維持・管理 / 情報確認日 2026-10-04
- 県様式第1号と基本の添付資料を整理する方法
- 様式第三号の公共・民間・下請を架空数値で集計する方法
- 工事経歴書・完成工事高・兼業売上を照合するポイント
対象年度と「4か月以内」の期限を表紙へそろえる
埼玉県知事許可業者の決算報告は、毎年、事業年度終了後4か月以内に提出します。例えば2026年3月31日終了の年度なら、2026年7月31日までが基本の日程です。税務署への申告とは別で、税理士から決算書を受け取っただけでは建設業の届出が済んだことにはなりません。
県様式第1号の表紙へ、許可番号、事業者情報、第何期か、開始日・終了日を記載します。決算期を変更した年は「4月から3月」という前年度の期間をそのまま使わず、実際の決算期間へ合わせます。社内集計表にも同じ期間を表示し、工事台帳を暦年で集計してしまう誤りを防ぎます。
確認元:埼玉県:許可後の手続き 埼玉県:変更届出書(決算報告)提出の手引き(令和8年4月)
法人・個人の必要書類と、変更時だけ添える書類を分ける
基本の準備は、表紙、工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表、事業税の納税関係資料です。法人用と個人用では財務様式が異なり、事業報告書は株式会社の場合に確認します。附属明細表なども会社の規模等による条件があるため、一律に他社のセットを写さないようにします。
使用人数、施行令第3条の使用人の一覧表、定款等は、その年度の変更の有無を点検します。県様式第1号の番号へ丸を付ける際は、実際に添付するものと一致させます。納税証明は県税事務所の事業税の証明で、「滞納額がないこと」の証明とは異なります。納税情報確認の同意書を使える場合もあるので、県の現行様式で確認してください。
確認元:埼玉県:変更届出書(決算報告)提出の手引き(令和8年4月)
様式第三号は、年間の全体を業種と注文者区分へ分ける
「直前3年の各事業年度における工事施工金額」は、完成工事を業種別に整理する様式です。許可に係る建設工事は業種ごとの列へ、許可を受けていない建設工事は「その他の建設工事の施工金額」へ記載します。その他の欄があることを、無許可で請け負えるという意味に受け取らないでください。
各年度の行は、元請の公共、元請の民間、下請、計へ分かれます。公共施設の現場でも、自社が元請業者から受けた下請契約なら下請の行です。公共かどうかは施設名だけで判定せず、様式の公共の記載要領と直接の注文者を確認します。次の架空表は2025年4月1日~2026年3月31日の1年度だけを抜き出したもので、正式提出では直前3年の対象年度をそろえます。
| 注文者の区分 | 内装仕上工事 | 管工事 | その他の建設工事 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 元請・公共 | 6,000 | 0 | 0 | 6,000 |
| 元請・民間 | 4,000 | 3,000 | 0 | 7,000 |
| 下請 | 5,000 | 2,000 | 1,000 | 8,000 |
| 計 | 15,000 | 5,000 | 1,000 | 21,000 |
確認元:埼玉県:直前3年の工事施工金額・様式第三号と記載要領
架空の21,000千円を、工事経歴書と損益計算書へつなぐ
表の内装仕上工事は、公共元請6,000、民間元請4,000、下請5,000で計15,000千円です。管工事は民間元請3,000と下請2,000で計5,000千円、その他の建設工事は下請1,000千円です。列の合計は15,000+5,000+1,000=21,000千円、行の合計も6,000+7,000+8,000=21,000千円となります。
この21,000千円を、同じ税区分・年度の損益計算書の完成工事高と照合します。仮に兼業売上高が2,000千円あれば、総売上高23,000千円を施工金額へ記載するのではなく、建設工事の21,000千円と区別します。工事経歴書の各業種の完成工事合計も対応させ、差額があれば、未成工事、兼業、業種分類、計上年度を順に確認しましょう。
