
開業準備は、営業内容、営業者、店舗資料、図面、関係窓口、開始日を一つの計画として整理すると進めやすくなります。許可や届出の名前だけを先に選ばず、どのような接客をし、何時まで営業し、どの設備を使うかから確認してください。
この記事のチェックリストは、風俗営業1号、4号の麻雀店、深夜酒類提供飲食店営業届出、店舗図面の準備を整理するためのものです。全項目にチェックを付ければ許可や営業可能性が保証されるというものではありません。自店の営業内容と所在地に沿って、未確認の項目を把握するために使います。
最初に営業内容を整理する
- 客の接待をするか、具体的にどのような接客を行うか
- 営業時間は何時から何時までか
- 酒類を提供するか、通常の食事の提供方法はどうするか
- カラオケやイベントは何をどう行うか
- 麻雀設備を使わせる営業なら、利用方法、指導・管理、料金をどうするか
- 客席の区画、照明、扉などの設備はどうするか
店名がスナックやバーであっても、実態が接待を伴うなら1号営業の確認が必要です。深夜営業の届出は接待の許可の代わりにはなりません。麻雀の名称が健康麻雀やノーレートでも、名称だけで許可の要否を断定しないでください。
イベントや遊興等を行う計画がある場合は、制度の区別を確認します。当事務所の対応業務へ、そのまま他の営業区分が追加されるという意味ではありません。対応できる範囲と他の窓口・専門家への確認を分けて整理します。
営業者と管理者を決める
個人が営業するのか、会社が営業するのかを決めます。会社設立を予定するなら、誰が代表者となり、役員は誰で、いつ登記情報が確定するかを把握します。個人名義で準備した資料を、会社名へ書き換えれば全て使えるとは限りません。
風俗営業許可では管理者の選任も確認します。店舗で業務をまとめて管理する人の勤務と必要な資料を整理し、名前だけの選任にしないでください。法人の役員と管理者が同じ人でも、それぞれの立場に関する確認が必要です。
既存店を引き継ぐなら、現在の許可・届出の営業者と新しい営業者を区別します。設備や店名が同じでも前の許可がそのまま使えるとは限りません。法人成り、譲渡、相続、合併、分割などの事情を具体的に伝えます。
店舗契約と使用資料を確認する
- 店舗の住所、建物名、階・区画が特定できるか
- 契約者と予定する営業者が一致しているか
- 所有者、貸主、借主の関係を説明できるか
- 予定する営業用途と営業時間を貸主へ説明しているか
- 内装、設備、看板、転貸、名義変更の条件を確認したか
- 賃貸借契約書の特約・別紙と、必要な承諾資料があるか
これらと別に、所在地に関する基準、用途地域、条例上の条件等を確認します。貸主の承諾があることと、法令上の基準に適合することは別です。他県の基準を埼玉県へそのまま当てはめたり、以前営業していた店舗だから新しい営業者も問題ないと決めつけたりしないでください。
図面と工事を同じ計画にする
| 準備項目 | 確認すること | 未確認なら |
|---|---|---|
| 平面図 | 客室、出入口、各室、設備の位置 | 既存図面の確認又は現況測定 |
| 寸法・面積 | 営業所と客室の範囲、計算の根拠 | 資料と実測を照合 |
| 見通し | 仕切り、家具、段差の影響 | 高さと営業時の状態を確認 |
| 照明 | 器具、調光、通常の点灯、照度 | 仕様と適用される測定方法を確認 |
| 麻雀設備 | 卓の区分、数、配置、営業方法 | 購入前に仕様を整理 |
| 周囲の資料 | 営業所位置と必要な施設等の関係 | 最新の情報を確認 |
施工前の計画図と完成後の現況図は分けて管理します。椅子の位置を変える、壁を追加する、照明を減らすなどの変更があれば、申請担当者へ知らせます。図面作成を行政書士へ依頼した場合でも、建築・消防の設計・確認と施工の担当は別に整理してください。

窓口ごとの手続きを区別する
風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業届出は、店舗所在地を管轄する警察署が窓口になります。飲食物を提供する場合は保健所の飲食店営業許可等を別に確認します。消防・建築の条件、税務、雇用、法人登記なども、店舗と経営主体に応じて関係します。
熊谷市、東松山市、川越市などの店舗では、市名だけでなく正確な所在地から窓口を確認します。警察署への確認が済んでも、保健所や消防の確認が終わったことにはなりません。窓口、相談日、回答内容、次に準備する資料を記録すると、関係者へ共有しやすくなります。
開始日から逆算する
風俗営業の許可申請では、資料収集、図面、書類作成、提出、審査・補正・現地確認を踏まえて開業日を検討します。提出日と許可日を同じものとして予定を立てないでください。行政の標準処理期間は、資料集めや工事も含めた開業準備全体の日数ではありません。
