在留資格別|家族の申請時期と組合せ
家族同時申請と、家族の一部だけ申請する場合の違い
永住申請は、家族全員が必ず同時に行うものではありません。家族同時申請と、一部だけ先に申請する方法を検討できますが、どちらも各人の要件・資料を確かめる必要があります。
申請する人数を減らしても、扶養する家族や世帯の生活状況が審査から切り離されるわけではありません。また、扶養者だけが先に永住者になった後、残る家族に必要な在留手続きも確認します。この記事では、誰が・いつ申請するかを決める順序を整理します。
最終法令・公式情報確認日:2026年9月9日

01|申請の単位と準備の時期
家族同時申請と、一部だけ先に申請する方法を比較
出入国在留管理庁の永住許可申請案内は、永住を希望する外国人を申請人とし、在留資格や身分・地位に応じた資料を求めています。家族で準備する場合も、申請書や申請区分は一人ずつ整理します。
家族で同じ時期に申請する
準備しやすい点:世帯の収入や扶養、婚姻・親子関係など、共通する事実をそろえて整理できます。証明書の取得や相談の日程も合わせて検討できます。
確認する点:各人について条件と資料がそろっているかを確認します。一人の資格・在留期限・不足資料を、ほかの家族の状況で置き換えることはできません。
一部だけ先に申請する
検討する場面:夫婦で在留歴が異なる、子の来日時期が遅い、家族の一部は資料準備が続いているなど、申請時期を分ける必要がある場合です。
確認する点:申請しない家族を含む生計・扶養と、先行する人の許可後の家族の在留資格を確認します。後から申請する人は、その時点の条件と資料を改めてそろえます。
一部だけにすれば審査が必ず速くなる、同時申請なら必ず同じ日に許可される、といった選び方はできません。共通する事実を整理できる利点と、各人の要件・手続きの違いを踏まえて判断します。
本人が希望することと、申請条件を満たすことを分ける
「家族全員で永住したい」という希望を確認したうえで、各人がどのルートを使うかを整理します。同時に申請するという理由だけで、要件が緩和されたり、一括して許可されたりする制度として説明することはできません。
家族それぞれの入口は在留資格別の永住申請ルートから確認してください。
02|家族でも要件はそろわない
在留資格・在留歴・家族関係を一人ずつ確認する
就労資格の方、家族滞在の方、定住者の方、日本人や永住者の配偶者・実子等では、検討する条件が異なります。夫婦がともに就労資格を持つ場合も、入国日、転職・出国の経緯、現在許可された在留期間は同じとは限りません。
- 本人の状況:現在の在留資格・期限、入国と資格変更の経緯、長期出国等。
- 家族関係:婚姻日、実際の婚姻生活、親子関係、子の出生時の状況・年齢等。
- 生活と公的義務:誰の収入で生活するか、各人に適用される納税・年金・医療保険・届出等。
- 今回使うルート:原則の在留年数、配偶者・実子等や定住者、高度人材等の特例のどれを確認するか。
配偶者・子の特例は、具体的な身分関係と期間を確認
永住許可に関するガイドラインは、日本人・永住者・特別永住者の配偶者について、実体を伴う婚姻生活が3年以上続き、かつ日本に引き続き1年以上在留する場合の特例を示しています。その実子等については、日本での継続在留1年以上という案内があります。
婚姻生活の期間と、日本で暮らす期間、在留カードに記載された許可期間を分けます。扶養者がこれから永住を申請する段階で、既に永住者の家族である場合の資料・取扱いをそのまま確定させず、同時申請の組合せに応じた取扱いを申請先へ確認します。婚姻期間等の詳しい整理は永住者の配偶者から申請する場合の婚姻期間・在留期間をご覧ください。
日本人・永住者・特別永住者の配偶者又は子については、ガイドライン上、素行善良・独立生計の要件の適用に特則があります。ただし、公的義務を含む国益適合の確認まで全てなくなるという意味ではありません。家族という一事だけで、税・保険や世帯の資料を省略しないようにします。
高度人材本人の「最短1年」は、家族全員の条件ではない
高度人材ポイント制Q&AのQ41は、80点以上の高度外国人材について最短1年とした優遇措置は、配偶者や扶養を受ける子を対象としていないと説明しています。
本人が80点だから家族全員も1年で許可される、という意味ではありません。配偶者・子は各人の身分関係・在留状況に応じて検討します。本人のルートは高度専門職・高度人材から永住で確認してください。
現在許可された在留期間の条件も一人ずつ確認します。2027年にかかる経過的な取扱いの詳細は、現在の在留期間の要件と永住許可制度の改定・経過措置で確認し、家族の申請予定日が異なる場合はそれぞれの日程に合わせて見直します。
03|申請人数と扶養人数は別
申請しない家族も、生活・扶養・資料の確認に関係する
例えば夫婦と子の3人で生活し、1人だけが永住を申請する場合でも、その申請人が3人分の生活費を支えているなら、単身者と同じ家計として整理することはできません。申請人数を減らしたことを、扶養する人数や生活費が減ったことと混同しないようにします。
