在留資格別|定住者の在留歴と申請時期

定住者から永住申請する際の在留歴の数え方

定住者からの永住申請で原則10年の在留に関する特例を使う場合、確認するのは「定住者」の資格で5年以上、日本での在留が続いているかです。留学・就労・配偶者等の資格だった期間と、定住者になってからの期間を分けて整理します。

また、「定住者で5年暮らしたこと」と「在留期間5年を許可されたこと」は別です。この記事では、在留歴の起点、更新や資格変更の扱い、出国歴、申請時期を確かめる資料と判断手順を説明します。

最終法令・公式情報確認日:2026年9月9日

紺から青緑へ続く帯に白紙の書類を並べ、別にカレンダーを置いた紙の立体イラスト。
資格変更・更新・出国の経緯を並べ、定住者としての継続在留を確認します。

01|まず使う要件を区別

特例の「5年」は、定住者としての継続在留

永住許可に関するガイドライン2(2)は、「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留している場合の特例を定めています。長く日本に住んでいるという日常的な意味の「定住」と、在留カードに記載される在留資格「定住者」を混同しないようにします。

定住者の特例を確認する場合

「定住者」の資格で、日本に5年以上継続して在留しているかを確認します。変更前の留学・就労等の期間を足して、この特例の5年を満たしたことにはできません。

原則10年の要件を確認する場合

引き続き10年以上の在留と、そのうち就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)又は居住資格で引き続き5年以上の在留を確認します。こちらは、資格変更前の経歴も含めて整理します。

定住者になって5年未満でも、在留歴全体を捨てて考えないでください。

定住者の特例の5年に達していないことと、どの要件でも申請を検討できないことは同じではありません。原則10年の要件や、現在の身分・地位等に応じた他の特例に当てはまるかは、別に確認します。

定住者からの要件全体は定住者から永住、原則と各特例の比較は在留年数・在留歴の要件をご覧ください。

02|数え始める時点とつながり

定住者として在留を始めた時点を、許可の資料で確認

まず、入国から現在までの在留資格を、日付とともに並べます。そのうえで、現在につながる「定住者」の在留がいつ始まったかを確認します。最新の在留カードだけでは、最初に定住者になった時点まで分からないことがあります。

色分けしたファイルに書類を整理する手元
  1. 定住者として入国したその資格で日本での在留を開始した時点を、旅券の上陸許可や在留カード等で確認します。来日前の在留資格認定証明書の交付日だけで数えません。
  2. 日本で定住者へ変更した在留資格変更が許可された時点を資料で確認します。変更を申請した日や、離婚等の事情が生じた日を、そのまま定住者の在留開始日にしません。
  3. その後に期間を更新した同じ定住者の資格で在留が続いている場合は、更新前後のつながりを確認します。カードが新しくなるたびに、在留歴を最初から数え直すものではありません。

許可された期間を足すのではなく、実際に経過した期間を見る

最初に1年、その後に3年の許可を受けたという記録だけでは、既に4年在留したとはいえません。まだ経過していない期間や、更新前後で重なって見える日付を加算しないようにします。許可の履歴を日付順に並べ、実際にその資格で在留した期間を確認してください。

就労・配偶者等から変更した前後を区切る

就労資格や「日本人の配偶者等」等の期間と、変更後の「定住者」の期間は、在留資格ごとに分けます。以前の婚姻期間や、仕事を始めた日を定住者の5年の起点にはしません。離婚後等に資格を変更した方も、以前の配偶者としての特例をそのまま使えるという前提にはしないことが大切です。

2019年4月

就労資格で在留を開始

日本での在留歴全体の記録として残します。

2022年4月

定住者への変更が許可

定住者としての継続在留を、変更前と区別して整理します。

2026年4月

日本7年・定住者4年

日本で7年でも、定住者の特例の5年にはまだ達していません。

日付は仮の例です。各資格での在留が記載どおり連続していることを前提とした年数の比較で、実在の申請・許可事例ではありません。

定住者になった事情も、日付と一緒に整理する

定住者には、日系人としての在留や配偶者等からの資格変更など、異なる経緯があります。告示・告示外という区分名だけで在留開始日を決めず、実際に認められた資格と許可の経緯を確認します。ガイドライン2(2)は、定住者になった事情別に異なる在留年数を並べてはいません。

