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この記事の目次
特定技能1号と2号は、数字が進めば自動的に切り替わる制度ではありません。対象となる業務、求められる技能・経験、在留の扱い、家族、支援計画の有無が異なります。企業が長期雇用を考える場合は、本人が働く分野で2号への道があるか、その要件を満たせるかを早い段階から確認してください。
1号での勤続年数が長い、現場で頼られている、会社が継続雇用を希望しているというだけで、2号の許可が得られるわけではありません。実際の職務と経験を制度上の要件に照らし、必要な試験や証明を準備します。
技能の水準と対象業務を確認する
特定技能1号は、一定の知識や経験を必要とする技能を要する業務を対象とし、2号は熟練した技能を要する業務を対象とします。この違いを、単に一般社員と管理職の違いとして理解しないことが大切です。分野によって求められる試験や実務経験、その証明方法が異なります。
会社は、本人が日々担当している業務、指導や工程管理に関わる経験、担当期間などを把握し、分野所管省庁の要件と比較します。役職名を付けただけでは、必要な経験を積んだことの証明にはなりません。実際の仕事と記録が一致していることを確認してください。対象分野や運用は改正されるため、過去の分野数を固定して判断せず、最新の分野別案内を参照します。
| 確認事項 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能 | 一定の知識・経験を要する技能 | 熟練した技能。分野別の試験・経験を確認 |
| 通算在留 | 原則5年。例外の適用は個別確認 | 同様の通算上限はなく、更新が必要 |
| 家族 | 帯同は原則不可 | 配偶者・子について家族滞在を検討可能 |
| 支援 | 1号支援計画に基づく支援が必要 | 1号支援計画の義務的支援の対象外 |
在留期間は「一回の許可」と「通算」を分ける
1号の在留は原則として通算の上限があり、2号は在留期間の更新を受けながら継続する仕組みです。一回の許可で与えられる期間と、通算して在留できる期間は別の概念です。会社の管理表には、現在の在留期限だけでなく、1号として活動した経過を確認する情報も整理しておきましょう。
個別の通算期間の計算や例外的な取扱いは、休業や過去の在留状況等により確認が必要になる場合があります。本記事だけで残り期間を算定せず、本人の在留歴と最新の公式案内を照合してください。2号についても、更新を申請せず期限を越えてよいという意味ではありません。継続雇用には在留期限の管理が引き続き必要です。

家族に関する希望は別の手続として考える
1号では家族帯同が原則として認められず、2号では要件を満たす配偶者や子について「家族滞在」の在留資格を検討できます。ただし、2号に変わったら家族が自動的に入国できるわけではありません。家族の身分関係、扶養、住居などを確認し、家族側の申請が必要です。
本人に家族を呼び寄せたい希望がある場合、会社は制度の可能性を説明する一方、許可を約束しないことが重要です。家族が来ると住居、教育、生活費、地域の手続などが変わるため、本人が計画を立てられる情報を案内します。会社がどこまで相談に協力するか、専門家へ依頼する業務と費用をどう扱うかも整理してください。
1号の支援計画と2号の雇用管理を区別する
特定技能1号では、支援計画に基づく生活・就労等の支援が必要です。2号は、この1号支援計画に基づく義務的支援の対象ではありません。ただし、外国人社員としての雇用管理、労働条件の説明、安全教育、相談への対応が不要になるわけではありません。会社の雇用主としての役割は継続します。
2号へ移行する場合は、現在の支援委託契約がどう終了・変更するかを確認します。許可の見込みだけで1号の支援を先に止めることは避けてください。移行後も任意の生活相談などを依頼する場合は、1号の義務的支援と分けて、業務範囲、料金、契約主体を明確にします。
試験と実務経験から逆算して準備する
| 項目 | 確認する資料・情報 |
|---|---|
| 対象業務 | 最新の分野別要件と本人の職務 |
| 試験 | 試験実施機関の案内、申込時期、合格証明 |
| 経験 | 必要な期間・内容と、会社が証明できる記録 |
| 在留 | 現在の期限、過去の在留歴、申請時期 |
| 雇用 | 移行後の職務、責任、給与、勤務地 |
試験は会社の都合に合わせて随時受けられるとは限りません。実施日、受験資格、申込方法を確認し、本人が準備に使える時間を考えます。実務経験の証明では、後から記憶だけで職務を再現するより、担当業務や期間を日常の記録に残しておくことが有効です。必要な要件を満たさない段階で証明書を作成しないでください。

