麻雀店の営業許可で不許可となるレイアウトとは?【行政書士が解説】

麻雀店の営業許可に関する説明をするスーツ姿の若い女性イラスト
麻雀店の営業許可で「通らないレイアウト」とは?

麻雀店の営業許可で「通らないレイアウト」とは?

麻雀店(雀荘)を営業するためには、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」に基づく風俗営業許可(4号営業)が必要です。しかし、この申請において最も厳しく審査されるのが「店舗レイアウト」です。特に、見通しの確保や構造要件に反していると、営業許可は下りません。

この記事では、麻雀店の開業を目指す方向けに「どんなレイアウトが通らないのか」、その代表例と改善ポイントを詳しく解説します。


■ レイアウトNGの典型パターン

1. 見通しを妨げる壁・パーテーションの設置

風営法では「客室の見通しが確保されていること」が義務です。以下のような構造はNG:

  • 個室のように仕切られている
  • 高さ1m以上の間仕切りがある
  • のれん・カーテン・すだれ等で遮っている

これに違反すると、賭博行為などの違法行為が行われる懸念があるため、不許可の対象になります。

2. 客室と受付が分断されている

風営法では「管理者が常に客室を把握できること」が求められます。受付と客室の間に壁がある、または完全に別部屋になっているレイアウトは不適合になることがあります。


■ レイアウトが原因で不許可になる実例

ケース①:2部屋を借りて店舗として使おうとした

マンションの2室(201号室と202号室)を同一フロアで借りて、ひとつを受付、もうひとつを客室としたところ、「構造上一体でないため不許可」と判断された例があります。

ケース②:個室貸切麻雀

卓ごとに間仕切りを設け、プライバシーを確保した内装にした店舗。客に隔離空間を与える構造が問題視され、「見通しが確保されない」として許可が下りませんでした。


■ 許可を取得しやすいレイアウトの基本要件

  • 入口から客室全体が見渡せる
  • 間仕切りの高さは1m未満
  • 照明は十分で暗がりがない
  • 外から内部がある程度確認できる
  • 店員の動線が明確で、常に客室を把握できる

警察の風営担当は、レイアウト図面だけでなく、現地確認時に「レイアウト通りに施工されているか」も詳細にチェックします。


■ 図面の注意点:CADだけでは足りないことも

図面は、店舗の構造、窓やドアの位置、各部屋の寸法、設備の配置などを正確に記載し、縮尺も明記します。とくに注意すべきは:

  • 窓やドアの「可動範囲」も示す
  • 客室と受付の視認性を意識した設計
  • 複数用途スペースは用途を明記(例:倉庫、待合、トイレ)

手書きや曖昧な図面では、「確認不可能」とされる可能性があるため、専門家のサポートを受けることが望ましいです。


■ 麻雀店許可の申請前にチェックすべきこと

  1. 店舗物件は契約前に「用途地域」を調べる(住居専用地域はNG)
  2. 近隣に学校・病院・図書館などがないか(許可に影響)
  3. 構造変更が必要な場合、オーナーの承諾が取れるか
  4. 店員や管理者の選任・身分証明書の取得
  5. 建築確認済証・消防検査済証など必要書類の準備

これらを確認せずに物件を契約してしまうと、「そもそも営業できない」という事態になりかねません。


■ 行政書士によるサポートが有効な理由

麻雀店の風俗営業許可は、一般的な飲食営業や会社設立よりも格段にハードルが高く、手続きの専門性も高い分野です。許可を確実に取るためには、以下のサポートが有効です:

  • 用途地域や規制の事前調査
  • 許可が取れるかどうかの物件診断
  • 風営法に適合した図面作成・施工アドバイス
  • 所轄警察との事前協議の代行
  • 申請書類の作成・提出代行

「図面を描いたがダメだった」「店舗は完成しているのに許可が下りない」など、後戻りできない失敗を避けるためにも、最初から専門家を入れて進めるのが成功のカギです。


■ まとめ

麻雀店の営業許可を取得するには、レイアウトの設計段階から「風営法を意識した構造」にすることが不可欠です。特に見通し・照明・客室と受付の配置には厳しい基準が設けられており、「一般的な内装工事の感覚」で進めると、後に不許可の通知を受けることになります。

物件選びから内装の設計、許可申請に至るまで、慎重に段階を踏んで、失敗のない開業を目指しましょう。

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