは、申請時に納付済みでも、当初の期限内に履行していなければ原則として消極的に評価されるとされています。未申告や未納が判明したときは、書類の不足だけでなく、その経緯と必要な対応も整理します。
期限後に納めた場合の詳しい確認は税金を期限後に納めた場合に確認すべきこと、税の要件全体は永住申請の税金の要件をご覧ください。
05|取得できない理由と、確認できる事実
入管へ提出する理由書・補足資料を整理する
入管庁の区分別案内は、入国後間もない場合や転居等により証明書が発行されないとき、地方出入国在留管理官署へ問い合わせるよう案内しています。自治体で発行できない理由を確認し、その内容と自分の申請区分を合わせて伝えます。
一般のQ&Aと、自分の申請区分の案内を合わせて読む
入管庁Q&A・Q26は、住民税の課税・納税証明を提出できない場合、理由を記した任意様式の文書を提出し、源泉徴収票・給与明細等の直近年の所得の参考資料があれば併せて提出するよう説明しています。
また、高度人材80点ルートの申請4-(1)-イには、入国から1年後に申請する場合等で証明を提出できないとき、給与所得の源泉徴収票や給与明細書の写し等を代わりに提出する案内があります。認定済みの方の同区分アにも同趣旨の記載があります。
この案内を、全ての申請で過去の証明を給与明細1枚に置き換えられるという意味に広げないようにします。源泉徴収票や給与明細は所得等の参考資料であり、それだけで住民税を期限内に納めたことまで証明できるとは限りません。
「取得できない理由」の説明に入れる項目
何が不足するか:申請人・扶養者等の名義、証明の正式名称、年度、対応する所得の年。
なぜ発行されないか:1月1日の住所、来日・転居の時期、自治体の発行可能期間等の具体的な事情。
何を確認したか:確認日、自治体の担当部署、案内された内容、取得できる最長期間と他の取得方法。
何を提出するか:取得できた証明書、所得や住所の経緯を示す参考資料、入管から案内された補足資料。
発行不能の証明書が必ずあるとは限らない
自治体から書面の案内等が得られれば、発行できない理由を説明する参考になります。ただし、全国共通の「発行不能証明書」が必ず発行されるとは限りません。特定名称の書類を前提にせず、自治体が説明できる内容と、入管が求める説明方法を確認します。
本人が作成する説明文は、自治体が発行した証明書とは区別します。未確認の事項を確定したように書かず、確認済みの事実と資料を対応させます。書き方の全体は永住申請の理由書をご覧ください。
永住を希望する理由書と、書類を提出できない理由の説明は別の役割
通常の申請書類として理由書が不要となる区分でも、不足する証明書について説明が必要になる場合があります。どの書類を何のために作るかを区別し、理由書が必要な人・不要な人も参考にしてください。
06|年度ごとの一覧で不足を見える形に
証明書がそろわないときの4つの手順

申請区分・名義・必要な期間を確定する
就労、配偶者、高度人材等の区分から必要な資料を確認します。申請人と扶養する方の名義を混ぜず、課税証明と納税証明を別々の欄にします。
各年度の住所と、証明の発行可否を確認する
所得の年、証明年度、1月1日の住所、発行する自治体を一覧にします。「取得済み」「請求中」「発行できない」「未確認」を分けると、確認漏れを防げます。
自治体で不足の理由と必要な手続きを確かめる
他の自治体や別の取得方法で発行できるか、申告・反映待ちなのか、発行期間の限界なのかを確認します。取得できる証明と、納付時期を示す手元の資料はそろえておきます。
区分別案内に沿って提出方法と日程を決める
不足する理由・年度・名義を入管へ伝え、取得可能分と説明・参考資料を整理します。証明が発行されるまで待つ必要があるかも、申請条件と日程を合わせて検討します。
納付時期を示す資料も、証明書とは別に確認する
永住申請の案内では、対象期間のうち住民税が給与から天引きされていない期間について、領収証書や通帳の写し等で適正な時期の納付を確認するよう求めています。住民税証明の発行可能期間が短いことだけを理由に、手元にある納付記録まで不要とは判断しません。
同じ年度が欠けていても、「A市からB市への転居で請求先が違う」「来日直後で課税関係がない」「所得情報が未反映」「古い納税証明が発行範囲外」では、次に行うことが違います。複数の事情が重なる場合、扶養者の資料も不足する場合、過去の申告・納付状況が不明な場合は、年度別の一覧を用意して相談すると整理しやすくなります。
証明書の準備を待っている間も、現在の在留期限は別に管理します。永住の申請だけで期限は延びないため、必要に応じて永住申請中の在留期間更新を確認してください。就労資格の申請条件全体は就労ビザから永住で整理しています。
住民税の証明書がそろわない場合のよくある質問
5年分取れないと、必ず申請を待つ必要がありますか。
必ず待つとは限りません。まず自分の区分の必要期間と、発行できない理由を確認します。公式案内には発行される最長期間分の提出や、不足について入管へ確認する取扱いがあります。資料がないことと申請条件を満たさないことを同一視せず、取得可能分と説明を整理します。
非課税なら、証明書は提出しなくてよいですか。
非課税だから一律に省略できるわけではありません。入管庁は課税又は非課税の証明を案内しています。所得が確認できる内容か、申告が必要か、納税証明の発行可否等を自治体へ確認し、該当区分に沿ってそろえます。
源泉徴収票だけで、不足する年度を全て代用できますか。
全ての申請・年度について一律には判断できません。区分別案内と提出できない理由を確認します。源泉徴収票は所得等の参考資料になりますが、住民税の実際の納付状況や納付日まで置き換えるとは限りません。
引っ越した後、今の自治体で全年度分を取れますか。
現在の自治体で全て取れるとは限りません。各年度の1月1日の住所地を確認し、当時の自治体へ発行方法を問い合わせます。郵送等で取得できる場合もあるため、窓口に行けないことと発行不能を区別します。
不足する年度を確認し、
説明と資料を整えます。
エールZEAL国際行政書士事務所では、永住申請の区分と住民税証明の取得状況を踏まえ、不足する年度の確認と説明資料の整理をサポートします。在留資格、申請予定時期、証明の名義・年度、当時の住所、自治体で受けた案内をまとめてご相談ください。
次に確認したいページ
一次情報・更新情報
- 永住許可申請/永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) — 区分別資料、在留期間更新、公的義務。
- 永住許可申請1/申請2/申請3 — 名義・対象期間、発行可能分、所得・納税・納付時期の資料。
- 高度人材の永住許可申請4 — 70点・80点の各区分の対象期間と提出できない場合の案内。
- 入管庁Q&A・Q26 — 提出できない理由の説明と、所得の参考資料。
- 所沢市:所得課税(非課税)証明書 — 所得年、証明年度、1月1日の住所、発行できない場合。
- さいたま市:市税の証明書の窓口交付/所得・課税証明書等の申請ガイド — 書類別の発行範囲、記載内容、取得方法、納付の反映。
- さいたま市:無収入の方の非課税証明書/個人市民税・県民税の申告 — 扶養・申告と証明書、申告が不要となる場合等。
- さいたま市:2026年度の証明書の交付開始 — 納付方法・取得方法による交付開始日の違い。