確認元:埼玉県:直前3年の工事施工金額・様式第三号と記載要領
3年分の期間・税区分・単位を統一して確認する
様式は千円単位を基本とし、税込・税抜のいずれかを選択します。円単位の売上台帳をそのまま貼り付けないよう、元の数値、税区分、千円への換算方法を作業表に残します。端数だけの差と、工事の抜けによる差は分けて確認してください。
前々期・前期・当期を記載するときは、前年の届出控えと照合し、同じ年度の数字を理由なく変えないようにします。決算期変更で3年間に4期以上含まれる場合にも注意が必要です。実績がない欄は記載要領に従い0とし、許可業種の空欄を「今年は不要」と解釈しないことがポイントです。用紙が複数ページになる場合の合計の置き方も様式で確認します。
確認元:埼玉県:直前3年の工事施工金額・様式第三号と記載要領
工事のない年と、未成工事のある年も準備する
建設工事の実績がない年も決算報告は必要です。工事経歴書は、業種を明らかにして「該当なし」とする県の案内を確認し、施工金額は0で整理します。工事がないことと、資料を添付しないことを混同しないようにしてください。
通常の完成基準の架空例で、年度末に未完成の契約額2,000千円があるなら、完成した21,000千円へ単純に加えません。一方、工事進行基準等を採用している会社には別の整理があるため、税務・会計の処理と許可資料の記載を合わせて点検します。全請負額、当年度計上額、未成の区分を別の列で管理しておくと、翌年の二重計上も見つけやすくなります。
確認元:埼玉県:工事経歴書の記載要領 埼玉県:変更届出書(決算報告)提出の手引き(令和8年4月)
郵送・電子提出の条件と、提出後の控えを確認する
埼玉県の郵送提出は条件があります。新規許可後初めての決算報告、経営事項審査と兼ねるものは郵送できず、郵送可能なものも届出期間内に必着する必要があります。過年度分が見つかった場合は、現在の郵送案内を含めて提出方法を確認し、期限当日に投函すればよいとは考えないようにします。
提出前は、表紙の年度と添付一式の年度、工事経歴書・施工金額・財務諸表の数値、税区分と単位を確認します。提出後は受付・補正の連絡、差し替えたページ、最終控えを年度ごとに保存します。次年度の担当者が、元データから21,000千円へ至る集計を再現できる状態が、毎年の負担を減らします。
記入ケース:3年分を、年度の並びと業種の列で復元する
次の表は、本文の21,000千円の架空会社について、毎年4月1日から翌3月31日までの3事業年度を並べた作成用の集計例です。内装仕上工事、管工事、その他の建設工事を同じ列に置き、税抜・千円で比較します。正式な様式第三号では、各年度をさらに元請公共・元請民間・下請へ展開するため、この年計だけで提出できるものではありません。
前年の控えから持ってくるのは年度と確認済みの実績です。今年の工事経歴書の業種名を変更して、過去の数字を理由なく別の業種へ移さないようにします。「管」という略号が会社の売上区分の名前と似ているから、といった分類も避けます。契約の内容から建設工事の種類を確認した元の作業表と、各年の控えをつなげます。
様式第三号の記載要領は、申請又は届出をする日の直前3年の各事業年度が対象です。設立後3年に満たない会社や決算期を変えた会社では、存在しない12か月分を作ったり、短い期を勝手に一つへ合算したりしません。各期の開始・終了と実際の完成工事額を先に整理し、必要な行・用紙を現行様式に合わせます。
| 事業年度 | 内装仕上工事 | 管工事 | その他の建設工事 | 年計 |
|---|---|---|---|---|
| 2023/4/1~2024/3/31 | 10,000 | 7,000 | 1,000 | 18,000 |
| 2024/4/1~2025/3/31 | 12,000 | 6,500 | 1,000 | 19,500 |
| 2025/4/1~2026/3/31 | 15,000 | 5,000 | 1,000 | 21,000 |