永住許可申請3や永住許可申請1では、申請人を含む家族全員の世帯の住民票、申請人及び扶養する方の所得・納税・年金・医療保険等の資料が案内されています。扶養者自身が今回申請しない場合でも、扶養する立場の資料が関係します。

世帯で確かめること
同居・別居、生活費の負担、配偶者の収入、国内外の扶養、税務・社会保険上の扶養状況を整理します。住民票の世帯と、実際に支えている家族の範囲も照合します。
個人別に確かめること
誰にどの納付・届出義務があるか、どの制度に加入しているかを確認します。無収入の子や被扶養者に、義務のない本人納付を一律に要求する説明にはしません。
気になる家族を申請から外せば、問題が消えるわけではない
申請しない配偶者等の事情も、扶養・生計や提出資料と関係する場合があります。反対に、一人に確認事項があるだけで家族全員の結論が自動的に同じになる、とも断定できません。誰の、どの義務・生活関係・資料に関わるのかを具体的に整理します。
扶養の全体は扶養家族の要件、収入との関係は扶養家族が多い場合の年収の考え方をご覧ください。
04|先行する人の許可後も見通す
残る家族の在留資格は、自動では変わらない
扶養者の永住許可は、配偶者・子自身への永住許可ではありません。一部だけ先に申請する場合は、許可後も残る家族がどの在留資格で生活するかを、申請前から確認しておきます。
「家族滞在」は、扶養者の在留資格も前提になる
入管庁の在留資格一覧表では、家族滞在は、所定の就労資格・留学等で在留する方の扶養を受ける配偶者又は子の活動として定められています。その扶養者の資格の列挙に「永住者」は含まれていません。
このため、扶養者だけが永住者になった後も、家族滞在を当然に同じ条件で更新できるとは考えず、配偶者・子に必要な在留資格変更の可否と時期を確認します。家族の永住審査が続いている場合も、現在の在留資格・期限の管理を別に行います。
配偶者の場合
実際の婚姻関係等を踏まえ、「永住者の配偶者等」への変更などを確認します。自分の就労資格で働く配偶者は、その資格での活動と継続要件を確認します。配偶者だから全員同じ変更をする、という整理ではありません。
子の場合
「永住者の配偶者等」の子の範囲は、永住者等の子として日本で出生し、その後引き続き日本に在留する方です。現在の親が永住者というだけで、全ての子が該当するわけではありません。
出生場所だけでなく、出生時の親の在留資格、継続在留、年齢、婚姻・扶養の状況を確認します。
入管庁には、永住者等の扶養を受ける未成年で未婚の実子についての「定住者」の案内もあります。該当するかは個別に確認が必要で、成人した子を含め、全員がこの区分を使えるとは限りません。
成人した子や、卒業・就職を控える子がいるとき
扶養者だけ先に永住申請を進める前に、子の年齢・在留資格・学校や就労の状況を整理し、残る資格の選択肢と変更の可否を申請先や専門家に確認します。「家族の永住は後で考える」と切り離さず、家族全員の在留の見通しを立てます。
ルート全体は家族滞在から永住をご覧ください。
05|同じ事実と、各人の書類
共通して整理する資料と、個人別に必要な資料を分ける
家族で同じ資料が関係する場合でも、各人の申請区分によって、必要な名義・対象期間・内容が異なります。まず一人ずつ公式の提出書類案内に対応させ、その後に重複を整理します。

家族で共通して整理しやすいもの
世帯の住民票、扶養者の在職・所得・納税資料、婚姻・出生等の関係資料、生活費の負担や扶養の経緯などです。どの人の、どの事実を証明する資料かを確認します。
「共通して整理する」は、1部で全員の提出が足りるという意味ではありません。
申請人ごとに確認するもの
申請書、写真の要否、旅券・在留カード、在留歴、本人の加入・納付状況、身元保証や了解書、申請区分に応じた理由書等です。全員へ同じ書類一覧を機械的に当てはめないようにします。
氏名・生年月日・関係・日付に、家族の資料間で食い違いがないかも照合します。
税や保険の対象期間も、全員同じとは限らない
例えば永住許可申請1では所得・納税資料について過去3年分、永住許可申請3では過去5年分の案内があります。高度人材等の別区分もあるため、家族の一人用に取得した証明書が、そのまま全員分の期間を満たすとは限りません。
住民票は、公式案内に沿ってマイナンバーを省略し、それ以外は省略のない世帯全員のものを確認します。日本で発行する証明書は発行から3か月以内、外国語資料には日本語訳という案内もあります。申請時期を分けると、後から申請する人のために新しい資料が必要になる場合があります。
子どもの写真は、古い年齢基準で判断しない
現行の永住申請案内では、2026年6月14日以降に交付される在留カードについて、交付日に1歳以上の方は写真が必要とされています。以前の「16歳未満は写真不要」という案内をそのまま使わず、子の年齢と最新の規格を確認してください。