難民認定等を受けた方には、ガイドライン上、認定後の期間に関する別の特例もあります。自分の身分・地位に合う要件を選ぶ必要があるため、定住者という資格名だけで一律の計算に当てはめないようにします。定住者の制度上の位置付けは入管庁の在留資格案内で確認できます。

03|継続しているかを確認

出国・再入国、別の資格の期間を時系列に加える

定住者の特例は「5年以上継続して」という条件です。昔の定住者の期間と現在の定住者の期間を、間の事情を確かめずに足すことはできません。別の資格へ変更していた期間や、日本での在留が途切れた経緯があれば、現在につながる期間を改めて確認します。

出国・再入国がある場合

出国日、再入国日、出国の理由、海外での住まい・仕事、日本での生活拠点を整理します。出国が一度あれば必ず年数がゼロになる、再入国許可があれば永住審査上も必ず連続する、という一律の判断はしません。

資格や在留のつながりが不明な場合

以前の資格、満了日、変更・更新の申請日と許可日、出入国の記録を照合します。資料のない部分を推測の日付で埋めず、確認できた日付と未確認の点を分けます。

本記事では、何日までの出国なら影響しないという独自の基準を設けていません。長期の海外生活や出国の繰り返しがあるときは、在留の継続性を個別に確認します。詳細は長期出国や海外出張が在留継続性に与える影響をご覧ください。

04|状況別の検討例

同じ「5年」でも、確認する点は異なる

以下は考え方を示す仮の例です。期間の条件以外にも、生計、公的義務、現在の在留期間等の確認が必要です。年数がそろえば許可されるという意味ではありません。

緑に囲まれた住宅街に続く明るい歩道

配偶者等で3年、その後に定住者で2年

合計5年を、定住者の5年にしない

日本での在留が続いていても、定住者としては2年です。この特例の5年を満たすとはいえません。変更前の期間は在留歴全体の欄に残し、別の要件の検討に必要か確認します。

資格変更前後を分け、現在の身分・地位に合った要件を確認します。

定住者で実際に5年以上、現在の許可は1年

在留歴と、現在の許可を分けて確認

定住者として5年以上継続して在留していても、現在の許可が1年なら、最長の在留期間の条件が残ります。1年の更新を何度も受けたことだけでは補えません。

現在の許可された期間・満了日と、更新に向けた状況を確認します。

留学4年、就労3年、定住者3年が連続

原則10年の要件を別に確認できる

就労の3年が対象となる資格であり、各期間の継続性を確認できるなら、全体で10年、就労資格又は居住資格で6年という整理ができます。定住者として3年でも、原則の要件を検討する余地があります。

技能実習・特定技能1号の除外や、他の条件も含めて原則の要件を確認します。

以前に定住者3年、在留が途切れ、現在2年

以前と現在を単純に合算しない

通算すると5年でも、定住者として5年以上継続したことにはなりません。どの時点から現在につながる在留を始めたか、間にどのような事情があったかを確認します。

過去の資格・出国・再入国の資料をそろえ、現在の継続期間を整理します。

05|もうひとつの「在留期間」

5年の許可を持つことと、5年在留したことは別

在留資格「定住者」の公式案内では、在留期間として5年、3年、1年、6月、又は5年を超えない範囲で個々に指定する期間が示されています。永住のガイドラインは、現に持つ在留資格について最長の在留期間で在留していることを求めています。

新しく5年の許可を受けても、それによって過去5年間を定住者として在留したことにはなりません。反対に、長く在留していても現在の許可が1年であれば、現在の期間の要件は別に残ります。在留カードでは、資格名、許可された期間、満了日をそれぞれ確認してください。

3年の許可を持つ方は、2027年の取扱い変更に注意します。

2027年3月31日までは、3年の在留期間を持つ場合も最長の期間を持つものとして扱われます。2027年4月1日からは、各資格の最長の在留期間を持つことが原則となります。

経過措置として、2027年3月31日時点で3年の在留期間を持つ方は、その在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り最長の期間を持つものとして扱われます。申請日だけを見て「3年でよい」と判断せず、保有時点・満了日・処分の時期を確認します。

