年収・税金・年金・社会保険|切替月と提出資料
厚生年金と国民年金が途中で切り替わった場合の資料整理
厚生年金と国民年金の切替がある場合は、加入履歴を月別に並べ、その月の納付資料を対応させることが出発点です。現在の勤務先の資料だけでは、退職から再就職までの期間を確認しきれないことがあります。
転職、退職、配偶者の扶養に入った時期などを振り返り、「いつ、どの区分だったか」と「必要な保険料を、いつ納めたか」を分けます。この記事では、永住申請に向けた切替日の確認から、記録の取得、不足する資料の整理までを解説します。
最終法令・公式情報確認日:2026年9月9日

01|誰の、いつからの資料か
永住申請の年金資料は何年分必要か
年金資料の対象期間は、申請区分によって異なります。現在の在留資格だけで決めず、利用する特例も含めて入管庁の永住許可申請案内から該当区分を確認します。主な区分は次のとおりです。

| 申請区分 | 対象期間 |
|---|---|
| 就労資格・家族滞在(申請3)、定住者(申請2) | 直近2年間 |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者(申請1) | 直近2年間 |
| 日本人・永住者・特別永住者の実子等(申請1) | 直近1年間 |
| 高度人材70点の特例(認定済みの区分ア/区分イ) | 直近2年間 |
| 高度人材80点の特例(認定済みの区分ア/区分イ) | 直近1年間 |
これは年金資料の期間です。住民税資料の年数や、永住申請に必要な在留年数とは別に確認します。上記以外の特例を使う方も、自分の区分の案内に従ってください。
申請人と扶養する方を、別々の一覧にする
区分別の案内は、申請人と申請人を扶養する方の公的年金資料を求めています。配偶者の記録があれば自分の記録は不要、と決めないようにします。対象期間に複数の年金制度へ加入していた場合は、それぞれの制度について資料を用意します。
最初に申請予定日を置き、対象となる月と名義を一覧にします。申請予定が延びた場合は、最新の月まで含め直します。対象期間の境目や直近の未反映月をどう提出するかは、申請先の案内も確認します。全体の書類は永住申請の必要書類をご覧ください。
02|退職日だけで区切らない
3つの日付と、第1号・第2号・第3号を確認する
退職日
勤務先を退職した日
退職証明書等で確認します。最終出勤日と、有給休暇を含む正式な退職日が違う場合もあります。
資格喪失日
前の厚生年金資格がなくなる日
退職による資格喪失日は原則として退職日の翌日です。3月31日退職なら4月1日となります。
資格取得日
次の厚生年金に加入した日
再就職先の資格取得記録を確認します。給与の支給日や保険料が初めて天引きされた月から推測しません。
勤務先の書類と年金の記録を照合し、入社日と資格取得日が違って見える場合は理由を確認します。厚生年金の資格取得・喪失と保険料の案内の考え方に沿って日付を整理します。
「扶養に入った」だけでは第3号と確定できない
第1号
自分で国民年金を納める区分
原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満で、第2号・第3号に当たらない方。退職後にこの区分となる場合は、切替と保険料の確認が必要です。
第2号
厚生年金に加入する方
会社員等の厚生年金加入者は、国民年金にも第2号として加入します。通常、国民年金保険料を別に納める必要はありません。
第3号
第2号に扶養される配偶者
20歳以上60歳未満などの要件があり、本人による国民年金保険料の個別納付は不要です。配偶者の勤務先を通じた届出と、認定された期間を確認します。
税金の扶養、健康保険の被扶養者、国民年金の第3号は同じ概念ではありません。配偶者自身が第1号の場合などは、生活費を扶養されていても第3号にはなりません。また、厚生年金に入っていた本人が退職すると、その方に扶養されていた第3号の配偶者も切替が必要になることがあります。
加入手続きと、保険料を納める月を分けて確認する
20歳以上60歳未満で、退職後すぐ再就職しない場合等は国民年金の手続きが必要です。第1号の届出期限は原則として退職日の翌日から14日以内。短期間だから届出も不要、と自己判断せず、退職したときの国民年金の手続きを確認します。
