
建設業の技能実習と特定技能を比較|受入れ手続き・費用・準備
技能実習は技能移転による国際協力、特定技能は人材確保を目的とする制度です。受入れの目的と要件を踏まえ、手続・費用項目・準備を整理します。技能実習を人手不足の調整手段として選ぶことはできません。
1. まずは結論(迷ったらここだけ)
- 即戦力がほしい → 特定技能(建設)月給制・同等賃金JACCCUS
- 技能移転を目的に計画的に実習 → 技能実習団体監理型は監理団体が必要計画運用
- 将来は技能実習→特定技能(建設)へ段階移行も可(要件あり)。
2. 「技能実習」と「特定技能(建設)」の違い(要点比較)
| 観点 | 技能実習 | 特定技能(建設) |
|---|---|---|
| 目的 | 人材育成(国際貢献) | 人材確保(即戦力) |
| 伴走 | 団体監理型は監理団体が必要。一定の海外関係企業等から受け入れる企業単独型もある | 1号は支援計画と支援実施が必要。基準を満たせば自社支援、または登録支援機関へ委託 |
| 賃金 | 日本人同等以上 | 日本人同等以上建設は月給制 |
| 建設の追加要件 | 対象職種・作業と技能実習計画の認定等を確認 | 1号は建設業許可・JAC加入・CCUS登録・受入計画認定・受入報告等を確認 |
| 向く会社 | 技能移転の目的に沿う実習体制がある | 本人の技能・業務内容と安定した雇用・支援体制が要件に合う |
3. 診断チェック:あなたの会社はどっち?
特定技能(建設)が向いているサイン
- 現場の稼働が逼迫しており、即戦力が必要
- 月給制・日本人同等以上の賃金を確保できる
- CCUS・JACの運用を社内で回せる(または委託可)
技能実習が向いているサイン
- 技能移転の目的に沿う実習計画と指導体制を用意できる
- 団体監理型・企業単独型それぞれの要件を確認している
- 実務教育やOJTの仕組みを作る意欲がある
4. 建設ならではの必須事項(JAC・CCUS・月給制)
以下の受入計画と支援に関するフローは、主に特定技能1号を対象とします。2号では建設特定技能受入計画の認定や1号支援計画の対象となる支援は不要ですが、JACへの加入や報酬の基準など、引き続き確認すべき要件があります。1号から2号へ移行した場合は、国土交通省のシステムで2号移行報告も必要です。
- 建設業許可:1号の受入計画では建設業法第3条の許可等が必要です。
- JAC(建設技能人材機構):正会員団体を通じた加入または賛助会員としての加入方法を確認。1号の受入負担金は、対象・区分・額を最新案内で確認します。
- CCUS:事業者登録は5年更新です。技能者登録と区別して管理し、1号の申請時・入国後それぞれの登録時期を最新手引きで確認します。海外在住者には入国後の技能者登録の取扱いがあります。
- 賃金:日本人と同等以上、かつ月給制が必須(特定技能・建設)。
- 受入計画の認定&受入報告:1号は認定、在留手続、就労開始後の報告を一連で管理。2号の手続と混同しないようにします。
※運用細則は随時見直しが入るため、申請直前の要件確認が安全です。
5. フロー(特定技能1号・技能実習)
特定技能1号(建設)
- 要件確認(職種・人数・勤務地・賃金〈月給〉)
- JAC加入・負担金手続/CCUS事業者・技能者登録
- 受入計画の認定(国交省所管)
- 入管(在留資格認定 or 変更)
- 就労開始→受入報告(CCUSID関連も忘れず)
- 運用・更新(配置変更や賃金改定は計画変更)
審査期間は申請内容・補正・時期によって変わります。受入計画と在留手続を並行できる範囲も含めて最新の手引きを確認し、就労開始日を保証する日数として扱わないでください。
技能実習
- 受入方式の確認(団体監理型は許可監理団体の選定。企業単独型は海外関係機関等の要件を確認)
- 技能実習計画の作成・認定(職種・作業・段階・評価試験等を確認)
- 在留手続・入国/講習→実習開始
- 評価・段階移行(将来は特定技能へ移行も)
育成就労制度は2027年4月1日に運用開始予定です。技能実習を続けられる経過措置は、計画認定申請日・開始日などの条件を確認してください。
6. 費用のめやす(初期・月額・更新)
特定技能1号(建設)
| 初期 | JACへの加入に伴う費用/CCUSの事業者・技能者登録費/申請を依頼する場合の報酬(各最新案内・見積で確認) |
|---|---|
