【知らないと危険】在留期限ギリギリの申請がもたらすリスクとは?|入管対応で後悔しないために

若い女性がやさしく微笑む在留資格の案内イメージ(アニメ風)
【知らないと危険】在留期限ギリギリの申請がもたらすリスクとは?

【知らないと危険】在留期限ギリギリの申請がもたらすリスクとは?

2025年現在、外国人の在留資格に関する申請業務は複雑化の一途をたどり、審査の遅延が全国の入管局で常態化しています。特に「在留期限ギリギリ」での申請は、思わぬトラブルを招くリスクが高まっており、本人や受け入れ企業に深刻な影響を与えることがあります。本記事では、在留期限ギリギリの申請に潜む危険とその対策を、実例や制度の観点から詳細に解説します。

審査の遅延が深刻化する背景

近年、入管業務の負荷は著しく増加しています。とくに注目すべきは、技能実習制度の見直しと、それに伴う特定技能制度への移行ラッシュです。技能実習2号を修了した外国人の多くが、同一職種での継続就労を希望しており、特定技能への変更申請が爆発的に増加しています。

加えて、オンライン申請の普及や書類の精査基準の厳格化、人手不足、再審査件数の増加といった要因も重なり、申請件数に対して審査が全く追いついていない状態となっています。2024年末時点で、入管庁の発表では平均処理期間が約1.8ヶ月、地域によっては3ヶ月以上という異常な長期化も報告されています。

在留期限ギリギリの申請がもたらす主なリスク

「期限までに出せば問題ない」と考えている方も少なくありませんが、実際には以下のような重大なリスクが存在します:

  • 追加資料を求められた場合、提出期限に間に合わない:1週間以内に返答が必要なケースも多く、準備が遅れると不利になります。
  • 審査期間中に期限が到来し、みなし在留での生活に移行:就労に制限がかかる場合や、企業側が継続雇用をためらう事例も。
  • 審査中に帰国を求められるケース:特に書類不備や虚偽記載が発覚した場合、在留特例の適用外となる可能性があります。
  • 企業に対する行政指導・監査の対象になる:違法就労が発生したとみなされるリスクが高まります。

特例期間=安心ではないという現実

在留期限内に申請を出せば「みなし在留資格」として一定期間は日本にとどまることができます。しかし、これは“審査中の仮滞在”であって、就労の保障や生活の安定を意味するものではありません。

例えば、みなし在留中に不許可となった場合は即日出国の指示が下る可能性があり、その場合、航空券の手配や賃貸契約の解除など、生活上の大きな混乱を招きます。企業側も突然の労働力喪失に見舞われ、事業計画に支障が出ることは珍しくありません。

実際にあったトラブル事例

  • 埼玉県の製造業者で働くネパール人技能実習生が、特定技能への移行を期限3日前に申請。しかし、提出書類の一部に旧住所が記載されていたことから補正通知が届くも、対応が間に合わず不許可となり、退去命令に。
  • IT企業で働く中国人エンジニアが更新申請を前日に行ったが、直近の雇用契約書に不備があり、入管からの追加資料要請を受けたものの、会社側が対応を誤って提出できず、みなし期間中に不許可通知が届いた。

リスク回避のための実務対策

このような事態を避けるためには、以下のような実務対策が重要です:

  • 2ヶ月前から申請準備を開始:書類の不備・翻訳のミスを防ぐ時間的余裕が生まれます。
  • 申請書・添付書類のダブルチェック:可能であれば第三者による確認が理想的です。
  • 入管とのコミュニケーション履歴の記録:電話・窓口・メールでの確認事項を文書化しておくことで、不当な指摘に備えられます。
  • 事情説明書や経緯説明書の活用:過去に問題があった場合でも、適切な説明を加えることで誤解を防げます。

企業側が行うべき体制づくり

外国人を雇用する企業にとっても、ビザ管理は事業リスクに直結します。次のような社内体制の構築が望まれます:

  • 社員ごとの在留期限を一覧化し、毎月のスケジュールに組み込む
  • 担当者を明確にし、定期的なチェックを行う
  • 申請直前ではなく「前倒しの社内申請ルール」を整備
  • 行政書士など外部専門家と連携したサポート体制

行政書士からのメッセージ

私たち行政書士の現場では、申請が1週間早ければ許可されていたであろう案件が、不許可になってしまった例を数多く見てきました。入管は、申請者や企業の都合ではなく、法と事実に基づいて判断します。だからこそ、「早めの準備」と「正確な申請内容」は何よりも重要です。

特に2025年以降は、制度改革に伴う過渡期として、審査がますます厳格化・細分化されると予想されています。予防的な対応こそが最大のリスク回避策です。

まとめ|“間に合う”ではなく“余裕を持つ”が重要

「期限ギリギリでも間に合えばいい」という時代は終わりました。制度の複雑化と審査の長期化が進む今、「余裕を持った申請」こそが、安全に在留資格を更新・変更するための最善の方法です。

不安がある方は、専門家への早期相談をおすすめします。私たちは、準備段階からの総合的な支援で、不許可やトラブルを未然に防ぐお手伝いをしています。

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