制度確認日:2026年9月23日
住む予定のない実家や、遠方の山林を引き継ぐことになったときは、すぐに売却や解体を決める前に、名義、現況、維持費、関係する人を確認します。「使っていない」ことと「管理や手続きが不要」なことは別です。
まず、どの不動産があり、誰の名義で、今は誰が使い管理しているかを一枚にまとめましょう。資料が足りない点もそのまま残すと、相談先へ調べるべきことを伝えやすくなります。

土地と建物を分け、名義と現況を調べる
固定資産税の通知書、名寄帳、登記事項証明書などを見比べ、土地の地番、建物の家屋番号、所有者と持分を確認します。日常の住所だけで特定せず、敷地、建物、私道などの資料があるかを確かめてください。
滑川町は、相続人が税証明等を請求するときの資料や、名寄帳の閲覧・複写を案内しています。別の市区町村にある財産については、それぞれの自治体へ請求条件を確認します。滑川町「税務の証明・手続き」
現地の写真、鍵の保管者、居住者や賃借人の有無、屋根や樹木の状態、届いた通知も記録します。危険がある建物へ無理に入らず、安全確保や緊急対応が必要なら自治体や適切な業者へ相談してください。不動産の調査方法では、各資料の役割を詳しく紹介しています。
空き家の管理と、税の軽減措置を分けて考える
建物が傷んだり、枝やごみが周囲へ影響したりしている場合は、名義変更の完了だけを待たず、必要な対応を確認します。誰が点検するか、費用を誰が立て替えたか、家族へどう報告するかを決め、領収書を残しましょう。
空家法には「管理不全空家」と「特定空家」への措置があります。国土交通省は、これらについて勧告を受けると、その敷地が固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れることを案内しています。空き家になった瞬間に自動的に同じ扱いになるわけではありません。国土交通省「空き家対策」
解体すれば税負担も必ず下がるとは限りません。解体後の土地利用や課税の見通しは、工事契約の前に自治体の税務担当や税理士へ確認します。
売る・貸す・引き継ぐ・国庫帰属を、それぞれの条件で検討する
売却や賃貸を考えるなら、不動産会社へ所在地、名義、現況、権利関係を伝えます。共有者や居住者がいる場合、解体や売却の権限と必要な合意は先に確認してください。「家族が反対していない」という理解だけで契約を進めないようにします。
相続等で取得した土地には、相続土地国庫帰属制度という選択肢もあります。ただし、どんな土地でも無料で国へ渡せる制度ではありません。対象者・土地の要件、審査、費用等の確認が必要です。建物のある土地などは承認申請ができない類型に含まれます。法務省「引き取ることができない土地の要件」
解体すれば必ず利用できるとは限らないため、先に制度の相談窓口へ確認します。法務省は、全国の法務局・地方法務局の本局で相談を受け付ける案内をしています。相続土地国庫帰属制度の相談
相続放棄をしても、保存が必要となる場合がある
相続放棄は、特定の土地だけを選んで手放す手続きではありません。また、放棄時に相続財産を現に占有している場合は、その財産を相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで保存する義務が問題になります。すべての放棄者に一律の管理義務が残るとも、放棄後は必ず何もしなくてよいともいえません。法務省「改正民法940条の説明」
現在の利用・占有状況、保管している鍵、すでに行った処分や支払いを相談先へ伝えます。放棄の可否や期限は弁護士等へ早めに確認し、この記事だけで片付けや引渡しの判断をしないでください。
相談前に揃える資料と、依頼する範囲
準備するものは、所在地と登記の資料、税の通知書、現況の写真、家族関係のメモ、管理費や工事の見積り、自治体等から届いた文書です。最初からすべて揃っていなくても、分からない項目を示して相談できます。
当事務所は、戸籍や財産資料の調査・整理、合意済み内容の遺産分割協議書作成など、行政書士が扱う範囲を確認してご案内します。相続登記は司法書士、建物の表題・滅失等の登記は土地家屋調査士、個別税務は税理士、共有者との紛争や放棄の法的判断は弁護士が相談先となります。行政書士の相続業務の案内