【行政書士が解説】特定活動ビザとは?種類・就労・更新・申請書類の実務ポイント

【行政書士が解説】特定活動ビザの実務対応ガイド
特定活動ビザ(在留資格「特定活動」)は、法務大臣が個別に活動内容を指定する在留資格であり、制度上の柔軟性が高い反面、実務では誤解や判断ミスが起きやすい分野でもあります。
本記事では、行政書士としての現場経験をもとに、特定活動の代表的なパターン、注意点、申請書類のポイントを実務視点で解説します。
特定活動とは?
「特定活動」は入管法における在留資格の一つで、他の在留資格に該当しないケースで、個別に活動内容が指定されるものです。種類が非常に多く、活動内容や在留期間、就労可否もケースによって異なります。
代表的な特定活動の例
- 内定を得た留学生の就職準備(就職活動)
- 高度専門職卒業者の就職活動継続
- 医療滞在や介護目的での滞在
- 外交官・公用関係者の家族滞在
- ワーキングホリデー
- 出国準備期間(退去強制回避措置)
- 外国人配偶者との離婚後に子の養育を行うケース
特定活動ビザの実務的注意点
1. 「特定活動」の範囲は法務省告示に依存
申請にあたっては、法務省の「告示特定活動」か、「告示外」の裁量的特定活動かを確認する必要があります。告示対象であれば内容が明確ですが、告示外は判断や審査が非常に厳しくなります。
2. 同じ「特定活動」でも在留カードの記載は異なる
例:「特定活動(46号)」や「特定活動(出国準備)」など、番号や補足の表記が在留カード上に表示されます。企業側が雇用を検討する際には、就労可能かどうかも含めて十分に確認が必要です。
3. 再入国・更新の可否は活動内容に左右される
活動内容によっては更新・変更が認められないこともあります。たとえば「出国準備期間」での更新や「就職活動用」の特定活動は、期間延長が制限されているため注意が必要です。
申請時のポイントと必要書類
特定活動ビザの申請には、以下のような書類を準備します(活動内容により変動)。
- 在留資格変更許可申請書 または 在留期間更新許可申請書
- パスポート、在留カード
- 活動内容を証明する資料(例:就職活動なら大学卒業証明、内定通知書など)
- 滞在予定の住居に関する資料(賃貸契約書など)
- 理由書(自由様式・説得力重視)
- 身元保証書・住民票など(活動内容による)
※活動内容ごとに要求される書類や審査方針が異なるため、事前に行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
よくある相談と対応事例
- Q. 離婚したフィリピン人女性が「特定活動」で子どもを養育中。在留期間を延長できる?
A. 実際の養育実態が継続している場合、再度「特定活動(子の養育)」で更新が可能なことがあります。家庭訪問や学校証明が必要となることも。 - Q. 留学生が内定後に「特定活動(就職活動)」になったが、就職前に在留期限が切れそう。どうすれば?
A. 内定先が確定していれば、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請が可能。迅速な準備と申請が必要。
まとめ
「特定活動」は自由度が高い一方で、制度の正確な理解と的確な資料準備が求められる在留資格です。
行政書士としての実務経験から申し上げると、特定活動に関するトラブルの多くは「制度への理解不足」や「不十分な資料提出」に起因しています。
不安を感じたら、在留資格に詳しい行政書士へ早めにご相談ください。