健康保険の加入履歴と保険料も別に確認します。健康保険の任意継続を選んでも、年金の切替は別に必要です。厚生年金がそのまま続くわけではありません。要件全体は永住申請の年金・健康保険要件で整理しています。
03|空白の日数より、日付と月の対応
同じ月に切り替わる場合と、月をまたぐ場合
年金保険料は、単純に空白の日数を日割りして計算するものではありません。日本年金機構の案内を踏まえ、資格喪失日・取得日と、その月の区分を確認します。次は制度を理解するための仮の例で、実際の許可事例ではありません。
共通の前提:日本に住む20歳以上60歳未満で、前職の厚生年金には3月より前から加入。退職後は第1号となり、第3号・免除等の事情はないものとします。

例A|4月中に再就職
3月31日退職 → 4月15日資格取得
前職の資格喪失日は4月1日。4月1日から14日までは第1号となる期間がありますが、4月中に次の厚生年金へ加入し、そのまま加入が続く場合、4月分は厚生年金保険料となり、国民年金保険料は不要です。
この例では、4月1日からの第1号への切替手続きが必要です。
例B|翌月に再就職
3月31日退職 → 5月1日資格取得
4月1日に前職の資格を喪失し、4月は第1号のまま。4月分の国民年金保険料が必要で、5月からは次の勤務先の厚生年金となります。
4月分の納期限・納付日と、領収証書等を対応させる。
月末退職と月の途中の退職では、喪失する月が違う
例えば3月30日退職なら資格喪失日は3月31日です。その後に厚生年金へ加入せず、第1号のままであれば3月分から国民年金保険料の確認が必要になります。一方、3月31日退職なら喪失は4月1日です。退職日が1日違うことで対象月が変わるため、「3月に退職した」という情報だけでは足りません。
入社と退職が同月の「同月得喪」は別に確認する
厚生年金の資格を取得した月に喪失し、その月にさらに厚生年金や国民年金の資格を取得した場合には、先に喪失した厚生年金の保険料が不要となり、納付済みなら勤務先を通じて還付される取扱いがあります。日本年金機構の同月得喪のQ&Aを確認し、複数の勤務先・区分を移った月は勤務先や年金事務所へ照会します。
給与明細で二重に引かれて見える場合も、何月分か、還付や調整があるかを確認します。「月末の区分さえ見れば全て判断できる」とは考えないようにします。
転職後の収入や申請時期の判断は、転職後すぐの永住申請で確認する安定性と空白期間をご覧ください。
04|加入の履歴と、納付の証拠
切替がある方の年金資料をそろえる
現行の入管庁の区分別案内では、年金事務所から取得する記録資料が案内されています。そのほか、全期間が記載された「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の出力でもよいとされています。取得しやすさだけで選ばず、必要な月と複数制度の履歴を確認できるかを確かめます。
年金事務所で取得する記録資料
- 被保険者記録照会回答票
- 被保険者記録照会(納付Ⅰ)
- 被保険者記録照会(納付Ⅱ)
窓口では「永住許可申請用」と伝え、公式案内の書類名と、必要な期間・切替履歴を確認します。名称が似た別の証明でよいと自己判断しないようにします。
定期便・ねんきんネットを使う方法
定期便は、全期間の記録がある封書のもので、封書の目次で指定された書類一式を用意します。毎年届くハガキ形式の定期便では、全期間を確認できないため提出用の代わりにはできません。
ねんきんネットでは「各月の年金記録」を印刷します。対象期間中に国民年金の加入期間がある方は、月別画面の「各月の納付状況」も確認・印刷します。総額や加入月数だけの画面で終わらせないようにします。
国民年金の納付資料を追加する
入管庁は、対象期間中に国民年金に加入していた期間がある場合、その期間の領収証書の写しを全て提出するよう案内しています。切替のある方は、履歴が分かる資料に加えて、自分で納める必要があった各月の領収証書をそろえます。提出が難しい場合は、その理由を記した理由書を提出する案内です。
口座振替、クレジットカード、電子決済等で手元に領収証書がない場合は、支払い方法・対象月・実際の引落日等を整理します。通帳や利用明細は納付を確認する手がかりになりますが、国民年金の領収証書を全ての申請で一律に代替できると決めず、理由書と併せた提出方法を入管へ確認してください。
