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相続・遺言手続きサポートセンター

相続の残高証明書はいつの残高で取る?銀行へ依頼する前の確認点

通帳と書類のそばに、白紙の卓上カレンダーと虫眼鏡を置いたイラスト

相続の残高証明書は、「いつ書類を発行してもらうか」より先に、何のために、何日現在の残高を証明してもらうかを決めることが大切です。相続税の確認に使うなら、相続開始日(通常は亡くなった日)の残高が基礎になります。一方、いま残っている金額や入出金の経緯を知りたい場合は、別の基準日や取引履歴も必要になることがあります。

この記事は、故人の銀行口座が分かり、残高証明書をこれから依頼する方に向けた案内です。必要な日付・対象口座・請求する人を整理し、銀行への問い合わせで確認したい項目を紹介します。すべての相続で一律に取得が義務付けられる書類、という意味ではありません。

制度・取扱いの確認日:2026年9月29日

基準日・申込日・発行日を分けて考える

残高証明書を頼むときには、次の三つの日付を区別します。

  • 証明の基準日:何日現在の残高を証明してもらうか。
  • 申込日:銀行へ発行を依頼する日。
  • 発行日:銀行が証明書を作成・発行した日。

例えば「9月1日に亡くなった方について、10月5日に申し込み、10月10日に発行された、9月1日現在の残高証明書」という組合せが考えられます。これは日付の違いを説明する架空の例であり、発行にかかる日数を示すものではありません。

発行日が新しくても、証明の基準日が目的と違えば取り直しの原因になります。依頼書の日付欄が「申込日」か「証明年月日」かを確かめ、迷ったら記入前に銀行へ確認しましょう。

ゆうちょ銀行の残高証明書の案内も、希望する証明年月日の残高を証明する書面と説明しています。いつまで遡れるか、申込当日を指定できるかなどの条件は、金融機関へ確認してください。

使う目的に合わせて、必要な残高を確認する

相続税の確認・申告の資料に使う場合

国税庁は、預貯金を課税時期の残高と一定の利息を基に評価する取扱いを示しています。相続税の資料を集める場合は、現在残高だけを取り寄せるのではなく、相続開始日の残高を確認します。国税庁「財産評価基本通達203・預貯金の評価」

定期預金などでは、その時点までの利息を確認する資料が必要になることもあります。銀行へ証明の範囲を、税理士へ申告の要否や評価に必要な資料を確認してください。残高証明書の金額だけで、ご自身の相続税額が決まるわけではありません。

財産の把握や、分け方を話し合う資料に使う場合

故人が残した預貯金を把握する資料と、現時点で口座に残っている金額を確認する資料では、見ている時点が異なります。死亡後に引落しや入金があれば、金額が違うことも考えられます。

いつ、どのような入出金があったかを確かめたいときは、残高証明書だけでなく、必要な期間の取引履歴も銀行へ相談します。死亡当日の入出金を含め、金額の差だけを見て財産の帰属や税務上の扱いを断定しないでください。使途や分配をめぐる争いは弁護士、税務判断は税理士へ相談する範囲です。

複数の銀行の金額を一覧にするときも、基準日の違う残高を説明なしに並べないことが大切です。取得した資料の整理方法は、遺産目録の作り方で紹介しています。

相続人の一人でも依頼できる?解約とは分けて確認

残高証明書の発行を、相続人等の一人から依頼できる銀行があります。例えば、りそな銀行は、相続権利者のいずれか一人からの依頼で発行すると案内しています。ただし、請求する資格を示す書類などの条件があります。りそな銀行「相続預金の残高証明書の発行」

銀行へは「相続の解約手続き」だけでなく、「まず残高証明書を取得したい」と目的を伝えましょう。証明書の発行と、預金の解約・払戻しは別です。証明書を受け取れたことを理由に、一人で自由に解約や分配までできると判断しないでください。

遺言執行者や代理人として請求する場合も、権限を示す資料、委任状、本人が対応する部分を、その銀行の案内で確認します。

依頼する前に、銀行へ聞いておきたい六つのこと

  1. 証明の基準日:使用目的を伝え、希望する日付を指定できるか。
  2. 対象となる取引:普通預金だけか、定期預金や他支店の口座も含められるか。利息の証明を別に頼む必要があるか。
  3. 請求できる人と書類:死亡・相続関係・本人を確認する資料は何か。代理の場合の条件は何か。
  4. 申込方法:来店予約が必要か。郵送等で依頼できるか。どの窓口が担当するか。
  5. 費用と受取方法:証明日・通数・対象口座によって手数料が変わるか。受取りまでの見込みと受取先はどうなるか。
  6. 提出する原本の扱い:戸籍等の原本は返却されるか。他行へ提出する予定がある場合、いつ手元に戻るか。