会社の育成計画を制度と結び付ける
長期雇用を考えるなら、本人の希望と会社の育成計画を話し合います。どの仕事を経験するか、誰が指導するか、どの時点で習得を確認するかを具体化してください。必要な経験を積むためであっても、現在の在留資格で認められない業務に従事させることはできません。配置と在留資格の関係を確認しながら計画します。
評価の基準も共有します。試験合格に向けた学習と、会社内での昇給・昇進は関連する場合がありますが、同じものではありません。会社が支援できる学習費用、勤務調整、実務指導などを具体的に伝え、本人が何を期待できるかを明確にしましょう。「頑張ればずっと働ける」という曖昧な約束は避けます。
期限が迫る前に移行の可否を見直す
試験日程や必要経験が予定に合わないときは、在留期限の直前まで様子を見るのではなく、利用できる手続と今後の選択肢を確認します。特定技能2号への移行準備に関する特定活動の案内等がある場合でも、対象となる条件を満たす必要があります。誰でも自動的に準備期間を延長できる制度と受け取らないでください。
移行が難しいと判断された場合にも、本人の希望、現在の活動、他の在留資格の可能性、帰国等を含めて適切な時期に相談します。企業の人員計画だけを優先せず、本人の生活と手続の期限を踏まえることが大切です。会社が説明できる事実と専門的な判断が必要な事項を分けて進めましょう。
移行後の社内情報を更新する
必要な許可が得られたら、在留期限、許可された活動、雇用条件、社内台帳、支援契約を更新します。現場責任者には、担当業務や役割の変更がある場合に具体的な内容を共有してください。家族の手続を進める場合は、本人の在留資格変更とは別に管理し、会社が取得する個人情報も必要な範囲に限定します。
経験を証明する記録を日常業務に残す
2号を検討する際に必要な経験は、分野ごとの条件を確認する必要があります。会社では、担当した業務、期間、担当する人や工程、責任の範囲がわかる記録を残しておくと、後から事実を整理しやすくなります。証明のためだけに後付けで役職を作るのではなく、現場で実際に行っている仕事を正確に把握してください。
配置が変わった場合は、どの経験が継続し、どの経験が終了したかを記録します。本人にも、会社がどのような技能を評価しているかを説明します。日常の評価と制度上の要件を照合することで、学習だけでは補えない経験の不足を早めに見つけられます。
1号の支援契約を終了する前の確認
2号の申請を予定した段階で、1号の支援委託を終了する日を確定しないようにします。申請、許可、実際の契約変更にはそれぞれの時点があります。現契約の解約予告や精算条件を確認し、必要な支援が続く期間と整合するよう調整してください。本人にも、どの時点で窓口やサービスが変わるかを説明します。
移行後に任意の相談支援を続ける場合は、月額等の名称だけ変えて従来契約を継続するのではなく、依頼する業務と料金を改めて整理します。会社の雇用管理と、本人の生活相談の窓口をどのように確保するかを決めると、制度上の義務の変化がそのまま支援の断絶になることを防げます。
長期雇用の説明は制度と会社方針を分ける
2号で更新を受けられる仕組みと、会社が将来にわたり雇用を保証することは別です。本人には、在留の制度、現在の雇用契約、社内の昇進・評価方針を区別して説明します。将来の勤務地や役割が未定であれば、確定した約束のように伝えないようにしてください。
家族帯同を希望する場合も、制度上の可能性と本人の生活設計を分けて確認します。住居、扶養、教育等の情報を整理し、必要な専門的手続は別に案内します。長く働くという目標を具体化するには、在留資格の名前だけでなく、本人が希望する生活と会社が提供できる仕事の条件を定期的に話し合うことが役立ちます。
1号の通算期間は原則5年で、2号には同様の通算上限はありません。ただし、1号の通算計算には公式に案内されている例外的な取扱いがあるため、会社の勤続年数だけで残り期間を計算しないでください。過去の所属先での在留や休業等も含め、本人の履歴を整理します。一回の許可期間の表示は最新の許可内容で確認し、古い説明資料の年数をそのまま採用計画へ当てはめないことが重要です。
特定技能の受入れサポートでは、本人の現状と予定業務に応じて確認事項を整理します。1号の継続支援は登録支援サービス、申請と支援の費用は料金・支援範囲をご覧ください。移行の相談は、現在の分野・期限・職務を添えて相談フォームからお知らせください。