資料の省略ができる場合も、切替の有無を先に確かめる
対象期間を通じて厚生年金等のみの方は、区分別案内に従い定期便又はねんきんネット等で確認します。反対に、対象期間全てが国民年金で、24か月分又は12か月分の領収証書をそろえられる場合は、定期便・ねんきんネットの資料を省略できる案内があります。
厚生年金と国民年金が混在する方へ、この省略をそのまま当てはめません。第3号期間など本人が個別に保険料を納めない月は、領収証書がない理由と加入区分を記録で説明できるようにします。
「納付済み」と「期限内に納付した」は同じではない
加入期間の記録だけでは、国民年金保険料の実際の納付日まで分からない場合があります。納付済みの表示や社会保険料控除証明書の年間合計だけで判断せず、保険料の対象月、納期限、納付日を照合します。通常の月払いの国民年金保険料の納期限は、原則として対象月の翌月末です。末日が休日等なら翌営業日になります。前納・口座振替等は選択した方法に応じた日付も確認します。
永住許可に関するガイドラインは、公的義務を当初の期限内に履行していなかった場合、申請時に納付済みでも原則として消極的に評価するとしています。資料をそろえたことだけで、期限後納付の影響がなくなるとはいえません。
05|1行を1か月にして照合する
月別の年金記録と資料を対応させる整理例
自分用の整理表では、「対象月」「加入区分・切替日」「必要な保険料」「納期限・納付日」「確認資料」「未確認事項」の欄を作ります。入管の指定様式ではなく、書類の漏れや食い違いを探すための準備メモです。
次は例Bの退職・再就職を、資料に対応させた仮の例です。実際に使う際は対象となる全ての月を並べ、本人と扶養者の表を分けてください。
3月
加入区分・保険料前職の厚生年金。3月31日退職、資格喪失は4月1日。
対応させる記録と資料前職の資格喪失日が分かる書類、年金の加入記録。給与明細は控除の対象月も確認。
4月
加入区分・保険料国民年金第1号。4月分の国民年金保険料が必要。
対応させる記録と資料月別記録・納付状況、4月分の領収証書等。納期限と実際の納付日を記入。
5月
加入区分・保険料5月1日に次の勤務先の厚生年金を取得。
対応させる記録と資料次の勤務先の資格取得日が分かる書類、更新後の年金記録。未反映なら照会先を記入。
4つの手順で、未確認の月を残さない
区分別の対象期間と、資料の名義を決める
申請予定日、利用する特例、本人と扶養者を確認します。対象の開始月・終了月を置き、直近の納期限未到来月や未反映月も区別します。
資格取得・喪失の日付を記録に合わせる
退職・再就職・第3号認定等の資料を月順に並べます。転職が複数回ある場合も、勤務先ごとの区切りを省略しません。
納付が必要な月に、納付日と資料を付ける
領収証書の対象月を確かめ、納期限と支払日を書き込みます。前納や複数月の一括払いでは、1枚がどの月まで含むかを明記します。
空欄の理由を確認してから提出資料をまとめる
「保険料不要」「未反映」「領収証書なし」「期限後納付」「未確認」を分けます。補足資料には整理番号を付け、説明文からどの資料を指すか分かるようにします。
給与から引かれた月と年金保険料の対象月は、勤務先の徴収方法によってずれる場合があります。「4月の明細に天引きがあるから、4月は厚生年金」と推測せず、資格記録と勤務先の説明で確かめます。
06|空欄・未納表示の理由を確かめる
記録の未反映や、領収証書がない場合の対応

転職直後の記録が反映されていない
ねんきんネットへの反映には時間がかかることがあります。勤務先の届出状況、資格取得・喪失日、記録の更新状況を確認し、必要に応じて年金事務所へ相談します。
手続き済みという説明だけで空欄を埋めず、受付状況や確認日をメモし、反映後の記録と照合します。
納付したのに未納と表示される
保険料の納付情報にも、納付方法に応じて反映までの時間差があります。領収証書・決済日・引落記録の対象月を確認し、表示だけで滞納とも納付済みとも断定しません。
納期限がまだ来ていない月、実際に未納の月、支払いが未反映の月を分けます。
領収証書を紛失した・発行されない
対象月、支払い方法、紛失等の理由、代わりに確認できる記録を一覧にします。紛失した書類について取得できる記録・証明等を年金事務所へ確認し、入管へ補足する方法を整理します。
