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相続・遺言手続きサポートセンター

海外在住の日本人相続人:署名証明・在留証明の準備前確認

海外の日本人相続人は、証明書を取る前に日本の提出先へ確認を

海外に住む日本人の相続人が日本で相続手続きをするときは、署名証明や在留証明を求められることがあります。ただし、必要な証明書の組合せや署名する用紙は提出先によって異なります。先に「何に署名するか」「住所をどう証明するか」「どの形式で提出するか」を確認すると、取り直しを防ぎやすくなります。

この記事は、現在日本国籍を持ち、海外で暮らす相続人の準備を扱います。外国籍になった方や、日本に住民登録がある方は条件が異なるため、過去に日本の旅券を持っていたという理由だけで同じ方法を選ばないでください。制度・公式案内の確認日は2026年9月15日です。

海外に関係する書類を整理するイメージ。

署名証明と在留証明は、証明する内容が違います

署名の証明と、住所の証明を分ける

海外在住の日本人が準備する証明の、主な役割を比べます。

署名証明
証明すること
本人が領事の面前で署名等をしたこと。
先に確かめること
署名する文書と、提出先が求める形式。
在留証明
証明すること
外国の住所、または住所を有していたこと。
先に確かめること
必要な住所・時期・記載事項。

証明の必要な組合せは提出先によります。署名証明は代理・郵送では申請できず、電子証明書や自己印刷の紙の受理も別に確認します。

証明書があることと、協議の合意・提出先の受理は別です。

出典外務省「在外公館における証明」外務省「e-証明書の発給開始について」

最初に区別する二つの証明
証明書確認する役割
署名証明(サイン証明)申請者が領事の面前で署名等をしたことを証明するもの。日本の印鑑証明に代わる資料として使われます。
在留証明外国での住所や、住所を有していたことを証明するもの。必要な記載事項を提出先に確認します。

署名の証明を受けても、遺産分割の内容が正しいことや、他の相続人も同意したことまで証明されるわけではありません。在留証明も、亡くなった方との親子関係を確認する戸籍の代わりにはなりません。資料ごとの役割を分けて準備しましょう。外務省「在外公館における証明」

銀行の指定用紙と、遺産分割協議書を同じものと考えない

日本側の家族から「サイン証明を取ってほしい」とだけ連絡すると、どの文書に証明を付けるのか分からないまま申請することになります。まず銀行、登記を担当する司法書士等、実際の提出先から、用紙と説明を取り寄せてください。

例えば三井住友銀行は、同行所定の「相続に関する依頼書」に大使館員や公証人の面前で署名して証明を受け、在留証明書も提出する方法を案内しています。協議書に付けた証明があれば銀行の指定用紙は不要、と読み替えることはできません。三井住友銀行「相続人が外国に住んでいる場合」

ゆうちょ銀行の案内では、海外居住の相続人について署名証明書と在留証明書を挙げつつ、署名証明書に住所の記載がある場合は在留証明書を除くとしています。必要な組合せは、一つの銀行の例をすべての窓口へ当てはめず確認します。ゆうちょ銀行「相続人に海外居住者がいる場合」

照会するときは、相続人の国籍・居住国、日本の住民登録の有無、遺言や協議書の有無を伝えます。そのうえで、指定用紙、署名証明の形式、住所の記載、必要通数、発行時期、原本の返却を一つずつ確認しましょう。案内を受けた日と窓口を控えると、日本と海外で情報を共有しやすくなります。

署名証明は、形式を確認してから未署名の文書を準備する

文書に付ける形式と、証明書単独の形式

日本の在外公館の署名証明には、私文書と証明書をつづり合わせる形式と、証明書単独の形式があります。どちらを使うかは、申請しやすさだけで決めず、日本の提出先の指定を確認してください。

文書に付ける形式を使う場合は、署名対象が協議書なのか、銀行の依頼書なのかを明確にします。ページが欠けていないか、添付する財産目録が最終版か、署名欄の氏名が旅券や戸籍と対応するかも、日本側と事前に照合しておきます。

オンラインで連絡できても、本人の署名を代わってもらうことはできません

在外公館の署名証明は、申請者本人が出頭して領事の面前で署名等をする手続きです。家族の代理申請や郵送だけでは受けられません。提出する文書へ先に署名せず、公館の案内に従います。外務省「署名証明」