資料を1部にまとめられるか、原本・写しをどう添えるかは、提出先と申請の組合せに応じて確認します。資料の説明メモには、家族の氏名、申請日、分かる場合の受付番号、共通資料と各人の対応を整理すると、準備状況を把握しやすくなります。必要書類の全体は永住申請の必要書類をご覧ください。
06|家族の状況から順序を決める
4つの例から、同時に進めるか時期を分けるかを考える
以下は確認事項を整理するための仮の例です。実際の許可事例や、各ケースの許可を保証する説明ではありません。

夫婦とも就労資格で、準備の進み方が違う
夫婦それぞれの在留歴とルート、現在の期限、資料の不足を確認します。一人が先に申請する案と、必要な準備を終えて同時に申請する案を比較します。後者を選ぶ場合も、更新期限を越えて待たないよう管理します。
本人は高度人材の特例を検討し、家族は最近来日
本人の点数・期間と、配偶者・子の在留や身分関係の条件を分けます。本人の最短1年を全員へ当てはめず、家族各人の申請時期と、本人だけが先に許可された場合の在留手続きを整理します。
親と子の一部は申請予定で、成人した子は未定
申請しない子についても、現在の資格、扶養者、卒業・就職の予定と、親の永住許可後に使える資格を先に確認します。年齢や出生の経緯が違うきょうだいを、同じ条件で扱わないようにします。
配偶者だけ先に申請し、もう一方が家計を支える
申請しない扶養者の職業・所得・納税・保険資料も、該当区分に沿って確認します。誰が申請するかと、誰が生活費を負担するかを分けて記録します。
相談前に整理する4段階
家族全員の現状と希望を並べる
国籍、続柄、年齢、在留資格・期限、来日・婚姻・出生の時期、扶養関係を記録します。今回の申請希望と、今後の希望を区別します。
各人の要件と不足事項を確かめる
使う申請ルート、必要な在留歴、公的義務、現在の在留期間等を確認します。不足する期間と、不足する資料を分け、未確認のまま申請可能と決めないようにします。
申請の組合せと、その後の在留を検討する
全員同時、一部が先、時期を合わせるために準備を続ける案を比較します。先行許可後の資格変更が不明な家族がいれば、組合せを決める前に確認します。
資料・提出者・期限を人別に管理する
共通資料と個人別資料、提出する人、現在の期限、追加資料への対応を整理します。住所、仕事、婚姻・扶養等に変化があれば、関係する申請との対応を確認します。
永住申請は、現在の在留期間を自動的に延ばす手続きではありません。公式案内は、審査中に期限が来る場合、満了日までに別途在留期間更新許可申請が必要としています。家族の一人の期限で全員を管理せず、永住申請中の在留期間更新を各人の日程に当てはめてください。
家族の申請の組合せについてよくある質問
家族の一部だけ先に永住申請できますか。
家族全員同時であることが、永住申請の一律の前提ではありません。先に申請する人の要件を確認するとともに、申請しない家族を含む生計・扶養と、先行許可後の家族の在留資格を確認します。
同時申請なら、一人が不許可になると全員不許可ですか。
一人の結果だけで、全員の結果が自動的に同じになるとは断定できません。ただし、共通する生計や扶養、公的義務等の事情がほかの家族の申請にも関係する場合があります。誰のどの条件に関わるかを整理します。
家族の資料が同じなら、全て1部で足りますか。
同じ資料が複数の申請に関係していても、一律に1部で足りるとは判断できません。各人の申請区分・名義・対象期間を確かめ、重複資料の扱いと原本・写しの添付方法を提出先へ確認します。
家族の代表者が、全員の申請を代わりに提出できますか。
家族という理由だけで、全員分を代わりに提出できるわけではありません。公式案内にある申請人本人、法定代理人、認められた取次者等の区分を確認します。成人した家族と子どもの手続きも分けて確認してください。
家族の状況に合わせ、
申請の順序を考えます。
エールZEAL国際行政書士事務所では、家族の在留資格・期限・扶養関係を踏まえ、永住申請の組合せと必要資料の整理をサポートします。家族構成、各人の在留資格と期限、今回申請したい方、今後の進学・就職や転居の予定をお知らせください。
次に確認したいページ
一次情報・更新情報
- 永住許可申請 — 申請人、提出者、区分別の書類、審査中の在留期間更新。
- 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) — 身分関係別の特例、公的義務、現在の在留期間等。
- 永住許可申請1/永住許可申請3 — 本人・扶養者・世帯の資料、対象期間、証明書・写真の条件。
- 高度人材ポイント制Q&A・Q41 — 高度外国人材本人の最短1年の優遇と、配偶者・子の扱い。
- 在留資格一覧表 — 家族滞在と永住者の配偶者等の範囲。
- 永住者等の扶養を受ける未成年で未婚の実子の定住者の案内 — 子の在留資格変更を検討する区分の一例。