技能実習ビザ申請サポート
技能実習制度は、日本で技能や技術を学び、母国へ帰って産業発展に役立てることを目的とした在留資格制度です。ここでは制度概要から申請手続き、注意点や事例、不許可対策まで詳しく解説します。
1. 制度の目的と概要
技能実習制度は、途上国の発展支援として、日本での技術移転を通じて帰国後の産業振興を図ることを目的としています。制度には以下の3段階があり、最長最⻑5年の在留が可能です:
- 技能実習1号(1年間)
- 技能実習2号(+2年間)
- 技能実習3号(+2年間)
支援主体:受入企業と登録支援機関。監督:出入国在留管理庁。
2. 対象職種・業種
対象職種は製造、建設、農業、介護など多岐にわたり、2025年時点で約70職種が指定されています。
- 溶接・金属プレス加工
- 府庫製造・縫製
- 介護(実習開始から特定技能への移行狙い)
- 製造機械加工
- 農業・漁業関連など
3. 申請要件
(1)実習計画の承認
実習実施者(企業等)や支援機関が「技能実習計画」を出入国在留管理庁に届け出、承認を得ることが前提です。
(2)職種・実習先の適合性
職種は業種別リストに含まれる必要があり、実習先は一定規模・実習体制が整っている必要があります。
(3)本人の要件
- 年齢:18歳以上(未成年は要注意)
- 犯罪歴の有無
- 健康状態(健康診断書要)
- 署名・指紋の提出
4. 必要書類
申請者本人
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 履歴書・写真(縦4㎝×3㎝)
- パスポート・出入国記録票コピー
- 健康診断書(日本語翻訳付き)
- 婚姻・出生証明書など (必要な場合)
受入企業(実習実施者)
- 実習実施者台帳
- 登記事項証明書・定款のコピー
- 過去3年分の決算書・税務申告書
- 実習開始前調整書・受入計画書
- 住居提供や安全衛生管理体制の書類
登録支援機関(外部支援委託の場合)
- 支援計画書
- 登録支援機関の登録証明書
- 支援委託契約書
5. 申請の流れ
- 実習計画の作成・申請
実習実施者等が「技能実習計画」を入管へ届け出、承認を得ます。 - 受入調整
実習生候補と仮契約・コーディネート。 - 必要書類の準備
本人・企業・支援機関で揃える。 - 在留資格認定証明書申請(入管へ)
- 日本大使館等での査証取得
- 来日・入国後手続き
入国、健康診断、住民登録等。 - 入国後の支援
オリエンテーション、日本語講習、安全教育など。 - 技能実習開始
- 更新申請
1号→2号→3号に繋げる場合、期間毎に更新手続き。
6. 更新・監理体制
技能実習1号から2・3号へ進むには、それぞれの要件を満たし、更新申請が必要です。特に監理組合や支援機関による支援体制の実績が問われます。
7. 不許可ケースと対策
申請段階の不許可要因
- 実習計画に不備(曖昧な実習内容・教育体制不足)
- 受入企業の財務基盤不安定
- 実習生の犯罪歴や虚偽記載
在留中のトラブル
- 未届(住居変更や実習場所の変更)
- 実習目的以外の就労・技能移転の逸脱
- 監理規程違反(支援計画未実施・連絡不備)
→ 対策:しっかりした計画書作成、企業の実績可視化、定期的な記録・報告体制構築。
8. 具体的事例紹介
事例1:製造業での継続実習
東南アジア出身Aさん。溶接工として1号からスタート、技能習得後2号・3号運用開始。監理組合の日本語講座や安全教育の支援が評価され3年継続。
事例2:介護業界から特定技能移行
Bさん(フィリピン出身)。介護1号を修了後、日本での介護特定技能への移行を目標に、介護技能評価試験を準備中。
9. よくある質問(Q&A)
A: 可能ですが、在留資格変更手続きが必要です。特定技能や研修制度などに切り替える場合、所定の申請書類と資格要件を満たす必要があります。
A: 技能実習1号から2号へは原則として帰国不要ですが、次の更新(3号以降)の際にも実習実施者や監理団体の審査が必要です。
A: 代替機関への移動申請が必要になります。支援体制の整っている監理組合や支援機構のサポートが重要です。
10. 注意点・リスク対策
- 実習計画の実行・記録の徹底(教育記録、出勤管理など)
- 安全衛生教育の実施証明を提出できる体制維持
- 定期訪問・報告の整備(監理団体or支援機関が書類保管)
- 虚偽申請や書類の虚偽記載は厳禁。
- トラブル時には専門家に速やかに相談。
まとめ
技能実習制度は日本と母国の産業発展を支える重要な制度です。企業側・実習生側・監理機関側がしっかり連携し、制度の趣旨に沿った実習を行うことで、トラブルを防ぎ、技能習得・キャリア形成が円滑に進みます。当事務所は実習計画の届出から制度運用、トラブル対応までトータルサポートいたします。