会社の変更 / 情報確認日 2026-10-04

この記事でわかること
  • 法人成りで個人の許可が自動移転しない理由
  • 事前相談・申請・認可・実施を分けた日程の作り方
  • 様式第22号の5、全部承継、人員・保険の切替えの注意

会社設立日と、建設業の事業承継日を分ける

個人の許可は、会社を設立しただけで法人へ自動的に移るものではありません。同じ人が代表取締役でも、許可を受ける事業主体が変わります。埼玉県の案内では、個人事業の法人成りも事業譲渡として承継認可制度の対象に含まれますが、所定の要件と手続きの確認が必要です。

まず現在の個人の許可通知、法人設立の予定、建設業を移す予定日を並べます。設立登記の日を、事業移管や認可の効力が生じる日と同じものだと決めつけないようにします。誰がどの日まで見積り・契約・施工を担うかを整理し、税務・保険・取引先の変更予定と許可上の切替えを分けて検討することが出発点です。

確認元:埼玉県:許可の承継(令和8年4月)

譲渡等は事前認可、相続は別の時系列

埼玉県の手引きは、事業譲渡・合併・分割を実施前に申請し、あらかじめ認可を受けること、実施後へ遡って認可できないことを明記しています。また遅くとも事実発生日の30日前までに申請を完了させる案内です。これを「30日前に資料収集を始める」という意味に読み替えないでください。

法人成りの予定日を先に確定してから不足資料を集めると、審査や補正が間に合わないおそれがあります。相続は死亡後の申請期限が設けられる別の場面であり、法人成りへ同じ事後申請の考え方を流用しません。事前相談、必要資料の確認、申請、認可、実施という順序を、会社設立の計画と一緒に確認します。

確認元:埼玉県:許可の承継(令和8年4月)

架空の日程表は、制度上の期限と任意の社内目標を分ける

次の表は、事業承継予定日を2027年6月1日とした社内計画の架空例です。4月上旬の事前相談や4月20日の資料完成は、独自に置いた社内目標で、行政の標準処理期間を示すものではありません。5月2日は予定日から30日前の計算上の日付ですが、閉庁日・実際の受付・補正の可能性を踏まえ、申請先と完了日を確認する必要があります。

30日前までの申請と、予定日より前に認可を受けることは別の確認です。申請したから予定日を変更せずに実施できると考えないようにします。県は不足書類があると受付できない旨を案内しているため、添付が不明なまま日程だけを近づけず、事前相談で会社の計画と資料の準備状況を共有してください。

架空例:2027年6月1日を承継予定日とする社内計画(審査期間を保証するものではありません)
時期位置付け準備・確認内容
2027年4月上旬任意の社内目標事前相談、旧個人・新法人の体制と必要資料の確認
2027年4月20日任意の社内目標不足資料を点検し申請一式をそろえる
遅くとも予定日の30日前県の申請時期の案内受付可能な日を確認して申請完了
承継を実施する前事前認可の確認認可状況と実施計画を確認
2027年6月1日架空の承継予定日人員・保険・営業所・契約の切替えを照合

確認元:埼玉県:許可の承継(令和8年4月)

様式第22号の5で、双方の事業と承継後の情報を照合する

譲渡及び譲受け認可申請書には、譲渡人・譲受人、譲渡及び譲受け年月日、理由・価格、引き続き使用する許可番号、認可申請時と承継後に営業しようとする建設業等の欄があります。現在の個人と新しい法人を対比する一覧を作り、契約・計画と各欄が同じ内容を示すかを確認します。

理由を「法人成り」と書く場合も、それだけで譲渡する事業の範囲が説明済みになるわけではありません。業種、営業所、役員・技術者、法人番号、所在地などの情報を添付書類と照合します。譲渡価格や契約の内容は実際の計画に基づき整理し、記事の架空例から金額や日付をコピーしないようにしましょう。

特に現在許可のある主体と、認可後に許可を使う主体の名称を各書類で照合します。個人の屋号を法人の商号へ置き換えただけの資料では、双方の当事者が読み取れなくなることがあります。契約や申請の作成担当に同じ対比表を共有すると、転記の取り違えを発見しやすくなります。

確認元:埼玉県:譲渡及び譲受け認可申請書・様式第二十二号の五

全部承継と、承継後の技術者・勤務体制を確認する

県の案内では、承継元が営む建設業の全部を承継先へ移すことが必要です。認可申請前に一部の業種を廃業し、残りの建設業の全部を承継する扱いはありますが、一部業種を残したまま好きな業種だけを移す方法とは異なります。複数の許可業種から好きな一業種だけを移せると考えないようにします。承継先が既に許可を持つ場合は、重なる業種の一般・特定の区分も確認します。申請書の業種欄と、引き継ぐ事業の実態を対応させることが重要です。

人員については、承継予定日までの旧主体の体制と、承継後の新主体の体制を両方確認します。個人から法人へ移る場合、営業所技術者等の勤務や社会保険の資格取得日等が予定日とつながるかが確認点です。名前が同じでも勤務先や加入資料が切り替わるため、役職・雇用・保険・拠点の切替えを一行ずつ整理すると、要件の空白を見つけやすくなります。

確認元:埼玉県:許可の承継(令和8年4月)

受付方法は承継の専用案内で確認する

2026年4月の埼玉県の承継手引きは、事前に建設管理課へ相談し、認可申請は持参による受付と案内しています。郵送と電子申請は受け付けない旨も記載されています。通常の建設業許可でJCIPが使えるという一般案内を、そのまま承継認可へ広げないようにしてください。

提出先は、承継元の許可行政庁と承継後の営業所配置等によって確認します。法人番号提供書には認可申請の区分もあり、2026年7月31日の添付省略案内を利用する場合は現行様式を確認します。ただし、これで事業譲渡の説明や人員の確認まで省略されるわけではありません。予定日の調整と書類一式の準備を、専用の案内へ合わせて進めます。

確認元:埼玉県:許可の承継(令和8年4月) 埼玉県:建設業許可申請の手引き・様式集(2026年7月30日更新) 埼玉県:法人番号提供書

認可を使わない場合と、実施後の確認事項も検討する

法人成りで承継認可を申請しない場合には、個人側の廃業届と法人側の新たな許可申請が関係します。会社ができたという理由で、個人の許可番号を法人名の見積書へそのまま使うことは避けます。必要な許可が整うまでの契約・営業の扱いを事前に確認し、どの方法を取るかを計画の初期に検討してください。

実施後は認可通知、承継の事実を示す資料、必要な届出、保険等の切替え資料を保存し、法人の名称・番号・業種・営業所を会社案内へ反映します。税務、社会保険、金融機関、契約関係はそれぞれの窓口や専門家とも調整します。許可だけを先に結論づけず、事業の移管を実際の予定に沿って説明できる状態に整えましょう。

確認元:埼玉県:許可後の注意事項・変更一覧(令和8年4月) 埼玉県:許可申請・申請区分(令和8年4月)

確認するときの整理ポイント

  • 会社設立日と事業承継予定日を区別しているか
  • 事前認可と30日前の申請完了を両方確認したか
  • 全業種・営業所・人員の変更前後を対比できるか
  • 契約と申請書の譲渡日・事業範囲等が一致しているか
  • 専用案内で提出先・持参受付・現行添付を確認したか