| 月額 | 1号の受入負担金/支援を委託する場合の契約費用/人件費(月給・日本人と同等以上) |
| 更新 | 在留更新・計画変更対応費用など |
費用は、受入方式・加入方法・人数・契約内容に応じて積算します。支援を委託しない場合も、1号の支援実施義務や体制整備に必要な負担がなくなるわけではありません。
技能実習
| 初期 | 渡航・講習・計画認定等の費用、団体監理型の場合は送出・監理等の契約費用を確認 |
|---|---|
| 月額 | 団体監理型の監理費等/実習指導・生活支援等の費用/人件費(日本人と同等以上) |
| 更新 | 段階移行時の手続費、評価試験費等 |
監理費等は団体・契約内容で異なります。対象業務と費用内訳を確認し、必要に応じて見積を比較してください。
※上記は確認する費用項目です。当事務所の料金表や、公的な一律相場を示すものではありません。
7. スケジュールを組む順序
- 準備開始:制度選択/費用感・社内体制の把握
- 体制・書類準備:(特定技能1号)JAC・CCUS・受入計画申請/(技能実習)受入方式と実習計画認定の準備
- 申請時期の確認:入管申請(認定/変更)
- 就労開始:特定技能1号の受入報告・CCUS手続等を確認
8. 必要書類チェックリスト
共通で準備
- 会社概要・建設業許可・社保加入状況(制度ごとに要件・提出資料を確認)
- 雇用条件書(同等以上・月給制(建設SSW))
- 就業規則/36協定/安全衛生体制
- 住居・社宅の確保、生活オリエンテーション計画
制度ごとに追加
- 特定技能1号(建設):JAC関連、CCUS(事業者・技能者)、受入計画認定・受入報告、1号支援計画など
- 技能実習:受入方式に応じた契約等、技能実習計画の認定、講習・評価記録
9. 受入れ前後の確認点
- 特定技能(建設)を日給制で契約 → 必ず月給制に。
- CCUSの登録時期 → 申請時と海外からの入国後の取扱いを分け、現場の入場条件も事前確認。
- 団体監理型の監理体制 → 許可の範囲、監理業務、費用内訳、連絡体制を確認。
- 日本人未満の賃金 → 業務・経験・責任等に照らして同等以上の報酬を説明できる資料を確認。
- 住居・生活導線の軽視 → 住居・通勤・日常生活の支援方法を本人と確認。
10. 勤務地ごとに確認すること(埼玉・東京・神奈川・千葉・群馬)
埼玉(比企郡・滑川町・東松山・川越・さいたま市〈浦和〉・熊谷)
- 比企郡(滑川町・嵐山町・小川町・吉見町・川島町ほか)を勤務地とする場合も、実際の現場と住居の位置、通勤手段を確認します。
- 東松山・川越・浦和・熊谷でも、求人・雇用条件・住居・通勤を具体的に確認します。都市名だけで人材確保や定着のしやすさは判断できません。
東京・神奈川・千葉・群馬
- 東京:実際の元請・現場の入場条件と、安全衛生教育の方法を確認。
- 神奈川:担当する現場でのCCUS運用や必要な入場書類を確認。
- 千葉:実際の仕事内容が本人の在留資格・業務区分に合うか、通勤手段とあわせて確認。
- 群馬:住居の確保状況、送迎の要否、生活に必要な交通手段を確認。
11. 育成就労制度への移行に向けて
- 育成就労制度は2027年4月1日に運用開始予定です。2026年9月時点で既に新制度の受入れが始まっているわけではありません。技能実習の継続等には経過措置の条件があります。
- 特定技能は1号・2号で要件と手続が異なります。技能実習から自動的に移行する制度ではなく、本人の技能・試験免除の該当性・予定業務等を確認します。
- 詳細要件は改定があり得るため、申請直前に最新の運用を再確認。
12. まとめ&次の一歩
- 特定技能は本人と受入企業の要件を確認。1号は月給制・同等賃金・JAC・CCUS・計画と報告・支援体制を確認します。
- 技能実習は技能移転の目的に沿って実施。受入方式・認定計画・指導体制と経過措置を確認します。
- どちらも労務・社保・安全衛生の整備が前提。まずは社内体制を見直し。
最初のアクション(今日できること)
- 受入れの目的、仕事内容、本人の技能・経歴を整理する。
- JAC・CCUS(建設SSWの場合)の要件を社内で確認。
- 団体監理型の監理団体、特定技能1号の自社支援・委託支援など、必要な体制と契約内容を確認する。
埼玉(比企郡・滑川町・東松山・川越・浦和・熊谷)や東京・神奈川・千葉・群馬での立ち上げもご相談ください。