【2026年最新】永住申請の収入要件が変わる?10月からの新基準を行政書士が解説

「永住申請には年収いくら必要ですか?」
永住許可のご相談で、非常によく聞かれる質問の一つです。
これまでの永住許可に関するガイドラインでは、具体的に「年収○万円以上」という金額は定められていませんでした。
ところが2026年8月、出入国在留管理庁から「永住許可に関するガイドライン」の改定案が公表され、収入についてこれまでより具体的な考え方が示されました。
改定案では、原則として、申請者の属する世帯の年収が、「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」に継続して達しているかを考慮するとされています。
さらに、法務大臣の2026年8月4日の記者会見では、ガイドライン全体は2027年4月1日からの運用を予定している一方、収入に関する部分については2026年10月1日から適用を開始する方針が示されています。
永住申請を検討している方にとって、非常に重要な変更となる可能性があります。
【重要】
この記事は2026年8月27日時点で公表されている「永住許可に関するガイドライン改定案」および法務省の公表内容をもとに解説しています。現在はパブリックコメント手続中であり、最終的な内容が変更される可能性があります。
現在の永住申請に「年収○万円」という明確な基準はある?
まず、現行の永住許可に関するガイドラインでは、「年収300万円以上」「400万円以上」などの具体的な金額は定められていません。
法律上は、永住許可の要件の一つとして、「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」が求められています。
現在のガイドラインでは、日常生活において公共の負担にならず、資産や技能などから将来にわたって安定した生活が見込まれることが必要とされています。
そのため、実際の永住審査では、単純な年収額だけではなく、家族構成、扶養人数、継続的な収入の有無、職業、納税状況などを含めて総合的に判断されます。
改定案では「日本人世帯の平均収入を上回る水準」へ
今回公表された改定案では、独立生計要件について、従来より具体的な判断基準が示されています。
改定案では、原則として申請時点において、申請者の属する世帯年収が、
「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」
に継続して達しているかを考慮要素とするとされています。
重要なのは、単純に申請者本人の年収だけを見る仕組みではなく、原則として同一生計世帯単位で審査するという点です。
結局、永住申請には年収いくら必要になる?
ここが最も気になるところだと思います。
しかし、2026年8月27日時点では、具体的に「年収○万円以上」という基準額は公表されていません。
そのため、「今後は年収500万円必要」「600万円なければ永住できない」などと断定することはできません。
改定案に記載されているのは、あくまで世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準という考え方です。
どの統計を用いて、具体的にいくらを基準とするのかについては、現時点の公表資料だけではわかりません。
インターネット上では具体的な金額を予想する情報もありますが、永住申請という重要な手続である以上、公表されていない金額を「基準額」として扱うべきではありません。
本人だけでなく「世帯年収」で判断される
改定案では、世帯年収についても具体的な考え方が示されています。
基本的には、住居と家計を共にしている同一生計世帯について、申請者本人の年収と、一定の世帯構成員の年収を合算して判断するとされています。
たとえば、夫婦ともに就労資格を持ち、それぞれ安定した収入を得ている場合には、世帯としての収入が考慮されることになります。
一方で、注意が必要なのが「家族滞在」などの在留資格で資格外活動をして得ている収入です。
改定案では、就労を目的とした在留資格ではない者が資格外活動によって得た収入については、原則として世帯年収への合算対象としない考え方が示されています。
そのため、
- 夫:技術・人文知識・国際業務
- 妻:家族滞在+資格外活動でアルバイト
といったケースでは、妻のアルバイト収入をそのまま世帯年収に加えて考えられるとは限りません。
海外に住んでいる扶養親族も世帯人数に入る可能性
さらに注意したいのが、海外にいる扶養親族です。
改定案では、申請者が扶養している親族がいる場合、その親族が海外に住んでいて同居していなくても、世帯人数に加算するとされています。
つまり、海外の両親や子どもなどを扶養している場合には、永住申請の収入審査に影響する可能性があります。
単に「日本で一緒に暮らしている人数」だけで判断されるわけではない点には注意が必要です。
2026年10月1日より前に申請すれば旧基準になる?
