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この記事の目次
特定技能1号の定期面談は、勤怠や仕事ぶりを評価する人事面談とは目的が違います。支援責任者等が本人とその上司等に面談し、生活・就労上の問題や法令違反の有無を把握する支援です。原則となる頻度は3か月に1回以上で、問題があれば次回の面談を待たずに対応します。
定期届出が年1回になったことと、面談の頻度は区別してください。企業は面談のための時間と連絡体制を確保し、支援機関は本人が話せる環境を整えます。「支援機関へ委託しているので会社は何もしない」「年1回書類を出せばよい」という運用にしないことが重要です。
面談の対象と、聞く目的を明確にする
本人との面談では、契約どおりの仕事・報酬・時間か、生活に支障がないか、相談したいことがないかなどを確認します。上司等との面談では、勤務実態、職場環境、会社として把握している問題や改善状況を確認します。一方の説明だけで結論を出さず、必要に応じて事実を確認します。
本人と上司を同席させて全項目を一度に聞くと、賃金や人間関係の問題を話しにくくなる場合があります。誰をどの場で面談するかは運用要領と支援計画に沿って決め、本人の発言が直接の上司にそのまま伝わることを前提にしない方法を検討します。会社の評価面談と兼ねる場合も、支援面談として必要な独立性や確認事項を失わないよう注意します。
質問は、答えを誘導しない形にします。「残業は問題ありませんね」ではなく、「今月は何時ごろ帰っていますか」「休憩はいつ取れていますか」のように聞くと実態を把握しやすくなります。本人の日本語の返事だけで理解や同意を推測せず、必要な言語で確認してください。
日程・場所・言語を先に決める
繁忙期、夜勤、休暇、複数拠点の勤務を踏まえ、対象者ごとに面談予定を管理します。直前の調整だけでは、一人だけ面談が抜けたり、欠勤者の振替が忘れられたりすることがあります。年間の予定表に、実施日だけでなく未実施者と再設定期限を残すと管理しやすくなります。
面談場所は、周囲に会話が聞こえないか、上司や同僚に内容を見られないかを確認します。通訳が入る場合は役割、守秘、関係性を確認し、本人がその通訳者には話しにくい事情がないかも配慮します。職場の同僚が二言語を話せるという理由だけで、苦情を含む面談を任せられると決めないことが大切です。
面談の方法には最新の運用要領による条件があります。オンラインを使えるかは、本人の意向、十分な意思疎通、プライバシー、確認できる内容等を含め、現在の要領を確認して判断します。単なるチャットのやり取りやアンケートの提出だけで定期面談の実施に代えられるとは考えないでください。

会社が準備する資料は事実確認に役立つ範囲で
| 資料・情報 | 確認できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 勤務表・勤怠 | 実際の労働時間、休憩、休日、勤務場所 | 予定表だけで実績を判断しない |
| 給与・控除の説明 | 契約と支給内容の関係 | 不要な個人情報まで共有しない |
| 業務・配属の変更 | 申請内容との違い、支援への影響 | 変更日と実際の作業を整理する |
| 前回の改善事項 | 約束した対応が実施されたか | 完了とした根拠を残す |
全資料を毎回一括で渡せばよいというものではありません。面談で必要となる確認を支援担当者と調整し、閲覧できる人や保存方法を決めます。病歴、家族事情、本人の私的な通信等は、目的もなく広く収集する対象にしないでください。
「相談がない」を問題がない証拠にしない
入社したばかりで制度がわからない人は、何が相談できる問題か判断できない場合があります。給与明細の項目を理解していない、社宅の契約書を持っていない、休日に病院へ行く手段がないといった状況は、本人から自発的に申告されないこともあります。身近な場面を挙げて確認することが役立ちます。
また、本人が上司に遠慮している、契約更新に影響すると思っている、通訳者との関係に不安がある場合もあります。面談の目的、記録の扱い、会社に伝える範囲、外部機関への通報が必要になる場合を説明し、話したことで不利益を受ける仕組みにしないことが大切です。
本人の説明と会社の記録が異なる場合は、すぐにどちらかの誤りと決めません。質問の意味、対象期間、言葉の理解、勤怠入力の方法などを確認します。問題を確認する過程で会社と本人の間に争いが生じる場合は、登録支援と紛争の代理対応を混同せず、適切な相談先につなげる必要があります。
