【やさしく解説】相続手続きって何から始める？知っておきたい基本と注意点

相続はある日突然やってくる「人生の節目」。
「何から始めればいいのか分からない」「専門家に相談すべきか迷っている」という声を多く聞きます。

この記事では、相続手続きの基本的な流れと、実際によくある相談事例、失敗しがちなポイントを行政書士の視点からやさしく解説します。

1．そもそも相続手続きとは？

相続手続きとは、亡くなった方の財産や権利・義務を、相続人が引き継ぐために行う手続きのことです。

• 遺言書の有無の確認
• 相続人の確定（戸籍収集）
• 相続財産の調査（不動産・預貯金・株式など）
• 遺産分割協議
• 相続登記（不動産の名義変更）
• 銀行口座の名義変更・解約
• 相続税の申告（場合による）

2．【事例】預金口座が凍結されて引き出せない…

相談者：50代 女性（埼玉県）

「父が急逝し、母がすぐに生活費を引き出そうとしたら、銀行で『相続手続きが必要』と止められてしまいました。生活費も払えず困りました。」

銀行口座は、死亡届が出ると凍結され、相続手続きが完了するまで基本的に出金できません。
相続人全員の同意が必要になるため、遺産分割協議書の作成や印鑑証明書の提出が求められます。

3．【Q&A】よくある質問に答えます！

Q1. 相続登記はいつまでにすればいいの？
A. 2024年4月から、相続登記は義務化されました。
亡くなったことを知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料の対象になります。

Q2. 相続人が話し合いに応じてくれない場合は？
A. 協議がまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申し立てる方法があります。
専門家を交えて進めると、冷静かつ公平に話が進みやすくなります。

Q3. 借金があることが分かったら、どうすればいい？
A. 相続放棄が可能です。家庭裁判所に相続開始から3か月以内に申し立てましょう。
ただし、一部でも財産を使ってしまうと放棄できないこともあるため注意が必要です。

4．ポイントまとめ

• 相続登記は2024年から義務化
• 銀行口座はすぐには引き出せない
• 相続放棄・限定承認は3か月以内が目安
• 遺言書があるかどうかの確認が最初のステップ
• 話し合いができない場合は家庭裁判所の調停も選択肢

5．まとめ｜相続は“早めの準備”がカギ

相続の手続きは、突然やってきて、しかも多岐にわたります。
気持ちの整理もつかない中で、戸籍収集や銀行対応、登記や税申告を並行して行うのは非常に大変です。

専門家に相談することで、「何からすべきか」→「何を準備すればいいか」が明確になり、余計なトラブルも防げます。