理由書に実際の事情を記し、入管へ提出方法を確認します。自作の説明書を、官公署が発行した証明書のように扱わないようにします。
本当の未納・遅延・免除等が分かった
その月の区分、承認の有無、納期限、納付日を整理します。免除・猶予の承認と未納は同じではなく、後から納めた場合も当初の履行状況は別に残ります。
具体的な違いと確認は国民年金の未納・免除・猶予がある場合の整理方法をご覧ください。
提出用の写しは、番号の処理も確認する
入管庁は、基礎年金番号が記載された資料を提出する場合、黒塗り等で番号を復元できない状態にするよう案内しています。手元の原本は保管し、提出する写しを確認します。氏名・対象月・加入区分・納付状況など、審査に必要な事項まで隠さないようにしてください。
相談する先を、確認したい内容で分ける
勤務先には資格取得・喪失の届出と給与控除、年金事務所・市区町村には加入区分や記録・手続き、入管には永住申請の不足資料と提出方法を確認します。年金の記録が修正されたことと、永住審査上の評価が確定することは別です。
経営者や個人事業主は、本人の切替資料に加え、事業所側の義務も別に確認します。対象となる事業主の資料は経営者・個人事業主の納税・社会保険の確認で整理しています。
年金の切替と資料整理のよくある質問
転職の間が1日だけでも、国民年金を1か月分払いますか。
空白が1日あることだけでは決まりません。資格喪失日・次の資格取得日と、月内の区分変更を確認します。本文の例Aのように同月中に次の厚生年金へ加入し、継続する場合、国民年金保険料が不要でも第1号への切替手続きは必要です。同月得喪や第3号等の事情があれば個別に照合します。
いま厚生年金なら、前の国民年金資料は不要ですか。
不要とは限りません。申請区分の対象期間中に国民年金の期間があれば、その期間も確認します。現在の勤務先の資料だけで済ませず、加入履歴と国民年金保険料の納付資料を対応させてください。
ねんきんネットに納付済みとあれば、それだけで十分ですか。
必要な加入記録と各月の納付状況を印刷し、区分別案内の追加資料も確認します。納付済みという状態と当初の期限内納付は別の確認です。国民年金の領収証書を提出できない場合は理由を整理し、入管へ提出方法を確認します。
第3号だった月に、自分の領収証書がないと未納ですか。
第3号として認定された期間は、本人が国民年金保険料を個別に納める必要はありません。領収証書がないことだけで未納とはいえません。ただし、扶養の届出をしたつもりでも記録が違う場合があるため、認定期間を年金記録で確認します。
切替月を確認し、
必要な資料を整えます。
エールZEAL国際行政書士事務所では、永住申請の区分と年金の加入履歴を踏まえ、必要な資料と不足する月の説明を整理します。在留資格、申請予定時期、退職・再就職日、年金記録の取得状況、納付資料の有無をまとめてご相談ください。
初回の問い合わせには基礎年金番号やマイナンバー等を記載せず、まず状況の概要をお知らせください。
依頼する業務の範囲や費用は、料金と支援範囲の案内をご確認ください。
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一次情報・更新情報
- 出入国在留管理庁:永住許可申請/永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) — 区分別資料、公的義務の履行。
- 永住許可申請1/申請2/申請3 — 対象期間、本人・扶養者、年金事務所の資料、定期便・ねんきんネット、領収証書と提出困難時の理由書。
- 高度人材の永住許可申請4 — 70点・80点の各区分。本記事の期間表から各区分の案内を参照できます。
- 日本年金機構:会社を退職したときの国民年金の手続き/国民年金に加入するための手続き — 第1号・第3号、同月の再就職、届出期限。
- 月の途中で入社・退職したときの厚生年金保険料/国民年金第3号被保険者の保険料 — 資格取得・喪失、同月得喪、第3号の個別納付不要。
- ねんきんネットによる年金記録の確認/各月の年金記録照会 — 加入履歴、月別記録・納付状況、印刷と相談。
- 国民年金保険料/納付書でのお支払い — 納期限、反映時差、ペイジー納付と領収証書。