ここは今回の改定で特に重要な部分です。
法務大臣は、収入に関する考慮要素について、2026年10月1日から適用を開始する方針を示しています。
さらに、2026年10月1日より前に申請していれば必ず従来の取扱いになる、というわけではありません。
法務省の説明では、改定日の6か月前の日以降に申請され、かつ改定日時点で申請中の案件にも、収入に関する新しい考え方を適用するとされています。
改定日が予定どおり2026年10月1日となる場合、2026年4月1日以降に申請し、10月1日時点でも審査中である永住申請について、新しい収入基準が適用される可能性があります。
したがって、単純に「9月までに永住申請を出せば大丈夫」と考えることはできません。
すでに永住申請中の方も確認が必要
今回の変更は、これから永住申請をする方だけの問題ではありません。
現在すでに永住申請をしていて審査中の方にも影響する可能性があります。
特に2026年4月1日以降に申請を行った方については、最終的なガイドラインがどのような内容で確定するのかを確認する必要があります。
ただし、2026年8月27日時点では改定案の段階ですので、最終的な運用については今後の正式発表を確認する必要があります。
収入だけで永住許可・不許可が決まるわけではない
今回「収入要件」が注目されていますが、永住審査は収入だけで決まるものではありません。
- 日本での在留期間
- 現在の在留資格・在留期間
- 素行
- 住民税などの納税状況
- 年金の加入・納付状況
- 健康保険料の納付状況
- 入管法上の届出義務
- 収入や資産、生活の安定性
など、複数の事情が審査されます。
今回の改定案では、さらに将来の年金受給見込額、日本語能力などについても新しい考慮要素が示されています。
そのため、今後の永住申請では、これまで以上に申請前の段階で自分がどの要件を満たしているのか確認することが重要になると考えられます。
「年収が低い=必ず不許可」と決まったわけではない
ここも誤解しないようにしてください。
改定案では「考慮要素」として収入水準が示されており、永住許可は個々の事情を総合的に考慮して判断されます。
したがって、現時点で公表されていない具体的な金額を基準にして、「この年収なら絶対に許可」「この年収以下なら絶対に不許可」と判断することはできません。
家族構成や在留歴、勤務状況、資産状況などによって判断は異なる可能性があります。
今から永住申請を考えている方が確認しておきたいこと
永住申請を予定している方は、今回の改定を理由に慌てて申請するのではなく、まず現在の状況を整理しておきましょう。
- 現在の本人・世帯の収入はいくらか
- 収入が継続して安定しているか
- 扶養している家族は何人いるか
- 海外の扶養親族がいるか
- 配偶者の収入を合算できる在留資格か
- 住民税・年金・健康保険料を適正に納付しているか
- 現在の在留期間は何年か
このあたりを事前に確認することで、永住申請を行う時期について判断しやすくなります。
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今後永住申請を検討している方は、収入と在留期間の両方を確認しておくことをおすすめします。
埼玉県で永住申請をご検討の方へ
エールZEAL国際行政書士事務所では、埼玉県比企郡滑川町を拠点に、永住許可申請をはじめ、外国人の在留資格に関する手続きを取り扱っています。
滑川町、東松山市、嵐山町、小川町、熊谷市、川越市、坂戸市、鶴ヶ島市など、埼玉県内で永住申請をご検討の方からのご相談にも対応しております。
「現在の年収で永住申請を検討できるのか」「家族の収入は合算できるのか」「すでに永住申請中だが今回の変更の影響を受けるのか」など、永住許可についてご不明な点がある場合には、個別の在留状況を確認することが重要です。
まとめ
2026年8月に公表された永住許可ガイドライン改定案では、永住申請の収入について大きな変更が示されています。
- 世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準が考慮される
- 原則として同一生計世帯単位で判断される
- 家族滞在などの資格外活動収入は原則として合算対象にならない
- 海外の扶養親族も世帯人数に加算される可能性がある
- 収入に関する部分は2026年10月1日から適用する方針が示されている
- 一定の申請中案件にも適用される方針が示されている
- 具体的な年収基準額は現時点では公表されていない
特に重要なのは、「年収○万円あれば永住できる」という単純な制度ではないという点です。
また、今回公表されているものは2026年8月27日時点では改定案です。今後、パブリックコメントを経て内容が変更される可能性があります。
実際に永住申請を行う場合は、必ず申請時点の最新のガイドラインと取扱いをご確認ください。
※本記事は2026年8月27日時点の出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(案)」および法務省公表情報をもとに作成しています。記事掲載後に制度・運用が変更される可能性があります。
行政書士:吉田雄介 埼玉県行政書士会登録番号 第22130594号
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