外注先に無許可業者を使うとどうなる?建設業者が気をつけるべき下請けのルール

外注先の無許可業者と話す建設会社の担当者。背後に「建設業許可証」のイラストが描かれている

外注先に無許可業者を使うとどうなる?建設業者が気をつけるべき下請けのルール

「あの業者、知り合いだから安くやってくれるし…」
そんな理由で仕事を任せていませんか?
その外注先、建設業の許可を持っていないと、あなたの会社も処分の対象になる可能性があります。

この記事では、外注先に無許可業者を使った場合のリスクと、建設業許可の確認ポイントについて、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。


■ 建設業許可が必要な場合とは?

  • 1件の工事が税込500万円以上(材料費含む)
  • 建築一式工事の場合は、税込1500万円以上 or 延べ面積150㎡以上
  • 金額が下回っていても、反復継続的に請け負う場合には許可が必要なこともある

たとえば、一人親方であっても同じ元請から毎月仕事を請け負っていた場合、「継続性あり」とみなされるリスクがあります。
また、電気・管・内装など専門工事業種の場合も、それぞれに許可が必要です。


■ 無許可業者を使ったら元請に責任はある?

あります。しかも、その責任は思った以上に重いことも。

建設業法では、許可を持たない者に請負わせることは原則として禁止されています。
そのため、無許可業者を下請けに使った元請が、行政処分や刑事罰の対象になるケースもあります。

  • 行政処分:指名停止、営業停止命令、改善命令 など
  • 刑事罰:6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(建設業法第50条)

また、元請が自治体案件など公共工事に関わっている場合、入札指名からの除外につながる重大な信用失墜になります。


■ 実際にあったトラブル事例

● 事例1:電気工事の外注先が無許可

地域の住宅リフォーム現場で電気工事を地元業者に外注したところ、実はその業者は建設業許可を取得していなかった。
工事後に近隣住民の通報で調査が入り、元請が指名停止3か月の行政処分を受けた。

● 事例2:一人親方に複数現場を任せた結果…

元請が、建設業許可を持たない一人親方に複数現場の塗装作業を任せていた。
監督署の指摘で「形式的には一人だが、実態として常用関係にある」と認定され、反復継続の請負=建設業法違反として指導対象に。
元請と親方双方に行政処分が下り、評判にも影響。


■ どうやって確認すればいいの?

許可の有無を確認する方法は意外とシンプルです。以下の手順を習慣化しましょう。

  • 名刺や契約書に「許可番号」や「許可業種」が記載されているか確認
  • 都道府県の建設業者検索サイトで、業者名や代表者名から確認
  • 契約前に「建設業許可通知書」または「許可証明書」のコピーを提出してもらう

特に注意が必要なのは、許可業種と実際の業種が合っているかです。
たとえば「建築工事業」の許可は持っていても、「電気工事業」は含まれていないケースもあります。


■ まとめ|小さな外注でも“許可の確認”を習慣に

建設業における外注は、限られた人手で現場を回すために必要不可欠です。
しかし、その相手が無許可業者であった場合、想定外のリスクが元請自身に跳ね返ってくる可能性があります。

「この人は信用できるから」「地元の付き合いだから」だけで判断せず、契約前の許可チェックを徹底することが大切です。

気になる点があれば、当事務所では建設業許可の確認・取得サポートを行っています。
外注管理でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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