深夜酒類提供飲食店営業の開始届出は、営業開始前の法定時期を確認します。営業開始の少なくとも10日前に届け出ることを踏まえ、書類を揃える期間も確保してください。ただし、10日前に書類作りを始めれば必ず間に合うという意味ではありません。
開業日を動かせない事情がある場合は、広告の告知日、内装引渡し日、採用日、賃料発生日も整理します。必要な許可や届出が整わないまま、プレオープンなら営業してよいと判断しないでください。実際に行う営業内容に沿って、開始できる状態を確認します。
予算と追加作業を見える形にする
行政書士報酬、行政手数料、証明書費、交通・郵送費、追加図面、内装工事などを分けて予算に入れます。掲載基本料金の「〜」だけを全て込みの総額と捉えないでください。依頼者が行う作業と行政書士へ依頼する作業を決め、見積りで確認します。
当事務所の基本料金は税込で1号220,000円〜、麻雀店187,000円〜、深夜届出143,000円〜、図面のみ88,000円〜です。基本料金に含む作業や追加費用の条件は依頼範囲とあわせて確認するため、個別案件の総額の約束ではありません。料金の条件は料金案内と正式な見積りで確認します。
開業後の管理も準備する
許可や届出の控えと図面を保管し、従業者名簿、接客従業者の確認、管理者の業務、営業時間、照明・設備の維持を確認します。役員、住所、店名、管理者、内装を変えるときは、必要な承認・届出を忘れない仕組みを作ります。
開業準備中に決めた営業方法は、従業者にも具体的に共有します。経営者は接待をしないつもりでも、従業者の接客が変わると実態も変わり得ます。営業ルールを紙や共有資料で示し、変更する際には手続きの確認へ戻る運用にします。
説明用の架空例:チェックが三か所空欄の店舗
Oさんの店舗では、貸主の承諾、照明の仕様、管理者の資料が未確認だとします。空欄を無理に「済み」にせず、それぞれ確認する相手と予定日を決めます。図面担当者へは照明の未確定部分を伝え、開業日も確認の進み具合に応じて検討します。この例は未確認事項の管理を示す架空例です。
未確認の項目を管理する欄を作る
チェックリストには「済み」「準備中」「未確認」の欄を用意します。未確認の項目には、確認する相手、必要な資料、予定日も書きます。誰かが調べているはずという状態を減らし、営業者自身が開業準備の全体を把握できる形にしてください。
例えば、貸主の承諾は管理会社へ照会中、照明の型番は施工者から受取待ち、管理者の住民票は本人が取得予定というように、状態を具体的に残します。確認前の情報を図面や申請書へ確定事項として入れず、後から照合する項目を明示します。
関係窓口への相談結果も、相談日、窓口、質問した内容、対象とした図面の版を記録します。古い案に対する回答を、変更後の計画へそのまま使わないことが重要です。電話で聞いた内容は、自分の質問の前提と回答の範囲を確認して記録してください。
開業日の前に最後に照合すること
許可又は届出の状態、実際の営業者、店舗の完成状態、図面との一致、営業方法、従業者への共有を確認します。行政書士が書類を完成させた後に内装が変わっていれば、最後の確認にその変更も含めます。メニュー、営業時間の表示、客への案内も実際の営業内容と揃えます。
証明書と図面が全て揃っていることだけで、営業開始の条件が整ったとは限りません。風俗営業許可の交付前か、深夜届出の必要な提出時期を満たすか、別の許可・確認が残るかを分けて確認します。不明点が残るときは、開業の告知を優先して推測で済ませないでください。
このチェックリストを使って、申請資料、施工計画、現地の状態の三つを揃えます。書類と現況が一致し、営業者と従業者が予定する営業方法を理解していることが、開業後の手続き管理にもつながります。
詳しくは賃貸店舗の申請資料、図面の種類、行政書士へ依頼する流れをご覧ください。開業準備の進め方を相談するから、未定や不明の項目も含めて現在の状況をお知らせいただけます。
参考資料・確認日
情報確認日:2026年10月3日。法令上の説明と、資料整理・進め方に関する実務上の提案を分けて記載しています。個別店舗は現行の様式と管轄窓口で確認してください。
- e-Gov|風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律:第2条・第3条・第24条・第33条・第36条:営業区分と許可・管理・届出・名簿
- e-Gov|風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則:第103条:深夜開始日の10日前までの届出
- 埼玉県警察|風俗営業等に関する申請手続:許可資料、手数料、所在地の警察署窓口
- 埼玉県|すでに食品営業をしている方へ:保健所の別手続き
- エールZEAL|風俗営業許可・深夜営業の業務・料金:掲載されている4業務の基本報酬を照合
関連する記事
- 風俗営業許可に必要な図面|種類・役割・内装図との違い
- 賃貸店舗の申請資料|契約書・使用承諾書・転貸の確認事項
- 行政書士へ依頼する流れ|相談前の資料と許可・届出の進め方