面談後は、改善の担当と期限を決める
説明用の架空例として、本人が「休憩中も機械の呼出しに対応している」と話し、勤務表では休憩が記録されているケースを考えます。記録に休憩時間があることだけを理由に終了せず、現場の実態を確認します。会社が業務配置や休憩の運用を見直し、必要な労務上の対応を判断し、支援担当者が本人に結果を伝える流れが考えられます。
面談報告には、確認した事実、必要な対応、担当、回答期限、再確認日を残します。「注意した」「様子を見る」だけでは、次回に改善を検証しにくくなります。会社が対応する項目と、本人への情報提供・専門機関への相談を支援担当者が行う項目を分けると、対応の漏れを防げます。
法令違反等を把握した場合は、状況に応じて必要な行政機関への通報等を行います。会社の承諾があるまで問題を外部へ伝えないという約束を、支援契約で一律に設けることは適切ではありません。本人保護と法令上の対応を優先すべき場面を、企業側も理解しておく必要があります。

年1回の定期届出とのつながり
現行の定期届出は、4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を、翌年5月31日までに提出する仕組みです。締切日が土日祝日の場合の扱いも公式案内を確認します。全部委託の場合、登録支援機関は必要な支援実施資料を企業へ提供し、特定技能所属機関が提出します。
したがって、日々の面談記録を年1回まとめて初めて確認するのでは遅くなります。面談時に記録を整え、途中で支援機関が変更になった場合も、対象期間内の資料がつながるように引き継ぎます。届出に添付する資料と社内に保存する記録は、最新の提出資料一覧に従って区別してください。
オンライン面談を選ぶときの具体的な確認
現行の運用要領別冊では、外国人本人と監督する立場の人が同意している場合に、互いの表情等を確認しながら会話できるオンライン会議システムやテレビ電話等を使う面談が可能とされています。古い新型コロナ関連の案内には異なる説明が残ることがあるため、現行の別冊に沿って確認します。本人の同意は支援計画書の該当欄と署名等、公式に示された方法で確認してください。
オンライン面談の結果、業務内容・待遇・保護に関する問題や、第三者による面談への介入が疑われる場合は、改めて対面による面談を行う必要があります。
便利だから会社が一方的にオンラインに決めるのではなく、本人が内容と方法を理解して選べることが重要です。通信が途切れる、画面が見えない、通訳との会話が成り立たない場合には、予定どおり実施したことにせず、別の方法や再設定を検討します。顔が映っていても、上司がすぐ近くにいて話せない環境なら、場所の調整が必要です。
実施前には、必要な機器、通信、音声、通訳の参加方法、本人が一人で話せる場所を確認します。録画を標準にする必要はなく、記録方法と個人情報の扱いを決めてください。担当者が映像を見た印象だけで生活状況を判断するのではなく、質問、必要な資料、本人の説明を合わせて確認します。
面談の未実施を管理する
欠勤や通信不良等で実施できなかった人は、未実施の理由と再設定日を記録します。対象者の一覧に実施日を入力するだけでなく、上司等との面談も対応しているか確認します。複数拠点をまとめて管理する場合は、企業の総人数だけで実施率を算出せず、個々の対象者の抜けを見つけられる一覧にします。
前回の面談以降に住居や勤務場所、相談担当が変わった人は、今回の確認内容に反映します。本人が支援担当者の交代を知らないまま面談日を迎えないよう、担当者の役割と連絡方法を改めて説明してください。面談を記録の作成日だけで管理せず、実際の実施とその後の対応につなげます。
企業が今できる準備
- 対象者ごとの前回面談日と次回予定日を一覧にする。
- 本人と上司等の面談時間を、勤務調整の担当者へ知らせる。
- 使用言語、通訳、場所、方法を支援担当者と確認する。
- 前回の未解決事項と、その後変わった業務・住居・勤務条件をまとめる。
- 面談後の改善結果を、いつ誰が本人に伝えるか決める。
面談を継続して実施できる体制については登録支援サービス、現在の委託先との実施方法や報告を見直したい場合は登録支援機関の変更相談をご確認ください。一般的な面談の要件と、当事務所で受託する具体的な方法・頻度・費用は相談時に区別してご案内します。
