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相続・遺言手続きサポートセンター

故人の取引銀行が分からないとき:口座を調べる手がかりと確認先

銀行名の手がかりを集め、口座照会と個別の調査を組み合わせます

故人の取引銀行が分からないときは、通帳だけでなく、郵便物や引落しの記録から候補を整理します。生前に口座へマイナンバーを届け出ていた場合は、2025年4月に始まった相続時口座照会も確認できます。ただし、一度の照会ですべての口座や残高が必ず分かる制度ではありません。

最初に作るのは、銀行名を確定させた一覧ではなく、「手がかりがある先」「照会した先」「まだ分からない先」のメモです。この記事では銀行を探す段階を扱います。銀行が判明した後の払戻しや名義変更とは分けて進めましょう。

制度確認日:2026年9月11日

財産の所在と資料を整理するイメージ。

通帳がなくても、生活の記録が手がかりになります

自宅の保管書類から、通帳・キャッシュカード・定期預金証書、銀行の封筒、残高の案内、取引明細を探します。銀行名が古い場合は、そのまま捨てず、合併後の金融機関や統合された支店を確認する材料として残してください。残高ゼロの古い通帳も、その銀行での取引がすべて終了している証拠とは限りません。

次に、給与や年金の受取先、公共料金・保険料・クレジットカードの引落口座に関する手元の資料を見ます。別の銀行への振込記録があれば、日付と名義も控えます。ただし、振込先が故人自身の口座なのか、家族や取引先の口座なのかは、この段階で決めないでください。

紙の通帳を発行しない銀行もあります。故人が残した契約書や利用銀行のメモ、正当に確認できる通知などから候補を挙げ、公式の相続窓口へつなげます。故人になりすましてログインしたり、暗証番号を推測して操作したりする方法で調べる必要はありません。

家族の記憶は有用ですが、記憶だけの情報は「未確認」として扱います。「以前この銀行を使っていた」と聞いたら、おおよその時期、当時の住所、勤め先など、銀行への照会に役立つ情報を一緒に残しましょう。

2025年4月開始の相続時口座照会を確認する

2025年4月1日から預貯金口座付番制度等が拡充され、生前にマイナンバーを付番した預貯金口座について、金融機関を通じて所在を照会できるようになりました。付番の届出は任意です。制度開始前の「銀行を一つずつ探すしかない」という説明だけで判断せず、利用条件を確かめましょう。デジタル庁「預貯金口座付番制度等の拡充について」

申込みでは、自分の本人確認、故人の氏名・住所・生年月日、法定相続人または包括受遺者であることを確認する書類を用意します。故人のマイナンバーそのものは不要で、手数料は必要です。相続人が複数でも、いずれか1名から照会できます。必要書類と受付方法は申込先に確認してください。デジタル庁FAQ Q9-16・Q9-18

照会できるのは故人が亡くなってから10年以内です。これは口座照会制度の利用期間であり、相続税や相続放棄などの期限を延ばすものではありません。マイナポータルから相続時照会を申し込むことはできないため、預金保険機構から委託を受けた金融機関の案内を確認します。

「照会できた口座」と「全財産」は同じではありません

相続時口座照会の通知には、金融機関・支店・預貯金の種類・口座番号などが記載されます。残高は含まれないため、所在が分かった銀行へ別途確認します。通知先は日本国内で、転居時の取扱いにも条件があります。海外に住む相続人は、申込み前に受取方法まで確認してください。みずほ銀行「相続時・災害時の口座照会」

対象は付番された口座で、一部の金融機関は手続きの対象外です。未付番の口座、金融機関の管理状況により付番されていない口座などは、この方法だけでは把握できません。証券口座、保険、暗号資産などを含む全財産の一括検索でもありません。

また、デジタル庁は2026年3月更新のFAQで、本人特定事項が正しくても厳格な照合によりマイナンバーを取得できない事象を案内しています。申請書の住所・氏名は確認書類に合わせ、「該当なし」でも他の資料に手がかりがあれば個別に確認します。デジタル庁FAQ Q9-9・Q9-15・Q9-16

付番したか分からない場合も、「番号の分かるカードがないから利用できない」「公金受取口座を登録したので全口座を探せる」とは決めないでください。給付金の受取口座を登録する制度と、金融機関へマイナンバーを届け出る制度は別です。デジタル庁「預貯金口座付番制度」

