解体工事を請け負う場合、「解体工事業登録」と「建設業許可(解体工事業)」は別の制度です。埼玉県内で解体工事を営業する事業者は、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を持たない場合、原則として埼玉県知事の解体工事業登録が必要です。登録は営業する都道府県ごとに必要で、登録の有効期間は5年です。

この記事では、埼玉県の登録を検討する事業者に向け、許可との違い、どこへ申請するか、技術管理者と書類の準備、電子申請、建設業許可を取った後の届出を順番に整理します。工事金額による許可の要否は個別条件が関わるため、建設業許可が必要になる金額と工事の考え方も併せて確認してください。

最終確認日:2026年10月12日。埼玉県の解体工事業登録案内、令和7年5月版手引き、電子申請案内、令和8年4月版の建設リサイクル法資料を確認しました。

この記事は埼玉県で営業する場合の案内です。ほかの都道府県で施工する場合は、各都道府県の最新手引きを確認してください。埼玉県「解体工事業の登録」

解体工事業登録と建設業許可は別制度

建設リサイクル法に基づく解体工事業登録は、建築物等の解体工事を請け負って営業するための登録です。一方、建設業許可は建設業法上の許可で、許可業種・一般か特定か・営業所の範囲などにより請け負える工事の範囲を判断します。名称に「解体工事業」が含まれるため似ていますが、申請窓口、登録・許可の条件、営業できる地域が異なります。

埼玉県の案内で確認する制度の違い
比較項目解体工事業登録建設業許可
主な根拠建設リサイクル法建設業法
請負金額の目安1件500万円未満(税込)の解体工事1件500万円以上の工事は、原則として建設業許可が必要
手続きの単位営業する都道府県ごと知事許可・大臣許可等の区分による
登録が不要となる場合土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を取得している場合。ただし許可業種の範囲内で施工する必要があります。

登録のみで請け負える解体工事は1件500万円未満(税込)です。500万円以上の工事には建設業許可が必要です。登録と許可は、片方を持てばどのような解体工事でも自由に請け負えるという関係ではありません。工事の内容・規模・契約形態・許可業種を確認し、建設業法上の許可が必要な工事に登録だけで対応しないようにします。許可があっても、その許可業種の範囲外の専門工事まで当然に施工できるわけではありません。業種の選び方は建設業許可の業種を選ぶときの確認点も参照してください。

登録が不要となる許可は3業種

埼玉県の手引きでは、土木工事業、建築工事業、解体工事業のいずれかの建設業許可を受けている場合、解体工事業登録は不要とされています。たとえば、建築工事業の許可を持つ会社は登録不要となる場合があります。ただし、許可の有無だけで個別工事の請負可否が決まるわけではありません。許可業種、工事の主たる目的、専門工事の内容、金額その他の条件を別に点検します。

「建設業許可を持っている」とだけ確認して登録を省略するのは危険です。許可通知書・許可証明書で業種を確かめ、3業種のどれかに該当するかを確認してください。管工事業やとび・土工工事業など、別の業種だけを持っている場合は、登録不要の3業種に含まれません。判断が難しい工事では、契約書の工事名だけでなく、実際に請け負う作業範囲を行政窓口へ説明して確認します。

登録する都道府県と施工場所の関係

解体工事業登録は、営業する都道府県ごとに行います。埼玉県の登録を受けても、他県で営業する解体工事まで登録したことにはなりません。複数県で営業する場合は、それぞれの県の登録要否と申請方法を確認します。施工場所が埼玉県内であれば、主たる営業所が県外にあっても埼玉県の登録が必要になる取扱いです。

ここでいう「営業所」は、単に会社の登記上の本店所在地という意味ではありません。契約締結や営業活動の実態、施工予定地、登録状況を合わせて確認します。埼玉県の手引きは、解体工事を行う都道府県ごとに登録を受けること、工事場所を基準に窓口を確認することを示しています。県境をまたぐ案件や、営業所と現場が異なる案件は、契約前に担当県へ問い合わせると手戻りを防げます。