必要書類は、銀行名だけでなく、頼む手続きによっても異なります。例えば三井住友銀行の残高証明書等の発行案内には、請求者の資格を示す資料や実印、所定の発行時期を満たす印鑑登録証明書などが示されています。解約用の一覧を、そのまま証明書発行用と考えないようにしましょう。三井住友銀行「相続預金の残高証明書等を発行したい」

銀行が死亡の事実を把握した後は、入出金などの取扱いが制限される場合があります。残高証明書の相談とあわせて、継続する引落しへの対応も確認してください。三菱UFJ銀行は、証明書の発行依頼に先立つ相続発生の連絡を案内しています。三菱UFJ銀行「相続に関するよくあるご質問」

問い合わせ時に伝える内容の例

家族が亡くなり、相続の資料として残高証明書を取得したいと考えています。希望する基準日は○年○月○日です。私は故人の○○に当たります。分かっているのは○○支店の口座です。ほかの預金を含む証明の範囲、必要書類、費用、受取方法を教えてください。

これは問い合わせ内容の説明例です。相続税用ならその目的も伝え、税理士から必要な資料を指定されている場合は、その案内を手元に置いて確認します。銀行や相談先の一般的な問い合わせフォームへ、暗証番号やパスワードを書く必要はありません。

届いたら、金額の前に日付・名義・範囲を確かめる

証明書が届いたら、最初に故人の名義、基準日、銀行・支店・対象口座を確認します。予定した定期預金や別支店の口座が載っていない場合は、対象外なのか、別の証明が必要なのかを銀行へ問い合わせます。

通帳と金額が違うときは、最終記帳日、証明の基準日、入出金の記録を照合します。証明書へ自分で金額を書き足したり、理由を確認しないまま「この金額を分ければよい」と決めたりせず、銀行の説明と関係資料を残しておきましょう。

銀行名、基準日、請求日、受領日、未確認事項を一枚のメモにしておくと、複数行の状況を整理できます。これは進行管理のためのメモであり、銀行の証明書に代わるものではありません。

通帳がない、昔の相続という場合はどうする?

通帳が見つからなくても、まず銀行へ確認する

通帳がないだけで、残高証明書を依頼できないと決まるわけではありません。ゆうちょ銀行は、相続を理由とする場合、通帳等がなくても受付できると案内しています。記号番号が不明な場合は、貯金の調査も必要になることがあります。ほかの銀行でも同じとは限らないため、心当たりのある取引先へ確認します。ゆうちょ銀行の発行条件

取引していた銀行自体が分からない場合は、故人の取引銀行を調べる方法をご覧ください。

亡くなってから長い期間が経っている場合

希望する過去の日付で発行できるかは、銀行へ先に確認します。例えばSBI新生銀行は、逝去日が10年以上前の場合、直近の基準日による発行となる取扱いを案内しています。これは同銀行の条件であり、全行共通の期限ではありません。SBI新生銀行「亡くなった日付での残高証明書」

希望する日付の証明が取れないときは、取得できた資料と銀行の回答を整理し、提出先や税理士等に代わりとなる資料を相談してください。現在残高を、当時の残高として書き換えて使うことはできません。

自分で進めるか、書類整理から依頼するか

取引先や請求者が明らかで、銀行の案内に沿って書類を用意できる場合は、ご自身で発行を依頼する方法があります。一方、複数行の条件が違う、戸籍が不足している、調査と解約のどこまで頼むか迷う場合は、作業を分けて相談すると進めやすくなります。

YellZealでは、判明している取引先と調査が必要な金融機関の整理、金融機関ごとの必要書類の確認、依頼範囲に応じた預貯金等の相続手続きの支援をご案内しています。代理できる範囲や本人の対応は銀行ごとに確認します。財産調査と解約・払戻し等は別の業務として、作業と費用を事前に整理します。預貯金等の相続手続きのサポート

ご相談時は、亡くなった方との関係、分かっている銀行名、証明書を使う目的、すでに取得した資料、銀行から受けた案内を、分かる範囲でお知らせください。最初の問い合わせで資料をすべてそろえる必要はありません。

個別の相続税相談・申告は税理士、相続人間の争いや交渉は弁護士の担当分野です。必要書類の全体像は預貯金の相続手続きに必要な書類、ご依頼前の確認は料金案内とご相談の流れをご覧ください。

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