
「色恋営業」の規制とは?風営法改正で禁止される行為と店舗の確認点
なぜ「色恋営業」が法改正の対象になったのか
ホストクラブなどの接待飲食営業で、客の好意や判断力の低下につけ込み、不当な飲食代の負担や売春等につなげる問題に対応するため、規制が追加されました。
対象は店舗の呼び名だけで決まらず、接待をして客に遊興・飲食をさせる営業かどうかで判断します。「色恋営業」という言葉だけで、あらゆる親しい会話が一律に禁止されたわけではありません。
2025年6月施行の風営法改正の内容
2025年6月28日施行の改正で、接待飲食営業者の遵守事項(風営法第18条の3)として、次の行為が規制されました。
- 料金について事実と違う説明や、客を誤認させる説明をすること
- 客の恋愛感情等と相手も同じ気持ちだという誤信を知りながら利用し、注文しなければ関係が破綻する、従業者の降格等を避けるには注文が不可欠だと告げ、困惑させて遊興・飲食をさせること
- 注文等の意思表示の前に遊興・飲食を提供し、客を困惑させて利用・飲食をさせること等
これらは指示や営業停止・許可取消などの行政処分に関わる規定です。
別に、第22条の2は、注文や料金支払等をさせる目的で客を威迫して困惑させる行為や、威迫・誘惑して支払資金を得るための売春・特定の性風俗業務・AV出演等を要求する行為を禁止しています。この違反は6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、またはその両方の対象です。違反の種類と処分の要件を分けて確認してください。
色恋営業とは具体的にどんなものか?
法律上の判断では、「色恋営業」という呼び名ではなく、客の感情・誤信、従業者側の認識、具体的な言動、困惑と注文の関係を確認します。第18条の3第2号については、次の点が重要です:
- 客が恋愛感情などの好意を抱き、従業者も同様の感情を持っていると誤信しているか
- 従業者側がその状態を知り、それに乗じているか
- 注文等をしないと関係が破綻する、又は従業者の降格等を避けるには注文等が不可欠だと告げているか
- その言動で客を困惑させ、遊興・飲食をさせているか
「来てくれてうれしい」と伝えることやSNSで連絡することだけで、この規定の違反と決まるわけではありません。一連の言動と、法定の要件に照らして判断します。
ホストクラブ・キャバクラなどへの影響
接待飲食営業では、料金説明、注文の確認、支払時の対応まで従業者間で共有する必要があります。次の点を確認しましょう:
- 客からの苦情を受けたら、料金説明・注文・支払対応の事実を整理する
- 従業員の教育不足により、無自覚に違法営業に該当してしまう
- 違反内容によっては行政処分や、新たな許可申請時の不許可事由に関わる
事業者側には、従業員への教育体制の整備と、営業方針の見直しが急務となっています。
合法な接客との線引きは?
接待そのものが全面禁止されたわけではありませんが、必要な許可を受け、その営業に適用される規制を守ることが前提です。接客を見直す際は、次の点を確認します:
- 丁寧な言葉遣い・気配り・笑顔などによる接客
- 誕生日等の企画でも、料金を説明し、提供前に注文等の意思を確認する
- 注文内容に沿った適切な提案
好意を示す言葉だけを切り取るのではなく、上記の誤信の利用や、注文・支払をさせるための威迫等がないかを確認することが大切です。
事業者が今すぐ行うべき対応
- 接客マニュアルの見直しと従業員教育の強化
- 料金表示の明確化とトラブル時の記録保存
- 店舗運営ポリシーの整備と説明責任の履行
また、新たな許可取得や営業内容の変更を予定している店舗は、行政書士など専門家のサポートを受けて対応内容を明確にしておくと安心です。
まとめ|風営法改正は業界の信頼向上の第一歩
今回の法改正は、一部の悪質な営業を排除し、接待飲食業界全体の健全化を目的としたものです。
適切な運営を行う店舗にとっては、むしろ信頼を高める機会となります。
色恋営業に頼らずとも、お客様に愛されるお店づくりが今後の課題です。
制度の確認:警察庁・改正法施行通達/現行の解釈運用基準(2026年9月確認)
ご相談の前に、各種許認可の料金をご確認ください。