心当たりのある銀行には、取引の有無の調査を相談する

候補の銀行へは、公式サイトで相続窓口を確認し、「口座番号は不明だが、相続人として取引の有無を調べたい」と伝えます。氏名、生年月日、死亡日、現在分かっている住所や旧住所、支店名の手がかりを説明できるようにしておくと、必要な資料の案内を受けやすくなります。

例えば、ゆうちょ銀行は相続確認表の提出前でも、貯金の有無等の調査が可能と案内しています。通帳や証書を見つけてからでなければ相談できないとは限りません。実際に請求できる人、戸籍等の範囲、調査結果の受取方法は、窓口で確認します。ゆうちょ銀行の相続手続き・貯金の調査

「この支店だけか、同じ銀行のほかの支店も調べるのか」「普通預金以外を含むか」「旧姓や旧住所の情報は必要か」を聞き、回答を記録しましょう。一行への照会結果を、銀行名の似た別法人やグループ会社の取引まで確認できた結果として広げないことが大切です。

手がかりが乏しい場合は、故人が長く住んだ地域や利用していた職場の近くなどから候補を整理します。むやみに同じ書類を大量送付する前に、受付条件と費用を確かめ、優先順位を付けて進めます。

照会による取引制限と、相続放棄の期限を先に確認する

相続時口座照会の申込みにより、故人の死亡が金融機関へ伝わり、口座の取引が制限されることがあります。みずほ銀行も、他行を通じた照会の場合を含めて入出金を停止すると案内しています。引落し予定の契約を整理し、契約先へ今後の支払方法を確認してください。制限を避けるために、先に故人のカードでお金を移す進め方はしないでください。みずほ銀行の相続時照会に伴う取引制限

借金が心配で相続放棄を検討している場合は、調査の終了を待たず、原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月の期間を確認します。必要なら期間伸長を検討しますが、自動では延びません。法的判断や代理は弁護士、家庭裁判所へ提出する書類作成は司法書士等へ相談してください。裁判所「相続の放棄の申述」

調査結果には、調べた範囲と日付を残す

調査メモには、候補を挙げた根拠、照会先、依頼日、対象の名義・住所、調査範囲、回答日、次の確認事項を残します。「口座あり」「該当なし」「資料不足で未受付」「回答待ち」を区別すると、未確認の先を調査済みと取り違えにくくなります。

例えば、古い封筒から候補にした銀行で回答がなかった場合は、銀行名の変更、故人の旧住所、照会した支店の範囲を再確認する余地があります。一方、確認済みの口座も、死亡時の残高を取得したのか、現在の残高だけなのかを別欄に書きます。

口座が見つかったら、残高確認と払戻しを分けて進める

銀行の所在確認は、相続する金額や取得者が決まったことを意味しません。死亡時の残高、必要な取引履歴、借入れや担保との関係を提出先へ確認し、遺言や既存の協議書とも照合します。税務に使う基準日や資料は税理士へ確認してください。

そのうえで、銀行が示す相続手続きの書類を準備します。複数行に共通する戸籍の準備と、銀行ごとの相続届・払戻しの条件を切り分ければ、口座探索のメモをそのまま次の手続きへ引き継げます。

よくある質問

照会結果が「該当なし」なら、銀行口座はないと判断できますか?

調査方法と対象範囲を確認する必要があります。未付番や照合できない場合などがあるため、ほかの資料に手がかりがあれば、その金融機関への個別確認を続けます。全口座がないという証明には置き換えられません。

銀行名は分かりますが、通帳も支店名もありません。

その銀行の相続窓口へ取引の有無の調査を相談してください。氏名・旧住所等の情報を用意し、必要な証明書類を聞いてから取得します。口座番号が分からないという事情も最初に伝えましょう。

見つかった口座の残高を、調査した相続人が受け取れますか?

照会する立場と財産を取得する立場は別です。遺言や相続人間の合意、銀行が確認する権限に従って、払戻しの手続きを進めます。

見つかった銀行の資料を整理して、次の手続きへ

口座や取引銀行が判明し、戸籍や提出書類の準備で困っている場合は、預貯金の相続手続きをご確認ください。調査を含めて依頼したい場合は、手元の情報と照会済みの範囲をお知らせください。対応可能な作業を個別に確認し、口座をすべて発見できるという保証は行いません。

相続手続きの料金案内を参照し、相続専用のお問い合わせから現在の状況をご相談ください。

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