【完全ガイド】共有名義のまま放置された不動産の落とし穴と解決方法
はじめに
相続で不動産を共有名義にしたまま、誰も利用せず放置している——そんなケースが全国で増えています。
一見問題なさそうに見える共有不動産ですが、実は「将来の大きな火種」になる可能性が非常に高いのです。
この記事では、共有名義のまま不動産を放置したことによるトラブルの実例や、回避のために取るべき具体的な対応策を詳しく解説します。
なぜ「共有名義」が問題なのか?
🔻 共有名義とは?
相続や贈与などにより、1つの不動産を複数人で所有する状態を指します。名義人の持ち分は登記簿に記載されますが、実際の利用や管理については何も決められていないケースが多く、これがトラブルの元になります。
🔻 放置のリスクは想像以上
- 誰も管理しないため荒れ果てていく
- 固定資産税は納付されず、延滞が続く
- 他の共有者が亡くなり、権利関係がさらに複雑化
- 売却・解体・修繕すら全員の合意が必要
実際にあったトラブル事例
事例①:売りたいのに「1人が反対」で売却できず
兄弟3人で相続した空き家。売却を希望する2人に対し、1人は「思い出があるから」と反対。結果、10年間空き家のままで維持費だけがかさみ、誰も住まないまま老朽化。
事例②:知らない間に「権利関係が複雑」に…
父が亡くなり、兄妹で共有名義に。しかし妹は10年以上前に海外移住し連絡がつかず、兄も亡くなったことで甥姪が法定相続人に。10人以上が共有者となってしまい、誰も何も決められない状態に。
よくあるQ&A
Q1.「放置していても、いつか話し合えばいいのでは?」
A:それでは遅すぎます。放置すればするほど、共有者が増え、合意形成が困難になります。10年後には売却不可能ということも十分あり得ます。
Q2.「名義は共有でも、実際は1人が管理している。それでも問題?」
A:法的には「共有者全員の合意」がなければ売却や建替えはできません。たとえ1人が税金を払い続けても、他の人の承諾なしでは何も決められません。
放置しないために「今できること」
- 1. 利用・管理方法を取り決める(合意書)
修繕や賃貸に関する方針を文書化しておくことで、無用なトラブルを避けられます。 - 2. 持ち分をまとめる(放棄・贈与・売買)
信頼できる1人に権利を集約することで、スムーズな活用が可能に。 - 3. 共有物分割請求を検討(裁判所手続)
合意が困難な場合は、裁判所での換価分割や価格賠償などの手段があります。
行政書士からのアドバイス
共有不動産は、“時限爆弾”のような存在です。
いまは何も問題が起きていなくても、10年後、20年後には大きな法的トラブルへ発展することがあります。「とりあえず共有にしておこう」という考えが、将来的な売却不能や相続人間の対立につながるのです。
不動産を放置する前に、一度専門家に相談することで、将来の安心を手に入れましょう。
まとめ|共有名義の不動産は“放置しない”が鉄則
- ✅ 共有名義は、全員の合意がなければ何もできない
- ✅ 放置すれば権利者が増え、手がつけられなくなる
- ✅ 今こそ「解決の第一歩」を踏み出すタイミング
📞 ご相談はエールZEAL行政書士事務所へ
「このままで大丈夫か不安」「共有者と話し合いたいけど難しい」
そんなお悩みがある方は、まずはお気軽にご相談ください。