
在留資格取消制度とは?対象になる場合と対応の流れ
在留期間が残っていても、法律で定める事由に該当すると、在留資格の取消しが問題になることがあります。ただし、退職・退学・別居をしただけで、自動的に在留資格が取り消されるわけではありません。
取消しには、入管法第22条の4に定める事由の確認と手続きが必要です。原則として事前に意見を述べる機会があり、取消しは通知書の送達によって行われます。
この記事では、取消しが問題になる主な場面、活動していない期間の考え方、通知を受けたときの対応を整理します。
■ 在留資格取消制度とは?
在留資格取消制度は、虚偽の申請や在留中の活動などについて、入管法第22条の4の事由に当たる場合に、在留資格を取り消す制度です。
どの在留資格で、どのような活動をしているかが重要です。活動していない期間だけでなく、病気や具体的な再就職活動などの事情も確認します。
■ 取り消し対象となる主なケース(入管法第22条の4)
【1】虚偽の内容で申請した場合
- 就労先を偽ってビザを申請した
- 結婚実態がないのに配偶者ビザを取得
【2】在留資格に応じた活動を一定期間していない
- 「技術・人文知識・国際業務」や「留学」で、本来の活動を継続して3か月以上していない場合。
- 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のうち配偶者として在留する人が、その活動を継続して6か月以上していない場合。
いずれも、活動していないことに正当な理由がある場合は、この事由による取消しの対象となりません。子としてこれらの資格で在留する人に、配偶者の6か月の規定をそのまま当てはめることはできません。
【3】本来の活動をせず、別の活動をしている場合
活動内容が定められた在留資格では、本来の活動をせず、他の活動を行う、または行おうとして在留することも、正当な理由がある場合を除き取消事由になります。3か月までは何をしてもよいという意味ではありません。
副業ができるかは、現在の在留資格、仕事の内容、資格外活動許可の有無・範囲を分けて確認します。業種名だけで一律に違反と決めることはできません。
■ 取り消されるとどうなる?
- 取消し後の取扱いは、取消事由などによって異なります。
- 直ちに退去強制手続きに進む場合と、30日を超えない範囲で出国の準備期間が指定される場合があります。
- 指定された期間内の自主的な出国は、通常の出国と同様に扱われます。取消しだけで、一律に5年間再入国できなくなるという説明は正確ではありません。
出国期限が指定された場合は、その期限と必要な手続きを必ず確認してください。
■ 状況別に確認したいポイント
● 退職後、次の仕事を探している
具体的な再就職活動は、正当な理由があるかの判断に関わります。応募・面接などの記録と、現在の生活状況を整理しましょう。
● 配偶者と別居している
別居だけで虚偽の婚姻とは判断できません。DVからの避難、子の養育のためのやむを得ない別居で生計を共にしている場合など、事情により正当な理由が認められることがあります。
● 留学中にアルバイトが中心になっている
通学状況と、許可された活動・勤務時間の範囲を確認しましょう。資格外活動の違反があるかという問題と、取消事由に当たるかという判断は、事実関係を分けて整理する必要があります。
■ 対策:取り消されないためにやるべきこと
- 就労・通学の実態をしっかり保つ
- 活動できていない場合は、経緯と裏付け資料を整理して相談する
- 住所や所属機関、配偶者関係の変更があったときは、自分の在留資格に必要な届出と期限を確認する
- パートナーとの別居期間が長引くなら、状況説明資料を整える
■ 取り消されそうなとき、どうすれば?
意見聴取の通知が届いたら、理由・日時・場所を確認してください。意見を述べ、証拠を提出し、資料の閲覧を求めることができます。正当な理由なく欠席すると、意見聴取を経ずに取消しが行われる場合があります。病気などで出頭できないときは、事前に通知元へ連絡しましょう。
取消し後は、在留資格の変更や在留期間の更新を申請することはできません。通知を受けた段階で、現在の状況と対応できる手続きを早めに確認してください。
在留手続きの書類準備は行政書士に、取消処分を争う対応や意見聴取の代理などは弁護士に相談するなど、必要な支援に応じて相談先を確認しましょう。
■ まとめ|取り消されないよう、正しい在留管理を
在留資格の取消しは、法定の事由と個別の事情、手続きに基づいて判断されます。
退職・退学・家族関係の変化があったときは、必要な届出、今後の活動、在留期限を確認しておきましょう。
不安な方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
参考:出入国在留管理庁「在留資格の取消し」、「出入国審査・在留審査Q&A」、「資格外活動許可について」。2026年9月17日確認。