登録の有効期間は5年です。登録を続ける場合は、満了直前に慌てないよう、登録通知書に記載された期限を管理し、県の手引きが定める更新申請期間を確認します。埼玉県の令和7年5月版手引きでは、更新は有効期間満了日の2か月前から30日前までが目安となる受付期間として案内されています。受付期間は改訂されることがあるため、申請時点で最新版を再確認してください。

技術管理者を先に決める

登録申請にあたっては、あらかじめ技術管理者を選任し、資格または実務経験の要件を満たすことを示します。埼玉県手引きには、一定の学科を修めた人の実務経験年数を短縮する取扱いや、対象資格等が示されています。一般的な実務経験による場合は、解体工事に関する8年以上の実務経験を証明する方法が案内されています。経験年数の数え方や認められる工事・証明資料は個々の経歴によるので、年数だけで自己判断せず、手引きの区分と照らします。

技術管理者を決める際は、氏名だけでなく、現在の雇用関係、勤務先、専任性が問題にならないか、資格証や卒業証明・実務経験証明を用意できるかを確認します。複数の会社の技術管理者を兼ねられるか、他の許可で常勤専任を要する役職との関係も、県の案内に沿って確認してください。資格証の写しだけでは要件を証明できないケースもあります。

経験証明を使う場合は、対象期間、工事の種類、工事を行った会社との関係を資料で説明できるよう整理します。工事名が「解体」と記載された契約書・注文書・請求書など、期間を裏付ける資料を準備し、県が指定する様式の記載と整合させます。実在の現場資料を出せない場合に、記憶だけで年数を積み上げたり、実際と異なる工事内容に置き換えたりしてはいけません。

申請書類をそろえる手順

申請様式は埼玉県の現行ページから取得します。手引きに挙げられている主な書類は、解体工事業登録申請書、誓約書、技術管理者の資格・実務経験を証する書類、申請者の調書、法人の場合の登記事項証明書や役員の住民票等、技術管理者の住民票等です。申請者が法人か個人か、技術管理者の要件をどの区分で証明するかにより必要書類が異なるため、一覧表をそのまま全員共通の提出物と捉えず、県の最新手引きで該当欄を確認します。

  1. 申請者と営業所を確定:商号・所在地・法人番号・代表者等を登記事項証明書と照合します。
  2. 技術管理者を選任:資格区分か実務経験区分かを決め、必要な証明を集めます。
  3. 様式の版を確認:埼玉県の登録案内から現行様式を取得し、古い保存ファイルを使わないようにします。
  4. 証明書の有効時期を確認:住民票等には取得時期の条件があるため、申請前に必要な範囲で取得します。マイナンバー記載の扱いも県の案内どおりにします。
  5. 申請内容を突合:申請書、登記、住民票、経験証明の名称・住所・期間に食い違いがないか確認します。

提出先は埼玉県の解体工事業登録窓口です。申請先の所在地・受付時間・最新の手数料は変更される場合があるので、古い案内を転載したページではなく、県の登録案内と令和7年5月版手引きで申請直前に確認します。手引き記載の新規登録手数料は33,000円、更新は26,000円です。電子申請の支払方法や改定有無は、申請時点の案内を優先してください。

電子申請の流れと登録後の管理

埼玉県は解体工事業登録の電子申請を受け付けています。県の案内では、新規・更新・変更・廃業等の届出や建設業許可取得通知を電子申請でき、申請書の入力と添付書類のアップロードを行う方式です。手続によって電子化の対象書類が異なり、登録通知書は郵送とされています。不備がある場合はシステム上の連絡や電話等で補正を求められることがあります。

申請前に、県の電子申請案内から対象手続、添付形式、電子納付方法を確認します。案内ではクレジットカードや複数のコード決済等が記載されていますが、利用可能な決済手段は変更され得るため、申請画面に表示される最新条件に従います。電子申請が使いにくい場合の窓口申請の可否・予約等も県の現行案内を確認してください。

登録後も、営業所には登録票を掲示し、解体工事の現場には必要な標識を掲げます。注文者との請負契約書など、帳簿・図書に関する保存義務もあります。現場の掲示や帳簿管理は、登録証を受け取った時点で終わりではありません。様式・掲示内容・保存期間を手引きで確認し、案件ごとに契約資料と施工記録を整理する運用を決めます。