根拠は入管庁の2026年2月24日付のお知らせと現行ガイドライン注1です。個別に期間を指定されている場合も含め、現在の在留期間で自分に適用される取扱いを確認します。

06|資料を使って申請時期を整理

在留歴は「日付・資格・生活・資料」を対応させる

手元の在留カード、過去のカードの写し、旅券、変更・更新の申請控えや許可を確認できる資料を集め、次の4項目で一覧にします。これは相談・準備のための整理例であり、全員に同じ補足資料の提出を求める公式書式ではありません。

  1. 開始日・終了日と、そのときの資格を書く

    入国、資格変更、期間更新、出国・再入国を日付順に並べます。定住者として在留した期間と、他の資格だった期間を区別します。

  2. 日本での生活と、期間のつながりを確かめる

    住まい、仕事、家族状況、長期出国等を対応させます。日付の空白や資料間の食い違いがあれば、その理由と確認先を記録します。

  3. 使う年数の要件と、現在の期間を照合する

    定住者5年の特例、原則10年、その他の該当する特例を区別します。5年に達する見込みだけで申請日を確定せず、現在の許可と他の要件も確認します。

  4. 不足資料・追加確認・更新時期を整理する

    既に示せる事実、確認できない日付、取得が必要な証明書を分けます。在留の中断や資格変更が複雑なときは、記録を持って申請先や専門家へ相談します。

正式な提出書類は、定住者用の案内を確認する

永住許可申請2では、理由書、身分関係の資料、家族全員(世帯)の住民票、職業、所得・納税、年金・医療保険等の資料が案内されています。所得・住民税等は直近5年分、年金・医療保険は過去2年間に加入した制度に応じた資料を確認します。

税証明が5年度分あること自体を、定住者で5年間在留した証明とは扱いません。税資料の年度と、在留資格の開始・変更の日付は別に照合します。市区町村が5年分を発行しない場合は発行される最長期間分を提出し、入国・転居等により発行されない場合は入管へ問い合わせるという公式案内も確認してください。

理由書には、在留歴の経緯と永住を希望する理由を、資料と矛盾しないように記載します。詳しくは永住申請の必要書類、理由書が必要な人・不要な人と、書くべき内容をご覧ください。

年数以外の条件と、現在の在留期限も確認する

定住者5年の特例は、原則10年の在留に関するものです。素行、生計、国益に関する要件を、該当する身分・地位による特例も踏まえて確認します。税金・年金・医療保険料等の納付や必要な届出は、適正に行っていることが求められます。期限後に納付した場合は、申請前に支払っていても原則として不利に評価されます。

永住許可申請の公式案内は、永住申請中に在留期間が満了する場合、満了日までに別途更新申請が必要としています。永住を申請しただけで現在の期限が自動的に延びるわけではありません。永住申請中に現在の在留期限が来る場合の更新手続も確認してください。

07|よくある質問

定住者の在留歴の数え方に関する疑問

定住者になる前の就労期間も、5年に含められますか。

定住者の特例は、その資格での5年以上の継続在留が条件です。変更前の就労期間を足してこの5年を満たしたことにはできません。ただし、原則10年の要件を検討する際には、対象となる就労資格の期間も含めて在留歴全体を整理します。

期間を更新したら、5年の計算は最初からになりますか。

同じ定住者の資格で日本の在留が継続していれば、更新のたびに在留歴を数え直すものではありません。最初の許可と更新の経緯を資料でつなぎ、実際に在留した期間を確認します。

定住者の5年の許可を取れたら、すぐに永住申請できますか。

5年の許可を持つことと、過去に定住者として5年以上在留したことは別です。在留歴の条件、現在の期間の条件、公的義務等の他の条件をそれぞれ確認します。

昔の在留カードがなく、開始日が分からない場合はどうしますか。

旅券、保管している申請控え、許可に関する資料などを照合し、分かる日付と分からない点を整理します。推測の日付を申請書へ書かず、必要な確認方法や補足資料を申請先に確認してください。

在留歴を整理して、
申請時期を確かめます。

エールZEAL国際行政書士事務所では、定住者になった時期、資格変更・更新・出国の経緯と資料を確認し、永住申請に向けた準備をサポートします。現在の在留資格と期限、定住者になったおおよその時期、日付や算入で気になる点をお知らせください。

参照した一次情報・更新履歴

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