記入ケース:建設工事が0で、兼業の売上だけがある年度
架空の個人事業主が、当期は建設工事を完成させず、建設工事に当たらない物品販売だけで1,200千円を売り上げたとします。この売上を、数字を埋めるために様式第三号の「その他の建設工事」へ移してはいけません。同欄も建設工事の金額を記載する欄だからです。工事施工金額は0、財務諸表では取引の実態に応じた兼業売上として整理します。
許可業種の工事経歴書は、実績がない旨を明らかにして準備します。埼玉県の案内では、建設工事の種類を記載して「該当なし」とした工事経歴書も添付する取扱いです。前年は工事があった場合、様式第三号の過年度実績まで0へ変えることはありません。
このケースでも財務諸表の資産・負債や経費が全部0になるとは限りません。前年の売掛金の回収、車両の保有、借入返済などは別の動きです。工事の実績0と会社全体の数値0を区別すれば、実際にはある預金や借入を落とす誤りも防げます。
提出一式では、期末の情報と届出時点の情報を混ぜない
埼玉県の県様式第1号の記載例では、使用人数、施行令第3条の使用人の一覧表、定款は、事業年度内に変更があった場合に期末の状況を提出する扱いが示されています。一方、健康保険等の加入状況は、年度内の保険加入人数の変更がある場合に、届出時点の状況を提出する扱いです。すべてを3月31日へ統一するのではなく、各書類がどの時点を示すかを下表で確認します。
例えば3月31日終了の年度について、保険加入人数が年度内に変わり、提出準備中の6月にも変わった場合は、年度末の人数だけを健康保険等の欄へ転記して終わらせないようにします。なお、保険加入状況そのものの変更や人員の退任など、別途短い期限で必要な変更届を、決算報告まで待ってよいという意味ではありません。
県様式第1号の丸印と、実際に綴じた書類を最後に照合します。事業報告書や附属明細表の添付条件、事業税関係の証明・同意書、正副の部数は埼玉県の提出案内で確認します。他県や大臣許可では納税証明等の扱いを同じと決めつけず、それぞれの許可行政庁のチェックリストへ合わせてください。
| 書類・区分 | 見る時点・範囲 | 提出前に確認すること |
|---|---|---|
| 県様式第1号 | 対象事業年度の開始・終了 | 決算関係書類の対象期と、各変更書類が示す基準時点を照合し、丸印と実際の添付を合わせる |
| 工事経歴書 | 対象事業年度の工事実績 | 業種別の記載、実績0の表示、未成工事の区分 |
| 様式第三号 | 直前3年の各事業年度 | 各期の開始・終了、業種と注文者区分、税区分・単位 |
| 財務諸表 | 対象事業年度とその期末 | 完成工事高と施工金額の対応、兼業との区別 |
| 使用人数・令3条使用人一覧・定款 | 年度内に変更があれば期末の状況 | 現在の資料を無条件でそのまま転記していない |
| 健康保険等の加入状況 | 年度内に保険加入人数の変更があれば届出時点の状況 | 期末の人数と届出時点の人数を取り違えていない |
| 事業報告書・附属明細表・税関係資料 | 対象期と各書類の添付条件 | 会社形態・規模・証明又は同意書の条件を確認 |
確認するときの整理ポイント
- 表紙・全添付・集計表の事業年度が一致するか
- 公共現場の下請を公共元請に入れていないか
- 業種別計と横合計が一致し、完成工事高と照合できるか
- 税込・税抜、円・千円、未成工事の区分がそろっているか
- 提出方法と郵送可能条件、最終控えの保存先を確認したか
あわせて読みたい
関連する手続き
- 埼玉県:許可後の手続き
- 埼玉県:変更届出書(決算報告)提出の手引き(令和8年4月)
- 埼玉県:直前3年の工事施工金額・様式第三号と記載要領
- 埼玉県:工事経歴書の記載要領
- 埼玉県:許可後の注意事項・変更一覧(令和8年4月)
- 国土交通省:建設業許可事務ガイドライン・様式第三号の施工金額の区分
- 国土交通省:許可後の手続き
情報確認日:2026-10-04。具体的な取扱いや必要書類は、申請先の案内をご確認ください。