受入れ後の支援

特定技能外国人の退職・転職が決まったときに確認すべき手続きと支援

特定技能外国人の退職・転職時に、企業の届出、本人の手続、転職支援、住居・契約の整理、情報の引継ぎを分けて確認します。

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机の持ち物を箱に整理する人
この記事の目次

特定技能外国人の退職・転職が決まったときは、雇用契約の終了だけでなく、在留手続、企業の届出、必要な支援、住居や生活契約の整理を同時に進めます。会社、本人、登録支援機関で担当が異なるため、ひとまとめに「退職手続済み」と管理すると抜けが生じます。

特に、受入れ側の都合等により雇用契約を解除する場合には、状況に応じた転職支援が問題になります。一方、転職先を探す支援と、職業紹介事業の許可等に基づく紹介は同じではありません。支援機関が当然に人材紹介を行えると考えず、適法な範囲と手続きを確認してください。

退職理由・決定日・最終勤務日を分けて整理する

まず、本人の意思、会社の判断、雇用契約の内容を整理し、事実を正確に確認します。自己都合、会社の人員整理、契約期間の満了、病気等の事情を一律に扱うことはできません。本人の責めに帰すべき事由によらない契約解除に当たるか等によって、必要な支援を検討します。

社内の記録では、退職について合意や決定に至った日、契約終了日、最終勤務日、住居退去予定日を分けます。特定技能の受入れ困難に関する届出等は、実際に退職した日だけを起点にしてよいとは限らないため、原因となる事由が生じた時点から必要な手続を確認することが重要です。

言語の問題で退職理由や条件が誤って理解されることもあります。本人が十分理解できる方法で説明し、署名だけをもって事情を把握したとしないようにします。退職を巡る紛争や解雇の適法性は、在留手続・登録支援とは別に、必要な専門家へ相談する事項です。

企業と本人の届出を別々に確認する

手続の区分 主な確認者 注意すること
特定技能の雇用・受入れに関する届出 特定技能所属機関 契約終了・受入れ困難等の該当事由と期限
所属する契約機関の届出 外国人本人 契約終了・新契約等の本人届出
外国人雇用状況の届出等 事業主 雇用保険等の手続と対象・期限を確認
転職先での在留手続 本人と新しい受入れ企業 新勤務先で活動するための許可等を確認

本人の所属機関に関する届出では、対象となる変更から14日以内の手続が案内されています。会社がハローワークへ雇用状況を届け出たからといって、本人の入管への届出が済むわけではありません。登録支援機関が資料を準備する場合も、届出者と提出を行う者の資格・権限を確認します。

新しい会社で同じ分野の仕事に就く場合でも、在留カードに特定技能と書かれているだけで自由に勤務先を変えられると判断しないでください。受入れ機関の変更に必要な在留資格変更許可申請等を確認し、許可前の就労を当然に認める説明は避けます。

職場で使っていた私物を整理した箱

必要な転職支援の内容を整理する

公式の支援案内には、受入れ側の都合により契約を解除する場合の転職先情報の提供、推薦状の作成、求職活動のための有給休暇、必要な行政手続の情報提供などが示されています。本人の技能水準、希望、言語、就労可能な活動を踏まえて、適切な職業相談等につながる補助を行います。

登録支援機関への委託の有無にかかわらず、受入れ企業として必要な対応を確認します。会社の経営状況が悪化している場合は、支援の実施体制自体が維持できなくなる可能性もあるため、早めに相談・調整する必要があります。退職日まで待ってから支援を始めると、住居や在留期間の問題が重なることがあります。

支援機関の登録は職業紹介許可を兼ねるものではありません。実際の求人紹介やあっせんがどの範囲に当たるかを確認し、必要な許可等を持つ機関、ハローワーク等の公的な職業相談へつなぎます。紹介先や採用を保証する説明、本人に不適切な費用負担を求める仕組みは避けてください。

住居・生活契約の終了を急がせない

社宅の場合は、利用規程と賃貸借契約を確認し、退去日、鍵、荷物、原状回復、残った費用を整理します。退職したからといって、説明なく住居を使えなくしたり、本人の荷物や旅券等を留め置いたりしてはいけません。次の住まいが必要なら、本人の希望と状況に応じた支援を検討します。

銀行口座、携帯電話、電気・ガス・水道等は、本人契約と会社契約を分けます。転職して日本で生活を続ける人に、すべて解約するよう案内すると不都合が生じます。転居、帰国、会社貸与品の返却など、実際の予定に合った手続を確認してください。