建設業許可を取得した後にする届出

解体工事業登録を受けた事業者が、後から土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を取得した場合、解体工事業登録が不要となるため、埼玉県へ「建設業許可取得通知書」を提出します。許可を取っただけで登録記録が自動的に整理されるとは限らないので、許可通知書の受領後、登録番号、取得した業種、許可日を確認し、県の所定様式で届け出ます。

埼玉県の令和7年5月版手引きには、許可取得通知書の様式が掲載されています。現行の電子申請案内でも、この通知手続がオンライン申請の対象として案内されています。届出の期限や添付資料は、許可の種類や申請時点の最新様式を確認してください。登録票を現場に掲示している場合は、許可取得後に掲示・社内台帳を更新し、関係する登録証や案内の扱いも窓口に確認すると管理上の混乱を避けられます。

なお、建設リサイクル法には登録とは別に、一定規模以上の対象工事について発注者が行う届出制度があります。解体工事業登録を済ませても、この工事ごとの届出が済んだことにはなりません。届出対象や提出先は工事の種類・規模・施工場所により確認します。施工者が発注者から届出を依頼される場合は、委任や提出状況を確認し、誰が届出責任者かを契約時に明確にします。埼玉県の建設リサイクル法案内で最新資料を確認してください。

よくある間違いと提出前チェック

  • 「建設業許可があるから登録不要」と決めつけ、許可業種を確認しない。
  • 登録先を本店所在地だけで判断し、営業する都道府県や工事場所を確認しない。
  • 解体工事業登録があれば許可が必要な工事も請け負えると思い込む。
  • 技術管理者の経験年数を、解体工事と関係しない期間まで含めて計算する。
  • 過去に保存した様式や手数料を使い、現行の県案内を確認しない。
  • 登録取得後の標識・帳簿や、許可取得後の通知を忘れる。
  • 登録と、建設リサイクル法の個別工事届出を同じ手続だと考える。

提出前チェック:□埼玉県内で営業するか、他県の登録も必要か □許可不要の3業種に該当するか □技術管理者要件を資料で説明できるか □申請者情報と証明書の表記が一致するか □様式・手数料・提出方法は最新か □登録後の掲示・帳簿管理を担当者と決めたか □許可取得後の通知や工事ごとの届出を別途管理しているか。

制度や様式は改訂されることがあります。申請直前には埼玉県の案内ページと手引きの最新版を再確認してください。許可業種の範囲、技術管理者の要件、個別工事の届出など判断が分かれる場合は、計画中の工事内容と資料を整理してから行政窓口または専門家へ相談すると確認が進めやすくなります。

よくある質問

建設業許可があれば、解体工事業登録はいつでも不要ですか?

埼玉県の案内で登録不要とされるのは、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの許可を持つ場合です。他の業種だけでは該当しません。また、個別工事の請負可否は許可業種の範囲等で別途判断します。

埼玉県の登録があれば、群馬県や東京都でも工事できますか?

解体工事業登録は営業する都道府県ごとに必要です。施工する都道府県の登録案内で要否・提出先・手続を確認してください。建設業許可を取得した場合は登録要否が変わりますが、許可範囲の確認は必要です。

登録を更新し忘れたら、後から更新できますか?

登録の有効期間を過ぎて営業を続けられるかのような扱いはできません。満了日より前に、県の案内する更新申請期間と必要書類を確認してください。期限を過ぎた場合は、新規登録が必要かを県へ確認し、登録が有効であると確認できるまでは営業判断を慎重に行ってください。

建設リサイクル法の届出も登録申請時に行いますか?

別の制度です。登録は事業者に関する手続で、一定規模の対象工事についての届出は工事ごとに確認する制度です。誰が届出を行うか、提出先と期限を、工事内容と埼玉県の現行案内で確認してください。

許可の新規取得、業種追加、更新や登録後の手続を検討中の方は、建設業許可の新規取得案内、料金・サポート内容をご覧ください。相談はお問い合わせフォームから受け付けています。相談後に正式依頼するかどうかは任意で、書類作成・調査・申請等の実務は別途有料です。

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