在マイアミ日本国総領事館も、文書に証明を付ける場合には未署名の文書を持参するよう案内しています。予約方法、管轄、本人確認資料、滞在資格を示す資料等は公館ごとに確認します。別の国や地域の公館の持ち物一覧を、そのまま自分の予約に使わないでください。在マイアミ日本国総領事館「署名証明」

現地の公証人等による別の方法を使いたい場合も、証明する機関の名称だけで判断せず、対象文書と証明内容を日本の提出先に示して、利用できるか先に確認します。

在留証明では、必要な住所と居住期間を整理する

在留証明は日本国籍を持つ方を対象とする証明で、現地での居住期間等に条件があります。外務省は、既に3か月以上滞在している場合に加え、現在の滞在が3か月未満でも今後3か月以上の滞在が見込まれる場合を案内しています。「赴任直後だから必ず申請できない」と自己判断せず確認してください。外務省「在留証明」

準備の際は、現在の住所を示したいのか、以前の住所とのつながりも必要なのかを分けます。日本側の書類に古い住所が残っている場合は、その資料の写しと現住所を示し、必要な記載を提出先へ尋ねてください。

公館には、旅券とともに住所や居住開始時期を裏付ける資料等を確認します。公共料金の書類などを持っていても、名義が家族のもの、住所が省略されている、日付が古いといった事情は、申請前に伝えるとよいでしょう。在留届を提出したことと、提出先が求める在留証明を取得したことは別に管理します。

転居や帰国が決まっている場合は、証明を必要とする時点も伝えます。外務省の東京・大阪の窓口では在留証明を発給していないため、一時帰国中に日本国内で同じ証明を取る予定を立てる前に、公館と提出先へ確認してください。外務省「在留証明の申請方法」

電子申請ができることと、電子証明書を使えることは別です

外務省は2025年5月からe-証明書の発給を開始し、2026年4月時点の案内では、利用できる証明の種類が在外公館によって異なるとしています。オンライン在留届の登録等の利用条件も確認が必要です。署名証明の本人出頭の条件までなくなったと理解しないようにしましょう。

また、提出先によってはe-証明書や、それを自分で印刷した紙が受け付けられません。申請時に電子版を選ぶ前に、電子ファイルの提出に対応するのか、紙の原本が必要なのかを確認します。外務省「電子化した証明書(e-証明書)の発給開始」

メールで送って内容を事前確認できることも、正式提出がメールだけで完了することとは違います。日本側の家族が印刷して出せると決めず、証明書の種類と提出方法を組み合わせて確認してください。

文書・証明・送付の順で、日本と海外の準備を合わせる

  1. 日本の提出先から、相続の状況に合う用紙と証明書の条件を受け取る。
  2. 署名対象の文書を本人が読み、合意内容、氏名、住所、添付資料を確認する。
  3. 管轄公館に申請条件と予約・持参資料を確認し、指定された方法で証明を受ける。
  4. 取得後に氏名・住所・対象文書・通数を確認し、提出先指定の方法で送付する。

内容が変わった協議書を、先に署名済みの版と混ぜないことも大切です。作成日や版を区別し、どの文書に誰が署名したかを記録します。原本の国際送付が必要なら、郵送日数と返却の要否も予定に入れます。証明書の取得、郵送、翻訳等の費用は、当事務所への依頼費用と分けて確認してください。

当事務所では、遺産分割協議書の作成について、相続人・財産と合意の前提を確認して支援範囲を整理します。相続手続きの支援内容もご参照ください。海外の手配や全手続きのオンライン完結を一律にお約束するものではありません。

登記申請は司法書士、法的な争いや交渉は弁護士、税務は税理士へ確認する事項です。相続手続きの料金案内とあわせて、問い合わせ窓口へ、国籍・居住国・提出先からの案内をお知らせください。

海外在住の日本人相続人からよくある質問

日本の家族が代わりに署名証明を取れますか?

在外公館の署名証明は本人が出頭する手続きで、代理や郵送申請はできません。在留証明等とは条件を分けて確認してください。

署名証明と在留証明は、必ず両方必要ですか?

提出先の条件によります。署名証明への住所記載で扱いが変わる銀行の例もあるため、必要な形式と組合せを取得前に確認します。

電子証明書を家族が印刷すれば提出できますか?

自分で印刷した紙を受け付けない提出先もあります。申請時に電子版を選ぶ前に、電子提出と紙での提出の条件を確かめてください。

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