最終給与、未精算の実費、税・社会保険等の扱いも関係します。会社が本人の代理として何でも決めず、担当部署が必要な説明を行います。支援担当者は理解を補助できますが、労務・税務・紛争に関する専門判断を当然に受託していると考えないことが大切です。

引継ぎは本人の情報を必要な範囲で

新しい受入れ企業や支援機関へ情報を引き継ぐ場合、何を何の目的で渡すかを整理します。在留手続や支援の継続に必要な情報と、本人が私的に相談した内容を同じファイルで丸ごと渡さないようにします。本人への説明、個人情報の取扱い、適切な共有方法を確認します。

引継ぎ表には、在留期限、必要な手続の進行状況、未完了の生活手続、重要な支援予定、連絡先などをまとめます。ただし本人の意思に反して次の勤務先の情報を無制限に集めたり、退職を妨げる目的で情報提供を求めたりすることは避けます。

説明用の架空例として、月末退職で翌月から別の企業に移る予定でも、新しい在留手続が終わっていないケースがあります。新旧の会社と本人で就労開始の条件を確認し、生活と支援の空白が生じないよう調整する必要があります。雇用契約の開始日だけを見て初日から働かせないことが重要です。

移動の準備をした荷物と駅のホーム

国内転職と帰国で、支援の段取りを分ける

退職が決まった段階で、次の予定が国内での転職なのか、帰国なのか、まだ未定なのかを本人に確認します。本人の希望が変わることもあるため、最初の回答を確定事項として扱わず、重要な日程が決まったときに更新します。会社が住居を借りている場合は、住居を離れる日と雇用終了日が一致するか、本人が移動先を確保できているかを確認します。

国内で転職する場合は、新しい職場へ移るための在留手続と、旧勤務先で必要な届出を混同しないことが大切です。新しい会社が決まったから翌日から自由に働けるとは限りません。本人の在留資格と活動、特定技能での受入れ先変更に必要な手続を確認し、旧会社の担当者が許可の見込みを断定しないようにします。旧会社から渡す資料の内容と交付予定を明確にしてください。

帰国する場合は、出国日、住居、荷物、未払の費用、口座や通信契約などの確認が必要になります。ただし、すべてを会社が本人に代わって解約できるとは限りません。本人が行うこと、支援を受けて行うこと、契約事業者へ確認することを分けます。空港への送迎等についても、支援計画と実際の日程を合わせて調整します。

終了時の確認票に載せる項目

退職日、最終出勤日、給与の支払予定、必要書類の交付、会社の貸与物、住居の退去、今後の連絡方法を一枚の確認票にまとめると、別々の担当者から矛盾した説明をすることを防げます。費用の精算に疑問がある場合は、根拠を説明し、本人が確認できる時間を設けます。給与等からの控除や違約金の扱いは、契約書に書いたことだけで適法と判断しないでください。

会社と登録支援機関の契約終了や請求に関する調整は、本人への必要な支援が途切れる理由にしないことが重要です。どの時点まで誰が対応するのか、未解決事項を誰へ引き継ぐのかを整理します。本人との最後の連絡では、渡した資料と残っている手続を確認し、会社の都合で「すべて完了」と扱わないようにします。

退職の理由を聞く場合も、採用改善に使う振り返りと、必要な手続の確認を分けます。本人が理由を詳しく話さないことを理由に、書類の交付や通常の精算を止める運用は適切ではありません。相談や紛争がある場合は、事実の記録を保ち、状況に合った専門窓口へつなぎます。

会社が作る退職時の進行表

  • 退職の事情と決定日、契約終了日、最終勤務日を記録する。
  • 入管・雇用関係の届出ごとに提出者、期限、必要資料を分ける。
  • 転職支援の要否と実施担当を確認し、本人へ説明する。
  • 社宅・生活契約・会社貸与品の対応を、本人の今後の予定に合わせる。
  • 提出や引継ぎの完了を、控え・受付記録・受領連絡で確認する。

退職によって、支援委託契約の対象人数や費用が変わることもあります。精算日、支援の終了日、本人への対応を別々に確認し、契約費用の終了だけを理由に必要な支援が途切れないよう調整します。残す記録と削除すべき情報の扱いは、法令上の保存義務と運営規程に従ってください。

退職や転職が見込まれる場合は、日付が決まる前でも登録支援サービスで必要な確認を整理できます。支援機関の変更が重なるときは変更相談も併せてご確認ください。職業紹介が必要な場合は、当該業務を適法に行える機関との連携範囲を確認してください。

自社の状況に合わせて、次の準備を。

依頼範囲、会社側の準備、費用を関連サービスで確認できます。

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